xy平面上に円 $(x-1)^2 + (y-1)^2 = 1$ と直線 $y = mx$ ($m > 1$) がある。円の中心をCとし、円と直線の交点を原点に近い順にA, Bとする。三角形ABCの面積をSとする。 (1) Sの最大値と、そのときの$\angle ACB$の大きさを求めよ。 (2) $m > 1$ の場合に、線分ABの長さを $m$ を用いて表せ。 (3) Sが最大値をとるときの $m$ の値を求めよ。

幾何学直線面積最大値三角関数代数
2025/6/10

1. 問題の内容

xy平面上に円 (x1)2+(y1)2=1(x-1)^2 + (y-1)^2 = 1 と直線 y=mxy = mx (m>1m > 1) がある。円の中心をCとし、円と直線の交点を原点に近い順にA, Bとする。三角形ABCの面積をSとする。
(1) Sの最大値と、そのときのACB\angle ACBの大きさを求めよ。
(2) m>1m > 1 の場合に、線分ABの長さを mm を用いて表せ。
(3) Sが最大値をとるときの mm の値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
円の中心Cは (1,1)(1, 1) である。円と直線の交点A, Bを求める。
円の方程式 (x1)2+(y1)2=1(x-1)^2 + (y-1)^2 = 1y=mxy = mx を代入する。
(x1)2+(mx1)2=1(x-1)^2 + (mx-1)^2 = 1
x22x+1+m2x22mx+1=1x^2 - 2x + 1 + m^2x^2 - 2mx + 1 = 1
(1+m2)x22(1+m)x+1=0(1+m^2)x^2 - 2(1+m)x + 1 = 0
この2解を x1,x2x_1, x_2とすると、x1+x2=2(1+m)1+m2x_1 + x_2 = \frac{2(1+m)}{1+m^2}, x1x2=11+m2x_1 x_2 = \frac{1}{1+m^2}
A, Bの座標はそれぞれ(x1,mx1)(x_1, mx_1), (x2,mx2)(x_2, mx_2)である。
三角形ABCの面積Sは、点C(1, 1)と直線y=mxy = mxすなわちmxy=0mx - y = 0の距離 dd と、線分ABの長さを用いて S=12dABS = \frac{1}{2} d \cdot AB と表せる。
点と直線の距離の公式より、d=m1m2+1d = \frac{|m - 1|}{\sqrt{m^2 + 1}}
AB=(x2x1)2+(mx2mx1)2=(1+m2)(x2x1)2=(1+m2)[(x1+x2)24x1x2]AB = \sqrt{(x_2 - x_1)^2 + (mx_2 - mx_1)^2} = \sqrt{(1+m^2)(x_2 - x_1)^2} = \sqrt{(1+m^2)[(x_1 + x_2)^2 - 4x_1x_2]}
=(1+m2)[(2(1+m)1+m2)241+m2]= \sqrt{(1+m^2) \left[ \left(\frac{2(1+m)}{1+m^2}\right)^2 - \frac{4}{1+m^2} \right]}
=(1+m2)[4(1+2m+m2)4(1+m2)(1+m2)2]= \sqrt{(1+m^2) \left[ \frac{4(1+2m+m^2) - 4(1+m^2)}{(1+m^2)^2} \right]}
=(1+m2)8m(1+m2)2=8m1+m2=22m1+m2= \sqrt{(1+m^2) \frac{8m}{(1+m^2)^2}} = \sqrt{\frac{8m}{1+m^2}} = 2\sqrt{\frac{2m}{1+m^2}}
S=12m1m2+122m1+m2=m1m2+12m1+m2=m12m(1+m2)2=m11+m22mS = \frac{1}{2} \cdot \frac{|m-1|}{\sqrt{m^2+1}} \cdot 2 \sqrt{\frac{2m}{1+m^2}} = \frac{|m-1|}{\sqrt{m^2+1}} \sqrt{\frac{2m}{1+m^2}} = |m-1|\sqrt{\frac{2m}{(1+m^2)^2}} = \frac{|m-1|}{1+m^2} \sqrt{2m}
m>1m > 1 より、S=m11+m22mS = \frac{m-1}{1+m^2} \sqrt{2m}
Sの最大値を求めるために、Sを微分する。しかし、ACB\angle ACBを先に求める方が簡単。
ACB=2θ\angle ACB = 2\theta とおくと、
sinθ=AB/21=12AB=2m1+m2\sin \theta = \frac{AB/2}{1} = \frac{1}{2} AB = \sqrt{\frac{2m}{1+m^2}}. よってsin2θ=2m1+m2\sin^2 \theta = \frac{2m}{1+m^2}
