自然数 $n$ の各桁の数字の和を $S(n)$ で表す。 (1) $n + S(n) = 100$ を満たす自然数 $n$ を求める。 (2) $n + S(n) = 1988$ を満たす自然数 $n$ を求める。

数論整数の性質桁の和方程式
2025/6/11

1. 問題の内容

自然数 nn の各桁の数字の和を S(n)S(n) で表す。
(1) n+S(n)=100n + S(n) = 100 を満たす自然数 nn を求める。
(2) n+S(n)=1988n + S(n) = 1988 を満たす自然数 nn を求める。

2. 解き方の手順

(1) n+S(n)=100n + S(n) = 100 の場合
nn は2桁の数である可能性が高いので、n=10a+bn=10a+baa は1から9までの整数、bb は0から9までの整数)とおく。
このとき、S(n)=a+bS(n)=a+b となるので、与えられた式は
10a+b+a+b=10010a + b + a + b = 100
11a+2b=10011a + 2b = 100
2b=10011a2b = 100 - 11a
b=50112ab = 50 - \frac{11}{2}a
aabb は整数なので、aa は偶数でなければならない。
a=2a = 2 のとき b=5011=39b = 50 - 11 = 39 となり、0b90 \le b \le 9 を満たさない。
a=4a = 4 のとき b=5022=28b = 50 - 22 = 28 となり、0b90 \le b \le 9 を満たさない。
a=6a = 6 のとき b=5033=17b = 50 - 33 = 17 となり、0b90 \le b \le 9 を満たさない。
a=8a = 8 のとき b=5044=6b = 50 - 44 = 6 となり、0b90 \le b \le 9 を満たす。
したがって、a=8a=8b=6b=6 となり、n=10a+b=86n = 10a + b = 86 となる。
実際に 86+S(86)=86+(8+6)=86+14=10086 + S(86) = 86 + (8+6) = 86 + 14 = 100 となるので、n=86n=86 は条件を満たす。
(2) n+S(n)=1988n + S(n) = 1988 の場合
nn は4桁の数である可能性が高いので、n=1000a+100b+10c+dn=1000a+100b+10c+daa は1から9までの整数、b,c,db,c,d は0から9までの整数)とおく。
このとき、S(n)=a+b+c+dS(n)=a+b+c+d となるので、与えられた式は
1000a+100b+10c+d+a+b+c+d=19881000a + 100b + 10c + d + a + b + c + d = 1988
1001a+101b+11c+2d=19881001a + 101b + 11c + 2d = 1988
a=1a=1 のとき
1001+101b+11c+2d=19881001 + 101b + 11c + 2d = 1988
101b+11c+2d=987101b + 11c + 2d = 987
b=9b=9 のとき
909+11c+2d=987909 + 11c + 2d = 987
11c+2d=7811c + 2d = 78
c=7c=7 のとき
77+2d=7877+2d = 78
2d=12d = 1 となり、dd が整数にならない。
c=6c=6 のとき
66+2d=7866 + 2d = 78
2d=122d = 12
d=6d = 6
したがって、a=1,b=9,c=6,d=6a=1, b=9, c=6, d=6 となり、n=1966n=1966 となる。
実際に 1966+S(1966)=1966+(1+9+6+6)=1966+22=19881966 + S(1966) = 1966 + (1+9+6+6) = 1966 + 22 = 1988 となるので、n=1966n=1966 は条件を満たす。

3. 最終的な答え

(1) n=86n = 86
(2) n=1966n = 1966

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