正数 $\epsilon$ が与えられたとき、以下の2つの条件を満たすような正数 $\delta$ をそれぞれ $\epsilon$ の式で表す問題です。 (1) $0 < |x - 3| < \delta$ を満たすすべての実数 $x$ に対して、$|4x - 12| < \epsilon$。 (2) $0 < |x - 2| < \delta$ を満たすすべての実数 $x$ に対して、$|x^2 - x - 2| < \epsilon$。

1. 問題の内容

正数 $\epsilon$ が与えられたとき、以下の2つの条件を満たすような正数 $\delta$ をそれぞれ $\epsilon$ の式で表す問題です。

(1) $0 < |x - 3| < \delta$ を満たすすべての実数 $x$ に対して、$|4x - 12| < \epsilon$。

(2) $0 < |x - 2| < \delta$ を満たすすべての実数 $x$ に対して、$|x^2 - x - 2| < \epsilon$。

2. 解き方の手順

(1) の場合：

$|4x - 12| = |4(x - 3)| = 4|x - 3|$。

$0 < |x - 3| < \delta$ のとき、$|4x - 12| < 4\delta$。

したがって、$4\delta \le \epsilon$ であれば、$|4x - 12| < \epsilon$ が成り立つ。

$\delta \le \frac{\epsilon}{4}$ となるように $\delta$ を選べばよい。

例えば、$\delta = \frac{\epsilon}{4}$ とすればよい。

(2) の場合：

$|x^2 - x - 2| = |(x - 2)(x + 1)| = |x - 2| |x + 1|$。

$0 < |x - 2| < \delta$ のとき、$|x - 2| |x + 1| < \delta |x + 1|$。

$|x - 2| < \delta$ より、$-\delta < x - 2 < \delta$ なので、$2 - \delta < x < 2 + \delta$。

したがって、$3 - \delta < x + 1 < 3 + \delta$。

$|x + 1| < 3 + \delta$ が成り立つ。

$|x^2 - x - 2| < \delta (3 + \delta)$。

$\delta (3 + \delta) \le \epsilon$ となるように $\delta$ を選ぶ必要がある。

ここで、$\delta < 1$ と仮定すると、$3 + \delta < 4$ なので、$\delta (3 + \delta) < 4\delta$。

したがって、$4\delta \le \epsilon$ であれば、$|x^2 - x - 2| < \epsilon$ が成り立つ。

$\delta \le \frac{\epsilon}{4}$ となるように $\delta$ を選べばよい。

$\delta < 1$ という仮定の下では、$\delta = \min\{1, \frac{\epsilon}{4}\}$ とすればよい。

3. 最終的な答え

(1) $\delta = \frac{\epsilon}{4}$

(2) $\delta = \min\{1, \frac{\epsilon}{4}\}$