関数 $y = \log x$ （$x > 0$）のグラフ上の点 $P(t, \log t)$ における接線を $l$ とする。点 $P$ を通り、$l$ に垂直な直線を $m$ とする。2本の直線 $l, m$ および $y$ 軸で囲まれる図形の面積を $S$ とする。$S = 5$ となるときの点 $P$ の座標を求める。

1. 問題の内容

関数 $y = \log x$ （$x > 0$）のグラフ上の点 $P(t, \log t)$ における接線を $l$ とする。点 $P$ を通り、$l$ に垂直な直線を $m$ とする。2本の直線 $l, m$ および $y$ 軸で囲まれる図形の面積を $S$ とする。$S = 5$ となるときの点 $P$ の座標を求める。

2. 解き方の手順

(1) 接線 $l$ の方程式を求める。

$y = \log x$ の導関数は、$y' = \frac{1}{x}$ である。したがって、点 $P(t, \log t)$ における接線 $l$ の傾きは $\frac{1}{t}$ である。

よって、接線 $l$ の方程式は、

$y - \log t = \frac{1}{t} (x - t)$

$y = \frac{1}{t} x - 1 + \log t$

(2) 直線 $m$ の方程式を求める。

直線 $m$ は、点 $P(t, \log t)$ を通り、直線 $l$ に垂直であるから、傾きは $-t$ である。

したがって、直線 $m$ の方程式は、

$y - \log t = -t(x - t)$

$y = -tx + t^2 + \log t$

(3) 直線 $l$ と $y$ 軸の交点を求める。

直線 $l$ の方程式は $y = \frac{1}{t} x - 1 + \log t$ であるから、$x = 0$ とすると、

$y = -1 + \log t$

よって、直線 $l$ と $y$ 軸の交点の座標は $(0, -1 + \log t)$ である。

(4) 直線 $m$ と $y$ 軸の交点を求める。

直線 $m$ の方程式は $y = -tx + t^2 + \log t$ であるから、$x = 0$ とすると、

$y = t^2 + \log t$

よって、直線 $m$ と $y$ 軸の交点の座標は $(0, t^2 + \log t)$ である。

(5) 面積 $S$ を求める。

面積 $S$ は、$y$ 軸上の2点の $y$ 座標の差の絶対値に、点 $P$ の $x$ 座標 $t$ をかけたものを1/2にしたものである。

$S = \frac{1}{2} |(t^2 + \log t) - (-1 + \log t)| \cdot t = \frac{1}{2} |t^2 + 1|t = \frac{1}{2} (t^2 + 1)t$

$S = \frac{1}{2} (t^3 + t)$

(6) $S = 5$ となる $t$ の値を求める。

$\frac{1}{2} (t^3 + t) = 5$

$t^3 + t = 10$

$t^3 + t - 10 = 0$

$(t - 2)(t^2 + 2t + 5) = 0$

$t^2 + 2t + 5 = (t+1)^2 + 4 > 0$ であるから、$t=2$ である。

(7) 点 $P$ の座標を求める。

点 $P$ の座標は $(t, \log t)$ であるから、$t = 2$ を代入すると、点 $P$ の座標は $(2, \log 2)$ である。

3. 最終的な答え

点Pの座標は $(2, \log 2)$ である。