集合 $M$ の部分集合 $A, B, C$ について、以下の関係を示す問題です。 (1) $A \subset B \Rightarrow A \cap C \subset B \cap C$ (2) $A \cap B = A \Rightarrow A \subset B$ (3) $A \subset B \Leftrightarrow A \cap B^c = \emptyset$ (4) $(A \cup B) \times C = (A \times C) \cup (B \times C)$ (5) $B \subset A \Rightarrow B \setminus C \subset A \setminus C$ (6) $A \cap B = \emptyset \Leftrightarrow A \setminus B = A$

1. 問題の内容

集合 $M$ の部分集合 $A, B, C$ について、以下の関係を示す問題です。

(1) $A \subset B \Rightarrow A \cap C \subset B \cap C$

(2) $A \cap B = A \Rightarrow A \subset B$

(3) $A \subset B \Leftrightarrow A \cap B^c = \emptyset$

(4) $(A \cup B) \times C = (A \times C) \cup (B \times C)$

(5) $B \subset A \Rightarrow B \setminus C \subset A \setminus C$

(6) $A \cap B = \emptyset \Leftrightarrow A \setminus B = A$

2. 解き方の手順

以下、それぞれの関係について示します。

(1) $A \subset B \Rightarrow A \cap C \subset B \cap C$

* 仮定: $A \subset B$

* 示すこと: $A \cap C \subset B \cap C$

$x \in A \cap C$ と仮定する。

すると、$x \in A$ かつ $x \in C$ である。

$A \subset B$ より、$x \in B$ が成り立つ。

したがって、$x \in B$ かつ $x \in C$ であるので、$x \in B \cap C$ である。

よって、$A \cap C \subset B \cap C$ が示された。

(2) $A \cap B = A \Rightarrow A \subset B$

* 仮定: $A \cap B = A$

* 示すこと: $A \subset B$

$x \in A$ と仮定する。

$A \cap B = A$ より、$x \in A \cap B$ である。

したがって、$x \in A$ かつ $x \in B$ である。

特に、$x \in B$ が成り立つ。

よって、$A \subset B$ が示された。

(3) $A \subset B \Leftrightarrow A \cap B^c = \emptyset$

($\Rightarrow$) $A \subset B \Rightarrow A \cap B^c = \emptyset$

* 仮定: $A \subset B$

* 示すこと: $A \cap B^c = \emptyset$

背理法を用いる。

$A \cap B^c \neq \emptyset$ と仮定する。

すると、$x \in A \cap B^c$ となる $x$ が存在する。

つまり、$x \in A$ かつ $x \in B^c$ である。

$x \in A$ かつ $A \subset B$ より、$x \in B$ が成り立つ。

しかし、$x \in B^c$ であるので、$x \notin B$ となり矛盾する。

したがって、$A \cap B^c = \emptyset$ が示された。

($\Leftarrow$) $A \cap B^c = \emptyset \Rightarrow A \subset B$

* 仮定: $A \cap B^c = \emptyset$

* 示すこと: $A \subset B$

背理法を用いる。

$A \not\subset B$ と仮定する。

すると、$x \in A$ かつ $x \notin B$ となる $x$ が存在する。

$x \notin B$ より、$x \in B^c$ である。

したがって、$x \in A$ かつ $x \in B^c$ なので、$x \in A \cap B^c$ となる。

これは、$A \cap B^c = \emptyset$ に矛盾する。

よって、$A \subset B$ が示された。

(4) $(A \cup B) \times C = (A \times C) \cup (B \times C)$

$(x, y) \in (A \cup B) \times C$ とする。

すると、$x \in (A \cup B)$ かつ $y \in C$ である。

$x \in (A \cup B)$ より、$x \in A$ または $x \in B$ である。

* $x \in A$ の場合: $(x, y) \in A \times C$ なので、$(x, y) \in (A \times C) \cup (B \times C)$

* $x \in B$ の場合: $(x, y) \in B \times C$ なので、$(x, y) \in (A \times C) \cup (B \times C)$

したがって、$(A \cup B) \times C \subset (A \times C) \cup (B \times C)$ が示された。

次に、$(x, y) \in (A \times C) \cup (B \times C)$ とする。

すると、$(x, y) \in A \times C$ または $(x, y) \in B \times C$ である。

* $(x, y) \in A \times C$ の場合: $x \in A$ かつ $y \in C$ である。$x \in A$ より、$x \in (A \cup B)$ である。したがって、$(x, y) \in (A \cup B) \times C$ である。

* $(x, y) \in B \times C$ の場合: $x \in B$ かつ $y \in C$ である。$x \in B$ より、$x \in (A \cup B)$ である。したがって、$(x, y) \in (A \cup B) \times C$ である。

したがって、$(A \times C) \cup (B \times C) \subset (A \cup B) \times C$ が示された。

以上より、$(A \cup B) \times C = (A \times C) \cup (B \times C)$ である。

(5) $B \subset A \Rightarrow B \setminus C \subset A \setminus C$

* 仮定: $B \subset A$

* 示すこと: $B \setminus C \subset A \setminus C$

$x \in B \setminus C$ とする。

すると、$x \in B$ かつ $x \notin C$ である。

$B \subset A$ より、$x \in A$ である。

したがって、$x \in A$ かつ $x \notin C$ なので、$x \in A \setminus C$ である。

よって、$B \setminus C \subset A \setminus C$ が示された。

(6) $A \cap B = \emptyset \Leftrightarrow A \setminus B = A$

($\Rightarrow$) $A \cap B = \emptyset \Rightarrow A \setminus B = A$

* 仮定: $A \cap B = \emptyset$

* 示すこと: $A \setminus B = A$

$x \in A \setminus B$ とする。

すると、$x \in A$ かつ $x \notin B$ である。

したがって、$x \in A$ である。よって、$A \setminus B \subset A$ が示された。

次に、$x \in A$ とする。

$A \cap B = \emptyset$ より、$x \notin B$ である。

したがって、$x \in A$ かつ $x \notin B$ なので、$x \in A \setminus B$ である。

よって、$A \subset A \setminus B$ が示された。

以上より、$A \setminus B = A$ である。

($\Leftarrow$) $A \setminus B = A \Rightarrow A \cap B = \emptyset$

* 仮定: $A \setminus B = A$

* 示すこと: $A \cap B = \emptyset$

背理法を用いる。

$A \cap B \neq \emptyset$ と仮定する。

すると、$x \in A \cap B$ となる $x$ が存在する。

つまり、$x \in A$ かつ $x \in B$ である。

$x \in B$ より、$x \notin A \setminus B$ である。

一方、$A \setminus B = A$ なので、$x \notin A$ となるが、$x \in A$ と矛盾する。

したがって、$A \cap B = \emptyset$ が示された。

3. 最終的な答え

(1) $A \subset B \Rightarrow A \cap C \subset B \cap C$

(2) $A \cap B = A \Rightarrow A \subset B$

(3) $A \subset B \Leftrightarrow A \cap B^c = \emptyset$

(4) $(A \cup B) \times C = (A \times C) \cup (B \times C)$

(5) $B \subset A \Rightarrow B \setminus C \subset A \setminus C$

(6) $A \cap B = \emptyset \Leftrightarrow A \setminus B = A$