$m^2 + n^2$ が奇数ならば、$m$ と $n$ の少なくとも一方は奇数であることを証明する問題です。

数論整数の性質対偶証明偶数奇数
2025/6/9

1. 問題の内容

m2+n2m^2 + n^2 が奇数ならば、mmnn の少なくとも一方は奇数であることを証明する問題です。

2. 解き方の手順

この問題は、対偶を証明することで解決します。つまり、「mmnn が共に奇数でないならば、m2+n2m^2 + n^2 は奇数でない(偶数である)」ことを示します。
mmnn が共に奇数でない場合、次の3つの可能性があります。

1. $m$ と $n$ が共に偶数である。

2. $m$ が偶数で $n$ が奇数である。

3. $m$ が奇数で $n$ が偶数である。

それぞれのケースで m2+n2m^2 + n^2 が偶数になることを示します。
ケース1: mmnn が共に偶数である場合
m=2am = 2an=2bn = 2b と表すことができます。
ここで、aabb は整数です。
m2+n2=(2a)2+(2b)2=4a2+4b2=4(a2+b2)m^2 + n^2 = (2a)^2 + (2b)^2 = 4a^2 + 4b^2 = 4(a^2 + b^2)
4(a2+b2)4(a^2 + b^2) は4の倍数であり、したがって偶数です。
ケース2: mm が偶数で nn が奇数である場合
m=2am = 2an=2b+1n = 2b + 1 と表すことができます。
ここで、aabb は整数です。
m2+n2=(2a)2+(2b+1)2=4a2+4b2+4b+1=4(a2+b2+b)+1m^2 + n^2 = (2a)^2 + (2b + 1)^2 = 4a^2 + 4b^2 + 4b + 1 = 4(a^2 + b^2 + b) + 1
4(a2+b2+b)+14(a^2 + b^2 + b) + 1 は奇数です。
ケース3: mm が奇数で nn が偶数である場合
m=2a+1m = 2a + 1n=2bn = 2b と表すことができます。
ここで、aabb は整数です。
m2+n2=(2a+1)2+(2b)2=4a2+4a+1+4b2=4(a2+a+b2)+1m^2 + n^2 = (2a + 1)^2 + (2b)^2 = 4a^2 + 4a + 1 + 4b^2 = 4(a^2 + a + b^2) + 1
4(a2+a+b2)+14(a^2 + a + b^2) + 1 は奇数です。
しかし、mmnnが共に偶数の場合、m2+n2m^2+n^2は偶数になります。一方、mmが偶数でnnが奇数、または、mmが奇数でnnが偶数の場合、m2+n2m^2+n^2は奇数になります。従って、対偶法による証明はできません。
元の命題を直接証明します。m2+n2m^2 + n^2 が奇数であると仮定します。もし、mmnnがともに偶数ならば、m=2am = 2an=2bn = 2bと表現できます。したがって、m2+n2=(2a)2+(2b)2=4a2+4b2=2(2a2+2b2)m^2 + n^2 = (2a)^2 + (2b)^2 = 4a^2 + 4b^2 = 2(2a^2 + 2b^2)となり、m2+n2m^2 + n^2は偶数となり、仮定と矛盾します。もし、mmnnがともに奇数でないと仮定すると、この場合、m2+n2m^2+n^2が奇数になるためには、少なくともmmnnのどちらか一方は奇数でなければなりません。

3. 最終的な答え

m2+n2m^2 + n^2 が奇数ならば、mmnn の少なくとも一方は奇数である。

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