不等式 $x^2 - (a^2 - 2a + 1)x + a^2 - 2a < 0$ を満たす整数 $x$ が存在しないような定数 $a$ の値の範囲を求める。

代数学二次不等式解の配置判別式整数解
2025/6/8

1. 問題の内容

不等式 x2(a22a+1)x+a22a<0x^2 - (a^2 - 2a + 1)x + a^2 - 2a < 0 を満たす整数 xx が存在しないような定数 aa の値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

まず、与えられた不等式を因数分解することを試みます。
x2(a22a+1)x+a22a<0x^2 - (a^2 - 2a + 1)x + a^2 - 2a < 0
x2(a1)2x+a(a2)<0x^2 - (a-1)^2 x + a(a-2) < 0
x2(a1)2x+a(a2)=(xa)(x(a2))x^2 - (a-1)^2 x + a(a-2) = (x-a)(x-(a-2)) と予想して展開すると、
(xa)(x(a2))=x2(a+a2)x+a(a2)=x2(2a2)x+a(a2)(x-a)(x-(a-2)) = x^2 - (a+a-2)x + a(a-2) = x^2 - (2a-2)x + a(a-2).
係数が一致しないので、別の因数分解を試みます。
x2(a22a+1)x+a22a=x2(a1)2x+a(a2)<0x^2 - (a^2 - 2a + 1)x + a^2 - 2a = x^2 - (a-1)^2x + a(a-2) < 0
ここで、f(x)=x2(a1)2x+a(a2)f(x) = x^2 - (a-1)^2x + a(a-2) とおくと、この二次不等式を満たす整数 xx が存在しないということは、f(x)<0f(x) < 0 となる xx が存在しないことと同値です。つまり、f(x)0f(x) \ge 0 が全ての実数 xx について成り立つか、または f(x)<0f(x) < 0 を満たす xx が存在するものの、その範囲に整数が含まれないかのどちらかです。
f(x)f(x) は下に凸な放物線なので、まずは f(x)0f(x) \ge 0 となる条件を考えます。これは判別式 DDD0D \le 0 となることです。
D=(a1)44(a22a)=a44a3+6a24a+14a2+8a=a44a3+2a2+4a+10D = (a-1)^4 - 4(a^2 - 2a) = a^4 - 4a^3 + 6a^2 - 4a + 1 - 4a^2 + 8a = a^4 - 4a^3 + 2a^2 + 4a + 1 \le 0.
しかし、この不等式を解くのは困難です。
そこで、別の考え方として、x2(a1)2x+a(a2)<0x^2 - (a-1)^2x + a(a-2) < 0 を満たす整数 xx が存在しないということは、二次関数の解の間に整数が存在しないことになります。
x2(a1)2x+a(a2)=0x^2 - (a-1)^2 x + a(a-2) = 0 の解を α,β\alpha, \beta (α<β\alpha < \beta) とすると、α<x<β\alpha < x < \beta を満たす整数 xx が存在しないような aa の範囲を求めれば良いです。
改めて式をよく見ると、x2(a22a+1)x+a22a<0x^2-(a^2-2a+1)x + a^2-2a < 0
x2(a1)2x+a(a2)<0x^2-(a-1)^2 x + a(a-2) < 0 と変形できます。ここで、因数分解を試みると、
(xa+2)(xa)<0(x-a+2)(x-a) < 0とはなりません。
解の公式を使うと、
x=(a1)2±(a1)44(a22a)2x = \frac{(a-1)^2 \pm \sqrt{(a-1)^4 - 4(a^2-2a)}}{2} となり、複雑です。
不等式を満たす整数 xx が存在しない条件は、不等式の解が存在しないか、または解が存在するものの、解の区間内に整数が含まれないかのいずれかです。
与えられた不等式は x2(a22a+1)x+(a22a)<0x^2 - (a^2 - 2a + 1)x + (a^2 - 2a) < 0 と書けます。
これは x2(a1)2x+a(a2)<0x^2 - (a-1)^2 x + a(a-2) < 0 とも書けます。
x2(a1)2x+a(a2)=0x^2 - (a-1)^2 x + a(a-2) = 0 となる xxx=a2x = a-2 または x=ax = a を解に持つとは限りません。
(xa)(x(a2))=x2(2a2)x+a(a2)(x-a)(x-(a-2)) = x^2 - (2a-2)x + a(a-2) であるため、(a1)2=2a2(a-1)^2 = 2a-2 の場合にのみ因数分解可能です。
(a1)2=2a2    a22a+1=2a2    a24a+3=0    (a1)(a3)=0(a-1)^2 = 2a-2 \iff a^2-2a+1 = 2a-2 \iff a^2 - 4a + 3 = 0 \iff (a-1)(a-3) = 0 となり、常に因数分解可能ではありません。
2次方程式x2(a1)2x+a(a2)=0x^2-(a-1)^2 x + a(a-2) = 0が解を持たないとき、x2(a1)2x+a(a2)<0x^2-(a-1)^2 x + a(a-2) < 0となるxxは存在しないため、条件を満たします。この時、判別式は
D=(a1)44(a22a)<0D = (a-1)^4 - 4(a^2-2a) < 0となります。
もしも、a(a2)<0a(a-2)<0となるaaの範囲を求めるならば、0<a<20 < a < 2となります。
二次方程式の解をα, β (α < β)とすると、α < x < βの範囲に整数が存在しなければ良いです。α < x < β を満たす整数xが存在しない条件は、β - α ≦ 1 です。

3. 最終的な答え

0a20 \le a \le 2

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