(1) 整式 $P(x)$ が1次式 $ax+b$ ($a \neq 0$) で割り切れる(すなわち、$P(x)$ が $ax+b$ を因数にもつ)ための必要十分条件が $P(-\frac{b}{a}) = 0$ であることを示す。(因数定理) (2) 3次方程式 $12x^3 + 4x^2 - 3x - 1 = 0$ を解く。

代数学因数定理3次方程式因数分解多項式
2025/3/27

1. 問題の内容

(1) 整式 P(x)P(x) が1次式 ax+bax+b (a0a \neq 0) で割り切れる(すなわち、P(x)P(x)ax+bax+b を因数にもつ)ための必要十分条件が P(ba)=0P(-\frac{b}{a}) = 0 であることを示す。(因数定理)
(2) 3次方程式 12x3+4x23x1=012x^3 + 4x^2 - 3x - 1 = 0 を解く。

2. 解き方の手順

(1) 因数定理の証明:
P(x)P(x)ax+bax+b で割ったときの商を Q(x)Q(x)、余りを RR とすると、
P(x)=(ax+b)Q(x)+RP(x) = (ax+b)Q(x) + R と表せる。
P(ba)=(a(ba)+b)Q(ba)+R=(b+b)Q(ba)+R=0Q(ba)+R=RP(-\frac{b}{a}) = (a(-\frac{b}{a})+b)Q(-\frac{b}{a}) + R = (-b+b)Q(-\frac{b}{a}) + R = 0 \cdot Q(-\frac{b}{a}) + R = R
P(ba)=RP(-\frac{b}{a}) = R である。
P(x)P(x)ax+bax+b で割り切れるとき、余りは R=0R=0 であるから、P(ba)=0P(-\frac{b}{a}) = 0 が成り立つ。
逆に、P(ba)=0P(-\frac{b}{a}) = 0 のとき、R=0なので、P(x)=(ax+b)Q(x)P(x) = (ax+b)Q(x) となり、P(x)P(x)ax+bax+b で割り切れる。
したがって、P(x)P(x)ax+bax+b で割り切れるための必要十分条件は、P(ba)=0P(-\frac{b}{a}) = 0 である。
(2) 3次方程式 12x3+4x23x1=012x^3 + 4x^2 - 3x - 1 = 0 を解く。
P(x)=12x3+4x23x1P(x) = 12x^3 + 4x^2 - 3x - 1 とする。
P(12)=12(12)3+4(12)23(12)1=12(18)+4(14)321=32+1321=0P(\frac{1}{2}) = 12(\frac{1}{2})^3 + 4(\frac{1}{2})^2 - 3(\frac{1}{2}) - 1 = 12(\frac{1}{8}) + 4(\frac{1}{4}) - \frac{3}{2} - 1 = \frac{3}{2} + 1 - \frac{3}{2} - 1 = 0
したがって、x=12x = \frac{1}{2} は解の一つであり、P(x)P(x)(x12)(x - \frac{1}{2}) を因数に持つ。あるいは、2x12x-1 を因数に持つ。
実際に割り算を行うと、
12x3+4x23x1=(2x1)(6x2+5x+1)=(2x1)(2x+1)(3x+1)=012x^3 + 4x^2 - 3x - 1 = (2x - 1)(6x^2 + 5x + 1) = (2x - 1)(2x + 1)(3x + 1) = 0
よって、2x1=02x-1 = 0 または 2x+1=02x+1 = 0 または 3x+1=03x+1 = 0 となる。
x=12x = \frac{1}{2} または x=12x = -\frac{1}{2} または x=13x = -\frac{1}{3}

3. 最終的な答え

(1) 証明は上記参照
(2) x=12,12,13x = \frac{1}{2}, -\frac{1}{2}, -\frac{1}{3}

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