(2)の問題は、(1)の振幅変調波を参考に、$V_c = 2V$, 変調指数$m = 0.2$, 搬送波周波数$1 MHz$, 情報周波数$500 Hz$ のときの周波数スペクトラムを、角周波数ではなく周波数で書く問題です。

応用数学信号処理フーリエ変換振幅変調周波数スペクトル
2025/6/9

1. 問題の内容

(2)の問題は、(1)の振幅変調波を参考に、Vc=2VV_c = 2V, 変調指数m=0.2m = 0.2, 搬送波周波数1MHz1 MHz, 情報周波数500Hz500 Hz のときの周波数スペクトラムを、角周波数ではなく周波数で書く問題です。

2. 解き方の手順

まず、振幅変調(AM)の式は以下の通りです。
fAM(t)=Vc{1+msin(ωmt)}sin(ωct)f_{AM}(t) = V_c\{1 + m\sin(\omega_m t)\}\sin(\omega_c t)
これを周波数領域に変換すると、以下のようになります。
F[fAM(t)]=jπVc{δ(ωωc)δ(ω+ωc)}π2mVc{δ(ωωcωm)+δ(ω+ωc+ωm)}+π2mVc{δ(ωωc+ωm)+δ(ω+ωcωm)}F[f_{AM}(t)] = -j\pi V_c\{\delta(\omega - \omega_c) - \delta(\omega + \omega_c)\} - \frac{\pi}{2} mV_c\{\delta(\omega - \omega_c - \omega_m) + \delta(\omega + \omega_c + \omega_m)\} + \frac{\pi}{2}mV_c\{\delta(\omega - \omega_c + \omega_m) + \delta(\omega + \omega_c - \omega_m)\}
ここで、
- Vc=2VV_c = 2V
- m=0.2m = 0.2
- 搬送波周波数 fc=1MHzf_c = 1 MHz (ωc=2πfc\omega_c = 2\pi f_c)
- 情報周波数 fm=500Hz=0.5kHzf_m = 500 Hz = 0.5 kHz (ωm=2πfm\omega_m = 2\pi f_m)
与えられたパラメータを代入すると、振幅は以下のようになります。
- 搬送波成分: πVc=2π\pi V_c = 2\pi
- 上側帯波/下側帯波成分: π2mVc=π2×0.2×2=0.2π\frac{\pi}{2} m V_c = \frac{\pi}{2} \times 0.2 \times 2 = 0.2\pi
したがって、周波数スペクトラムは以下の周波数成分に現れます。
- f=±fc=±1000kHzf = \pm f_c = \pm 1000 kHz
- f=±(fc+fm)=±(1000+0.5)kHz=±1000.5kHzf = \pm (f_c + f_m) = \pm (1000 + 0.5) kHz = \pm 1000.5 kHz
- f=±(fcfm)=±(10000.5)kHz=±999.5kHzf = \pm (f_c - f_m) = \pm (1000 - 0.5) kHz = \pm 999.5 kHz
これらの周波数成分において、以下の振幅を持ちます。
- ±1000kHz\pm 1000 kHz には振幅 π\pi を持つデルタ関数が存在します。ただし、負の周波数成分については位相が反転します。
- ±999.5kHz\pm 999.5 kHz±1000.5kHz\pm 1000.5 kHz には振幅 0.2π0.2\pi を持つデルタ関数が存在します。同様に、負の周波数成分については位相が反転します。

3. 最終的な答え

周波数スペクトラムは以下のようになります。
- -1000.5 kHz: 振幅 -j0.2π
- -1000 kHz: 振幅 -jπ
- -999.5 kHz: 振幅 -j0.2π
- 999.5 kHz: 振幅 j0.2π
- 1000 kHz: 振幅 jπ
- 1000.5 kHz: 振幅 j0.2π

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