$m, n$ は整数とする。次の命題を証明する。 (1) $n^2$ が 5 の倍数ならば、$n$ は 5 の倍数である。 (2) $mn$ が 3 の倍数ならば、$m, n$ の少なくとも一方は 3 の倍数である。

数論整数の性質倍数合同式対偶
2025/6/10

1. 問題の内容

m,nm, n は整数とする。次の命題を証明する。
(1) n2n^2 が 5 の倍数ならば、nn は 5 の倍数である。
(2) mnmn が 3 の倍数ならば、m,nm, n の少なくとも一方は 3 の倍数である。

2. 解き方の手順

(1) 対偶を証明する。「nn が 5 の倍数でないならば、n2n^2 は 5 の倍数でない」ことを示す。
nn が 5 の倍数でないとき、nn5k+1,5k+2,5k+3,5k+45k+1, 5k+2, 5k+3, 5k+4kk は整数)のいずれかで表せる。
- n=5k+1n = 5k+1 のとき、n2=(5k+1)2=25k2+10k+1=5(5k2+2k)+1n^2 = (5k+1)^2 = 25k^2 + 10k + 1 = 5(5k^2 + 2k) + 1
- n=5k+2n = 5k+2 のとき、n2=(5k+2)2=25k2+20k+4=5(5k2+4k)+4n^2 = (5k+2)^2 = 25k^2 + 20k + 4 = 5(5k^2 + 4k) + 4
- n=5k+3n = 5k+3 のとき、n2=(5k+3)2=25k2+30k+9=5(5k2+6k+1)+4n^2 = (5k+3)^2 = 25k^2 + 30k + 9 = 5(5k^2 + 6k + 1) + 4
- n=5k+4n = 5k+4 のとき、n2=(5k+4)2=25k2+40k+16=5(5k2+8k+3)+1n^2 = (5k+4)^2 = 25k^2 + 40k + 16 = 5(5k^2 + 8k + 3) + 1
いずれの場合も、n2n^2 は 5 で割ると 1 または 4 余る。よって、n2n^2 は 5 の倍数ではない。
したがって、対偶が真であるから、元の命題も真である。
(2) 対偶を証明する。「mmnn も 3 の倍数でないならば、mnmn は 3 の倍数でない」ことを示す。
mmnn も 3 の倍数でないとき、mm3k+13k+1 または 3k+23k+2kk は整数)で表せ、nn3l+13l+1 または 3l+23l+2 (llは整数)で表せる。
- m=3k+1m = 3k+1 かつ n=3l+1n = 3l+1 のとき、mn=(3k+1)(3l+1)=9kl+3k+3l+1=3(3kl+k+l)+1mn = (3k+1)(3l+1) = 9kl + 3k + 3l + 1 = 3(3kl + k + l) + 1
- m=3k+1m = 3k+1 かつ n=3l+2n = 3l+2 のとき、mn=(3k+1)(3l+2)=9kl+6k+3l+2=3(3kl+2k+l)+2mn = (3k+1)(3l+2) = 9kl + 6k + 3l + 2 = 3(3kl + 2k + l) + 2
- m=3k+2m = 3k+2 かつ n=3l+1n = 3l+1 のとき、mn=(3k+2)(3l+1)=9kl+3k+6l+2=3(3kl+k+2l)+2mn = (3k+2)(3l+1) = 9kl + 3k + 6l + 2 = 3(3kl + k + 2l) + 2
- m=3k+2m = 3k+2 かつ n=3l+2n = 3l+2 のとき、mn=(3k+2)(3l+2)=9kl+6k+6l+4=3(3kl+2k+2l+1)+1mn = (3k+2)(3l+2) = 9kl + 6k + 6l + 4 = 3(3kl + 2k + 2l + 1) + 1
いずれの場合も、mnmn は 3 で割ると 1 または 2 余る。よって、mnmn は 3 の倍数ではない。
したがって、対偶が真であるから、元の命題も真である。

3. 最終的な答え

(1) n2n^2 が 5 の倍数ならば、nn は 5 の倍数である。(証明終わり)
(2) mnmn が 3 の倍数ならば、m,nm, n の少なくとも一方は 3 の倍数である。(証明終わり)

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