この問題は、電磁気学に関連する3つの問題を解くものです。 1. ある積分方程式の微分形を求める。

応用数学ベクトル解析線積分ストークスの定理電磁気学
2025/6/10

1. 問題の内容

この問題は、電磁気学に関連する3つの問題を解くものです。

1. ある積分方程式の微分形を求める。

2. ベクトル場の線積分を計算する。ベクトル場は位置ベクトルとその勾配で定義され、積分経路は半径1の円周です。

3. 別のベクトル場の線積分を計算する。ベクトル場は与えられており、積分経路は半径aの円周です。

2. 解き方の手順

**

1. の解き方**

与えられた積分方程式は、
CHds=SJdS\int_C \mathbf{H} \cdot d\mathbf{s} = \int_S \mathbf{J} \cdot d\mathbf{S}
これはアンペールの法則の積分形です。ストークスの定理を用いると、左辺は
CHds=S(×H)dS\int_C \mathbf{H} \cdot d\mathbf{s} = \int_S (\nabla \times \mathbf{H}) \cdot d\mathbf{S}
したがって、
S(×H)dS=SJdS\int_S (\nabla \times \mathbf{H}) \cdot d\mathbf{S} = \int_S \mathbf{J} \cdot d\mathbf{S}
積分の中身が等しくなければならないので、微分形は
×H=J\nabla \times \mathbf{H} = \mathbf{J}
**

2. の解き方**

ベクトル場は r\nabla \mathbf{r} です。ここで、r=(x,y,z)\mathbf{r} = (x, y, z) なので、
r=(x,y,z)(x,y,z)=(1,1,1)\nabla \mathbf{r} = (\frac{\partial}{\partial x}, \frac{\partial}{\partial y}, \frac{\partial}{\partial z}) (x, y, z) = (1, 1, 1).
積分経路は xyxy 平面上の半径1の円周なので、パラメータ表示は s(t)=(cost,sint,0)\mathbf{s}(t) = (\cos t, \sin t, 0) (反時計回り)。したがって、ds=(sint,cost,0)dtd\mathbf{s} = (-\sin t, \cos t, 0) dt であり、0t2π0 \le t \le 2\pi です。
Crds=02π(1,1,1)(sint,cost,0)dt=02π(sint+cost)dt=[cost+sint]02π=(cos2π+sin2π)(cos0+sin0)=(1+0)(1+0)=0\int_C \nabla \mathbf{r} \cdot d\mathbf{s} = \int_0^{2\pi} (1, 1, 1) \cdot (-\sin t, \cos t, 0) dt = \int_0^{2\pi} (-\sin t + \cos t) dt = [\cos t + \sin t]_0^{2\pi} = (\cos 2\pi + \sin 2\pi) - (\cos 0 + \sin 0) = (1 + 0) - (1 + 0) = 0
**

3. の解き方**

ベクトル場は A=(x,z,x)\mathbf{A} = (x, z, -x) です。
積分経路は zxzx 平面上の半径 aa の円周なので、パラメータ表示は s(t)=(acost,0,asint)\mathbf{s}(t) = (a \cos t, 0, a \sin t) (反時計回り)。したがって、ds=(asint,0,acost)dtd\mathbf{s} = (-a \sin t, 0, a \cos t) dt であり、0t2π0 \le t \le 2\pi です。
CAds=02π(acost,asint,acost)(asint,0,acost)dt=02π(a2costsinta2cos2t)dt=a202π(costsint+cos2t)dt=a202π(12sin2t+1+cos2t2)dt=a2[14cos2t+t2+14sin2t]02π=a2[(14cos4π+2π2+14sin4π)(14cos0+0+14sin0)]=a2[(14+π+0)(14+0+0)]=a2π\int_C \mathbf{A} \cdot d\mathbf{s} = \int_0^{2\pi} (a \cos t, a \sin t, -a \cos t) \cdot (-a \sin t, 0, a \cos t) dt = \int_0^{2\pi} (-a^2 \cos t \sin t - a^2 \cos^2 t) dt = -a^2 \int_0^{2\pi} (\cos t \sin t + \cos^2 t) dt = -a^2 \int_0^{2\pi} (\frac{1}{2} \sin 2t + \frac{1 + \cos 2t}{2}) dt = -a^2 [\frac{-1}{4} \cos 2t + \frac{t}{2} + \frac{1}{4} \sin 2t]_0^{2\pi} = -a^2 [(\frac{-1}{4} \cos 4\pi + \frac{2\pi}{2} + \frac{1}{4} \sin 4\pi) - (\frac{-1}{4} \cos 0 + 0 + \frac{1}{4} \sin 0)] = -a^2 [(\frac{-1}{4} + \pi + 0) - (\frac{-1}{4} + 0 + 0)] = -a^2 \pi

3. 最終的な答え

1. $\nabla \times \mathbf{H} = \mathbf{J}$

2. 0

3. $-a^2 \pi$

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