座標平面上を運動する点Pの時刻 $t$ ($t \ge 0$) における座標 $(x, y)$ が $x = t - \sin t$, $y = 1 - \cos t$ で表されているとき、時刻 $t = \pi$ における点Pの速さ、点Pが $t = 0$ から $t = \pi$ までの間に動いた道のり、加速度について答える問題です。

1. 問題の内容

座標平面上を運動する点Pの時刻 $t$ ($t \ge 0$) における座標 $(x, y)$ が $x = t - \sin t$, $y = 1 - \cos t$ で表されているとき、時刻 $t = \pi$ における点Pの速さ、点Pが $t = 0$ から $t = \pi$ までの間に動いた道のり、加速度について答える問題です。

2. 解き方の手順

(1) 時刻 $t$ における点Pの速度ベクトルを求めます。

$x = t - \sin t$ を $t$ で微分すると、

$\frac{dx}{dt} = 1 - \cos t$

$y = 1 - \cos t$ を $t$ で微分すると、

$\frac{dy}{dt} = \sin t$

したがって、速度ベクトルは $(\frac{dx}{dt}, \frac{dy}{dt}) = (1 - \cos t, \sin t)$ です。

時刻 $t = \pi$ における速度ベクトルは、 $(1 - \cos \pi, \sin \pi) = (1 - (-1), 0) = (2, 0)$ です。

速さは速度ベクトルの大きさなので、$\sqrt{2^2 + 0^2} = 2$ となります。

(2) 点Pが $t = 0$ から $t = \pi$ までの間に動いた道のりを求めます。

道のりは $\int_0^\pi \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2} dt$ で与えられます。

$\sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2} = \sqrt{(1 - \cos t)^2 + (\sin t)^2} = \sqrt{1 - 2\cos t + \cos^2 t + \sin^2 t} = \sqrt{2 - 2\cos t} = \sqrt{2(1 - \cos t)} = \sqrt{2 \cdot 2 \sin^2 \frac{t}{2}} = \sqrt{4 \sin^2 \frac{t}{2}} = 2 |\sin \frac{t}{2}|$

$0 \le t \le \pi$ において、$\sin \frac{t}{2} \ge 0$ なので、

$\int_0^\pi 2 \sin \frac{t}{2} dt = \left[ -4 \cos \frac{t}{2} \right]_0^\pi = -4 \cos \frac{\pi}{2} - (-4 \cos 0) = -4(0) + 4(1) = 4$

(3) 加速度ベクトルを求めます。

$\frac{dx}{dt} = 1 - \cos t$ を $t$ で微分すると、

$\frac{d^2x}{dt^2} = \sin t$

$\frac{dy}{dt} = \sin t$ を $t$ で微分すると、

$\frac{d^2y}{dt^2} = \cos t$

したがって、加速度ベクトルは $(\frac{d^2x}{dt^2}, \frac{d^2y}{dt^2}) = (\sin t, \cos t)$ です。

加速度の大きさは $\sqrt{(\sin t)^2 + (\cos t)^2} = \sqrt{\sin^2 t + \cos^2 t} = \sqrt{1} = 1$

よって、加速度の大きさはつねに 1 です。

3. 最終的な答え

時刻 $t = \pi$ における点Pの速さは 2 です。

点Pが $t = 0$ から $t = \pi$ までの間に動いた道のりは 4 です。

加速度の大きさはつねに 1 です。