S=12(1)(1)sinACB=12sin2θ=sinθcosθ=sinθ1sin2θS = \frac{1}{2} (1)(1) \sin \angle ACB = \frac{1}{2} \sin 2\theta = \sin \theta \cos \theta = \sin \theta \sqrt{1-\sin^2\theta}
=2m1+m212m1+m2=2m1+m212m+m21+m2=2m(m1)21+m2=(m1)2m1+m2= \sqrt{\frac{2m}{1+m^2}} \sqrt{1 - \frac{2m}{1+m^2}} = \sqrt{\frac{2m}{1+m^2} \cdot \frac{1-2m+m^2}{1+m^2}} = \frac{\sqrt{2m(m-1)^2}}{1+m^2} = \frac{(m-1)\sqrt{2m}}{1+m^2}
t=2m1+m2t = \frac{2m}{1+m^2}の最大値を求める。(m1)22m1+m2(m-1)^2 \frac{2m}{1+m^2}を微分すると、m=2m = \sqrt{2}のときが最大値である。
S=12dABS = \frac{1}{2} d \cdot ABm=2m = \sqrt{2}とすると、
AB=2221+2=2223=2223AB = 2\sqrt{\frac{2\sqrt{2}}{1+2}} = 2\sqrt{\frac{2\sqrt{2}}{3}} = \frac{2 \sqrt{2 \sqrt{2}}}{\sqrt{3}}
d=212+1=213d = \frac{\sqrt{2}-1}{\sqrt{2+1}} = \frac{\sqrt{2}-1}{\sqrt{3}}
S=122132223=(21)223S = \frac{1}{2} \frac{\sqrt{2}-1}{\sqrt{3}} \frac{2 \sqrt{2 \sqrt{2}}}{\sqrt{3}} = \frac{(\sqrt{2}-1) \sqrt{2 \sqrt{2}}}{3}
ACB=π2\angle ACB = \frac{\pi}{2}の時、S=12(1)(1)=12S = \frac{1}{2} (1)(1) = \frac{1}{2}
m11+m22m\frac{m-1}{1+m^2} \sqrt{2m}の最大値は m=2m=\sqrt{2}の時なので
211+222=(21)223=(21)23/43\frac{\sqrt{2} - 1}{1+2} \sqrt{2 \sqrt{2}} = \frac{(\sqrt{2}-1) \sqrt{2 \sqrt{2}}}{3} = \frac{(\sqrt{2} - 1) 2^{3/4}}{3}
S=(21)3(23/4)S = \frac{(\sqrt{2} - 1)}{3} (2^{3/4})
m=2m = \sqrt{2} のとき sinθ=221+2=223\sin \theta = \sqrt{\frac{2\sqrt{2}}{1+2}} = \sqrt{\frac{2\sqrt{2}}{3}}
AB=2AB = \sqrt{2}のとき、sinACB=1,ACB=π2\sin \angle ACB = 1, \angle ACB = \frac{\pi}{2}.
sin2θ=12,2m1+m2=12,4m=1+m2,m24m+1=0,m=4±1642=2±3\sin^2 \theta = \frac{1}{2}, \frac{2m}{1+m^2} = \frac{1}{2}, 4m = 1+m^2, m^2 - 4m + 1 = 0, m = \frac{4 \pm \sqrt{16-4}}{2} = 2 \pm \sqrt{3}
m>1m > 1 なので m=2+3m = 2 + \sqrt{3}.
m=2+3m = 2 + \sqrt{3}のとき、ACB=π2\angle ACB = \frac{\pi}{2}で、S=12S = \frac{1}{2}.
(2) 線分ABの長さは 22m1+m22\sqrt{\frac{2m}{1+m^2}}
(3) Sが最大になるのは、ACB=π2\angle ACB = \frac{\pi}{2}、すなわち、m=2+3m = 2 + \sqrt{3}

3. 最終的な答え

(1) Sの最大値: 1/2、∠ACBの大きさ: π/2
(2) 線分ABの長さ: 22m1+m22\sqrt{\frac{2m}{1+m^2}}
(3) mの値: 2+32 + \sqrt{3}

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