実数 $x$ に関する以下の4つの命題 $A \implies B$ の真偽を集合を用いて調べよ。 (1) $1 < x < 2 \implies 1 < x < 3$ (2) $x < 1 \implies 0 < x < 1$ (3) $x > 3 \implies |x + 1| > 2$ (4) $|x| \le 2 \implies |x - 1| < 3$

1. 問題の内容

実数 $x$ に関する以下の4つの命題 $A \implies B$ の真偽を集合を用いて調べよ。

(1) $1 < x < 2 \implies 1 < x < 3$

(2) $x < 1 \implies 0 < x < 1$

(3) $x > 3 \implies |x + 1| > 2$

(4) $|x| \le 2 \implies |x - 1| < 3$

2. 解き方の手順

命題 $A \implies B$ が真であるとは、$A$ を満たす $x$ が必ず $B$ を満たすことである。 つまり、$A$ を満たす $x$ の集合を $X_A$, $B$ を満たす $x$ の集合を $X_B$ とするとき、$X_A \subset X_B$ が成り立つことである。

(1) $X_A = \{x \mid 1 < x < 2\}$、$X_B = \{x \mid 1 < x < 3\}$。

$1 < x < 2$ ならば $1 < x < 3$ なので、$X_A \subset X_B$。したがって、この命題は真である。

(2) $X_A = \{x \mid x < 1\}$、$X_B = \{x \mid 0 < x < 1\}$。

$x < 1$ であっても、$x = 0$ とすれば $0 < x < 1$ は成り立たない。よって、$X_A \not\subset X_B$。例えば、$x = -1$ を考えると、$x < 1$ は満たすが、$0 < x < 1$ は満たさない。したがって、この命題は偽である。

(3) $X_A = \{x \mid x > 3\}$、$X_B = \{x \mid |x + 1| > 2\}$。

$|x+1| > 2$ は、$x + 1 > 2$ または $x + 1 < -2$ と同値である。

すなわち、$x > 1$ または $x < -3$ である。

$X_B = \{x \mid x > 1 \text{ または } x < -3\}$。

$x > 3$ ならば $x > 1$ なので、$x > 3$ ならば $|x + 1| > 2$ が成り立つ。

したがって、$X_A \subset X_B$ より、この命題は真である。

(4) $X_A = \{x \mid |x| \le 2\}$、$X_B = \{x \mid |x - 1| < 3\}$。

$|x| \le 2$ は $-2 \le x \le 2$ と同値である。

$|x - 1| < 3$ は $-3 < x - 1 < 3$ と同値であり、$-2 < x < 4$ と同値である。

$-2 \le x \le 2$ ならば $-2 < x < 4$ なので、$|x| \le 2$ ならば $|x - 1| < 3$ が成り立つ。

したがって、$X_A \subset X_B$ より、この命題は真である。

3. 最終的な答え

(1) 真

(2) 偽

(3) 真

(4) 真