実数 $a$ に対し、数列 $\{a_n\}_{n=1}^\infty$ が $a_n = (-1)^n a$ で定義されるとき、この数列が収束しないことを証明する。証明中の空欄ア〜エを埋める。

解析学数列収束極限絶対値三角不等式
2025/6/10

1. 問題の内容

実数 aa に対し、数列 {an}n=1\{a_n\}_{n=1}^\inftyan=(1)naa_n = (-1)^n a で定義されるとき、この数列が収束しないことを証明する。証明中の空欄ア〜エを埋める。

2. 解き方の手順

数列 {an}n=1\{a_n\}_{n=1}^\infty が実数 α\alpha に収束すると仮定する。
このとき、任意の正の実数 ϵ\epsilon に対して、ある自然数 NN が存在して、NN 以上の全ての自然数 nn に対して anα<ϵ|a_n - \alpha| < \epsilon を満たす。したがって、空欄アは「ある」、空欄イは「すべての」が当てはまる。
特に、正の実数 aa に対して、ある自然数 N0N_0 が存在して、N0N_0 以上のすべての自然数 nn に対して anα<a|a_n - \alpha| < a を満たす。
よって、N0N_0 以上のすべての自然数 nn に対して、
a2nα+a2n+1α<a+a=2a|a_{2n} - \alpha| + |a_{2n+1} - \alpha| < a + a = 2a
が成り立つ。
一方、すべての自然数 nn に対して、実数の絶対値に関する三角不等式より、
a2nα+a2n+1α(a2nα)+(αa2n+1)=a2na2n+1|a_{2n} - \alpha| + |a_{2n+1} - \alpha| \geq |(a_{2n} - \alpha) + (\alpha - a_{2n+1})| = |a_{2n} - a_{2n+1}|
ここで、a2n=(1)2na=aa_{2n} = (-1)^{2n} a = a であり、a2n+1=(1)2n+1a=aa_{2n+1} = (-1)^{2n+1} a = -a であるから、
a2na2n+1=a(a)=2a=2a|a_{2n} - a_{2n+1}| = |a - (-a)| = |2a| = 2a.
したがって、空欄ウは\geqであり、空欄エは2a2aとなる。
2a<2a2a < 2aとなり、これは矛盾である。したがって、実数列 {an}n=1\{a_n\}_{n=1}^\infty は収束しない。

3. 最終的な答え

ア:2
イ:1
ウ:2
エ:2

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