## 1. 問題の内容

代数学線形代数ベクトル空間部分空間一次独立一次従属一次結合行列行列式
2025/6/13
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1. 問題の内容

この問題は、線形代数の基礎的な概念に関する複数の小問から構成されています。

1. 部分空間の判定: 与えられた集合 $W$ がベクトル空間 $\mathbb{R}^2$ または $\mathbb{R}^3$ の部分空間であるかどうかを判定します。

2. 多項式空間の部分空間の判定: 与えられた集合 $W$ が多項式空間 $\mathbb{R}[x]_3$ の部分空間であるかどうかを判定します。

3. 一次独立性の証明: $\mathbb{R}^2$ 内の2つのベクトルが一次独立であることを示します。

4. 一次従属性と一次結合の表現: $\mathbb{R}^2$ 内の3つのベクトルが一次従属であることを示し、1つのベクトルを他の2つのベクトルの一次結合で表します。

5. 一次独立性/従属性の判定 ($\mathbb{R}^3$): 与えられた $\mathbb{R}^3$ 内のベクトルの組が一次独立か一次従属かを判定します。

6. 一次独立性/従属性の判定 ($\mathbb{R}^4$): 与えられた $\mathbb{R}^4$ 内のベクトルの組が一次独立か一次従属かを判定します。

7. ベクトルの一次結合の表現: 与えられたベクトル $v_i$ を、別のベクトルの組 $u_i$ の一次結合として表します。

8. 一次独立性と従属性の関係: 問題7において、$u_i$ が一次独立であるとき、$v_i$ が一次独立か従属かを調べます。

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2. 解き方の手順

ここでは、いくつかの問題の解き方の方針を説明します。他の問題も同様の考え方で解けます。

1. 部分空間の判定:

集合 WW がベクトル空間 VV の部分空間であるためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
* 零ベクトルが WW に含まれる。
* WW の任意の2つの元 x,yx, y に対して、x+yx+yWW に含まれる(加法について閉じている)。
* WW の任意の元 xx と任意のスカラー cc に対して、cxcxWW に含まれる(スカラー倍について閉じている)。
これらの条件を満たすかどうかを各WWに対して確かめます。例えば、W={xR2x12+x22=1}W = \{ x \in \mathbb{R}^2 \mid x_1^2 + x_2^2 = 1 \} の場合、零ベクトル (0,0)(0,0)x12+x22=1x_1^2 + x_2^2 = 1 を満たさないため、部分空間ではありません。

2. 一次独立性の証明:

ベクトル b1,b2b_1, b_2 が一次独立であるとは、c1b1+c2b2=0c_1 b_1 + c_2 b_2 = 0 が成り立つのが c1=c2=0c_1 = c_2 = 0 の場合に限られることです。
行列式を利用する方法もあります。ベクトルを並べて作った行列の行列式が0でなければ一次独立です。

3. 一次従属性と一次結合の表現:

ベクトル b1,b2,b3b_1, b_2, b_3 が一次従属であるとは、c1b1+c2b2+c3b3=0c_1 b_1 + c_2 b_2 + c_3 b_3 = 0 が成り立つような、全てが0ではないスカラー c1,c2,c3c_1, c_2, c_3 が存在することです。この式から、b3b_3b1b_1b2b_2 の一次結合として表すことができるはずです。

4. 一次独立性/従属性の判定:

与えられたベクトルの組を列ベクトルとする行列を作り、その行列の階数を調べます。行列の階数がベクトルの数よりも小さければ、それらのベクトルは一次従属であり、階数がベクトルの数と等しければ、それらのベクトルは一次独立です。
また、行列式を計算する方法もあります。正方行列であれば、行列式が0なら一次従属、0でなければ一次独立です。

5. ベクトルの一次結合の表現:

与えられたベクトル viv_iuiu_i の一次結合で表すということは、vi=jcijujv_i = \sum_{j} c_{ij} u_j となる係数 cijc_{ij} を求めることです。
これは連立一次方程式を解く問題として定式化できます。
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3. 最終的な答え

ここでは、いくつか例題の最終的な答えのみを示します。

1. (a) $W = \{ x \in \mathbb{R}^2 \mid x_1^2 + x_2^2 = 1 \}$ は部分空間**ではない**。

2. $b_1 = \begin{bmatrix} 3 \\ -2 \end{bmatrix}$ と $b_2 = \begin{bmatrix} 5 \\ 1 \end{bmatrix}$ は一次独立である。

3. $b_3 = \begin{bmatrix} 4 \\ 6 \end{bmatrix} = -\frac{2}{13}\begin{bmatrix} 3 \\ -2 \end{bmatrix} + \frac{10}{13}\begin{bmatrix} 5 \\ 1 \end{bmatrix}$

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