質量 $m$ のおもりがばねで天井から吊り下げられており、電荷 $q$ を持つ。おもりには速度に比例する抵抗力(比例定数 $b$)と振動電場 $E=E_0 \cos(\omega t)$ が働く。定常状態における振動の振幅 $C$ を求め、パラメータ $m, k, b, \omega, q$ が与えられたときの振幅 $C$ を計算する。さらに、減衰振動と外部振動が働く場合の運動方程式を解き、初期条件を与えて $x(t)$ を決定する。

応用数学運動方程式振動微分方程式定常状態減衰振動強制振動振幅パラメータ推定
2025/6/11

1. 問題の内容

質量 mm のおもりがばねで天井から吊り下げられており、電荷 qq を持つ。おもりには速度に比例する抵抗力(比例定数 bb)と振動電場 E=E0cos(ωt)E=E_0 \cos(\omega t) が働く。定常状態における振動の振幅 CC を求め、パラメータ m,k,b,ω,qm, k, b, \omega, q が与えられたときの振幅 CC を計算する。さらに、減衰振動と外部振動が働く場合の運動方程式を解き、初期条件を与えて x(t)x(t) を決定する。

2. 解き方の手順

(1) 定常状態での振動の振幅 CC の計算
おもりの運動方程式は次のようになる。
md2xdt2=kxbdxdt+qE0cos(ωt)m \frac{d^2 x}{dt^2} = -kx - b \frac{dx}{dt} + qE_0 \cos(\omega t)
定常状態では x(t)=Ccos(ωtδ)x(t) = C \cos(\omega t - \delta) と仮定できる。これを運動方程式に代入すると、振幅 CC に関する式が得られる。
mω2Ccos(ωtδ)=kCcos(ωtδ)+bCωsin(ωtδ)+qE0cos(ωt)-m \omega^2 C \cos(\omega t - \delta) = -k C \cos(\omega t - \delta) + b C \omega \sin(\omega t - \delta) + qE_0 \cos(\omega t)
cos\cossin\sin の項に分離すると、
C=qE0(kmω2)2+(bω)2C = \frac{q E_0}{\sqrt{(k - m \omega^2)^2 + (b \omega)^2}}
与えられたパラメータ m=2,k=8,b=4,ω=2,q=48m=2, k=8, b=4, \omega=2, q=48 を代入すると、
C=48E0(8222)2+(42)2=48E00+82=48E08=6E0C = \frac{48 E_0}{\sqrt{(8 - 2 \cdot 2^2)^2 + (4 \cdot 2)^2}} = \frac{48 E_0}{\sqrt{0 + 8^2}} = \frac{48 E_0}{8} = 6 E_0
したがって、C=6E0C = 6 E_0
(2) 初期条件を与えた場合の x(t)x(t) の決定
b=mkb = \sqrt{mk} かつ ω=km\omega = \sqrt{\frac{k}{m}} のとき、与えられた x(t)x(t) は次の形式である。
x(t)=AeBtcos(Ct+π4)+Fsin(Gt)x(t) = \sqrt{A} e^{B t} \cos(\sqrt{C} t + \frac{\pi}{4}) + F \sin(Gt)
ここで、E0=1E_0 = 1とする。
m=2,k=8,b=4,ω=2m=2, k=8, b=4, \omega=2
初期条件は x(0)=Cx(0) = C で、初速度は0。
まず、外部からの力がない場合の減衰振動の解を考える。
x(t)=eb2mt(Acos(ωt)+Bsin(ωt))x(t) = e^{-\frac{b}{2m}t}(A \cos(\omega't) + B \sin(\omega't)), ω=ω2(b2m)2=km(b2m)2\omega' = \sqrt{\omega^2 - (\frac{b}{2m})^2} = \sqrt{\frac{k}{m} - (\frac{b}{2m})^2}
次に、外部振動に対応する解を考えると、これは定常状態における解と同じ形になる。
x(t)=Ccos(ωtδ)x(t) = C \cos(\omega t - \delta). 外部振動により定常振動がおこる。
x(t)x(t)の解の形式をよく見ると、前半部分が減衰振動、後半部分が強制振動を表していることがわかる。
与えられたパラメータを代入し、x(t)x(t)を決定する。
まずは、後半の強制振動のパラメータを決定する。
Fsin(Gt)F \sin(Gt)が強制振動を表す。強制振動の振幅はC=qE0(kmω2)2+(bω)2=6E0C = \frac{q E_0}{\sqrt{(k - m \omega^2)^2 + (b \omega)^2}} = 6 E_0であり、外部振動の角振動数はω=2\omega = 2であるから、G=2G=2, F=6F = -6となる(サイン項が出てくるように位相を調整)。マイナスは定常解が 6cos(wtπ)6 cos(wt - \pi)になることから決まる。
次に、減衰振動のパラメータを決定する。
x(0)=C=6x(0)=C=6より、x(0)=Acos(π/4)+Fsin(0)=6x(0) = \sqrt{A} cos(\pi/4) + F sin(0)=6から、A22=6\sqrt{A}\frac{\sqrt{2}}{2} = 6, よって、A=122=62\sqrt{A} = \frac{12}{\sqrt{2}} = 6\sqrt{2}. したがって、A=72A=72
x(t)=0x'(t) = 0なので、
x(t)=BAeBtcos(Ct+π/4)+AeBt(C)sin(Ct+π/4)x'(t) = B \sqrt{A} e^{Bt} cos(\sqrt{Ct} + \pi/4) + \sqrt{A} e^{Bt} (-\sqrt{C})sin(\sqrt{Ct} + \pi/4)
x(0)=BAcos(π/4)+A(C)sin(π/4)=0x'(0) = B \sqrt{A} cos(\pi/4) + \sqrt{A} (-\sqrt{C}) sin(\pi/4) = 0
BA22AC22=0B \sqrt{A} \frac{\sqrt{2}}{2} - \sqrt{A} \sqrt{C} \frac{\sqrt{2}}{2} = 0
B=CB = \sqrt{C}
B=b/2m=4/4=1B = -b/2m = -4/4 = -1
C=1C = 1
まとめると、A=72,B=1,C=1,F=6,G=2,D=4A=72, B=-1, C=1, F=-6, G=2, D=4
x(t)=72etcos(t+π4)6sin(2t)x(t) = \sqrt{72} e^{-t} \cos (t + \frac{\pi}{4}) - 6 \sin (2 t)

3. 最終的な答え

(1) C=6E0C = 6E_0
(2) A = 72, B = -1, C = 1, D = 4 (表記なし), F = -6, G = 2

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