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1. 問題の内容
7. A, B を同じサイズの正方行列とする。A, B がともに上三角行列であるとき、その積 AB も上三角行列であることを示す。
8. 行列 A, B に対して積 AB が定義されるとき、${}^t(AB) = {}^tB{}^tA$ が成り立つことを示す。
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2. 解き方の手順
### 問題7
行列 が の上三角行列であるとする。すなわち、 ならば かつ が成り立つ。
積 とし、 の成分を とする。
は次のように表される。
のとき、 であることを示す。
のとき、 に関する和を と の場合に分けて考える。
の場合、 より、 であるから、 のとき、。
の場合、 となる。
よって、 のとき、任意の に対して が成り立つので、
したがって、 ならば となるので、 は上三角行列である。
### 問題8
行列 を 行列、行列 を 行列とする。このとき、積 は 行列である。
の 成分を で表すと、
転置行列 の 成分は の 成分に等しいから、
一方、 は 行列、 は 行列であるから、 は 行列である。
の 成分は、
したがって、 が成り立つので、
が成り立つ。
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3. 最終的な答え
### 問題7
A, B が上三角行列ならば、その積 AB も上三角行列である。
### 問題8