$x$ の3次方程式 $x^3 - x^2 + k = 0$ が、異なる3つの実数解 $\alpha$, $\beta$, $\gamma$ ($\alpha < \beta < \gamma$) を持つとき、定数 $k$ の取り得る値の範囲と、$\beta$ の取り得る値の範囲をそれぞれ求めます。

解析学三次方程式微分増減グラフ実数解極値
2025/6/9

1. 問題の内容

xx の3次方程式 x3x2+k=0x^3 - x^2 + k = 0 が、異なる3つの実数解 α\alpha, β\beta, γ\gamma (α<β<γ\alpha < \beta < \gamma) を持つとき、定数 kk の取り得る値の範囲と、β\beta の取り得る値の範囲をそれぞれ求めます。

2. 解き方の手順

まず、f(x)=x3x2f(x) = x^3 - x^2 とおくと、与えられた方程式は f(x)=kf(x) = -k と書き換えられます。3つの異なる実数解を持つためには、y=f(x)y = f(x) のグラフと y=ky = -k の直線が3点で交わる必要があります。
f(x)f(x) の増減を調べるために、微分します。
f(x)=3x22x=x(3x2)f'(x) = 3x^2 - 2x = x(3x - 2)
f(x)=0f'(x) = 0 となるのは x=0,23x = 0, \frac{2}{3} のときです。
x=0x = 0 のとき、f(0)=0f(0) = 0
x=23x = \frac{2}{3} のとき、f(23)=(23)3(23)2=82749=81227=427f(\frac{2}{3}) = (\frac{2}{3})^3 - (\frac{2}{3})^2 = \frac{8}{27} - \frac{4}{9} = \frac{8 - 12}{27} = -\frac{4}{27}
したがって、y=f(x)y = f(x) のグラフは、x=0x = 0 で極大値 00 を、x=23x = \frac{2}{3} で極小値 427-\frac{4}{27} をとります。
y=f(x)y = f(x) のグラフと y=ky = -k が3点で交わるためには、427<k<0-\frac{4}{27} < -k < 0 である必要があります。
(1) k-k の範囲は 427<k<0-\frac{4}{27} < -k < 0 なので、0<k<4270 < k < \frac{4}{27}kk の取り得る値の範囲です。
(2) β\betaf(x)=kf(x) = -k の3つの解のうち中央の解です。
0<k<4270 < k < \frac{4}{27} において、極小値を与える x=23x = \frac{2}{3} と極大値を与える x=0x = 0 の間のどこかに β\beta は存在します。
また、x=0x = 0 のとき極大値 00 をとるので、β\beta0<β<230 < \beta < \frac{2}{3} を満たします。
f(x)=x3x2=x2(x1)f(x) = x^3 - x^2 = x^2(x-1) なので、x=1x = 1f(1)=0f(1) = 0 となり、x=1x = 1f(x)=0f(x) = 0 の解です。
したがって、β\beta は常に 0<β<10 < \beta < 1 を満たします。
y=f(x)y = f(x)x=13x = \frac{1}{3} で対称です。β\beta の最小値は、f(23)=427f(\frac{2}{3})= -\frac{4}{27} のとき、x=23x = \frac{2}{3}です。f(β)=kf(\beta) = -k
kk0<k<4270 < k < \frac{4}{27} なので、0<f(β)<4270 < -f(\beta) < \frac{4}{27}.
x3x2=kx^3 - x^2 = -k のグラフを見ると、β\beta の取りうる範囲は 0<β<10 < \beta < 1 であることが分かります。
k=427k = \frac{4}{27} のとき、β=23\beta = \frac{2}{3} なので、β\beta の最大値は 23\frac{2}{3} となります。

3. 最終的な答え

(1) 0<k<4270 < k < \frac{4}{27}
(2) 0<β<230 < \beta < \frac{2}{3}

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