(1) $p$ を素数とするとき、$3^p$ を $p$ で割った余りを求めよ。 (2) 100以下の自然数のうち、100と互いに素な自然数の個数を求めよ。 (3) $0 \cdot {}_{10}C_0 + 1 \cdot {}_{10}C_1 + \dots + 10 \cdot {}_{10}C_{10}$ の値を求めよ。

数論素数合同式互いに素オイラー関数二項定理組み合わせ
2025/3/28

1. 問題の内容

(1) pp を素数とするとき、3p3^ppp で割った余りを求めよ。
(2) 100以下の自然数のうち、100と互いに素な自然数の個数を求めよ。
(3) 010C0+110C1++1010C100 \cdot {}_{10}C_0 + 1 \cdot {}_{10}C_1 + \dots + 10 \cdot {}_{10}C_{10} の値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) フェルマーの小定理を利用する。pp が素数で、aapp の倍数でないとき、ap11(modp)a^{p-1} \equiv 1 \pmod{p} が成り立つ。
よって、3p11(modp)3^{p-1} \equiv 1 \pmod{p} が成り立つ。したがって、3p3(modp)3^p \equiv 3 \pmod{p}
したがって、求める余りは 33 である。
(2) 100と互いに素な自然数の個数を求める。
100=2252100 = 2^2 \cdot 5^2 であるから、100以下の自然数の中で2の倍数または5の倍数であるものの個数を求め、全体から引く。
100以下の2の倍数は 100/2=50100/2 = 50 個。
100以下の5の倍数は 100/5=20100/5 = 20 個。
100以下の10の倍数は 100/10=10100/10 = 10 個。
2の倍数または5の倍数の個数は 50+2010=6050 + 20 - 10 = 60 個。
したがって、100と互いに素な自然数の個数は 10060=40100 - 60 = 40 個。
別の解法として、オイラー関数を利用できる。ϕ(100)=ϕ(2252)=ϕ(22)ϕ(52)=(2221)(5251)=(42)(255)=220=40\phi(100) = \phi(2^2 \cdot 5^2) = \phi(2^2) \cdot \phi(5^2) = (2^2 - 2^1)(5^2 - 5^1) = (4-2)(25-5) = 2 \cdot 20 = 40
(3) 二項定理を応用する。二項定理より、
(1+x)n=k=0nnCkxk(1+x)^n = \sum_{k=0}^n {}_nC_k x^k
両辺を xx で微分すると
n(1+x)n1=k=1nnCkkxk1n(1+x)^{n-1} = \sum_{k=1}^n {}_nC_k k x^{k-1}
x=1x=1 を代入すると
n(1+1)n1=k=1nnCkkn(1+1)^{n-1} = \sum_{k=1}^n {}_nC_k k
n2n1=k=1nknCkn 2^{n-1} = \sum_{k=1}^n k \cdot {}_nC_k
問題の式は、この式において n=10n=10 の場合である。
したがって、102101=1029=10512=512010 \cdot 2^{10-1} = 10 \cdot 2^9 = 10 \cdot 512 = 5120

3. 最終的な答え

(1) 3
(2) 40
(3) 5120

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