整数 $n$ について、以下の3つの命題を示す問題です。 (1) $n(n+1)$ は偶数である。 (2) $n(n+1)(2n+1)$ は6の倍数である。 (3) $n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)$ は30の倍数である。

数論整数の性質倍数合同式数学的帰納法
2025/6/15

1. 問題の内容

整数 nn について、以下の3つの命題を示す問題です。
(1) n(n+1)n(n+1) は偶数である。
(2) n(n+1)(2n+1)n(n+1)(2n+1) は6の倍数である。
(3) n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1) は30の倍数である。

2. 解き方の手順

(1) n(n+1)n(n+1) について
nnが偶数のとき、n=2kn = 2k (kは整数)とおける。このとき、n(n+1)=2k(2k+1)n(n+1) = 2k(2k+1)となり、これは偶数である。
nnが奇数のとき、n=2k+1n = 2k+1 (kは整数)とおける。このとき、n+1=2k+2=2(k+1)n+1 = 2k+2 = 2(k+1)となり、n(n+1)=(2k+1)2(k+1)=2(2k+1)(k+1)n(n+1) = (2k+1)2(k+1) = 2(2k+1)(k+1)となり、これは偶数である。
よって、n(n+1)n(n+1)は常に偶数である。
(2) n(n+1)(2n+1)n(n+1)(2n+1) について
(1)より、n(n+1)n(n+1)は偶数なので、2の倍数である。したがって、n(n+1)(2n+1)n(n+1)(2n+1) は2の倍数である。
次に、n(n+1)(2n+1)n(n+1)(2n+1)が3の倍数であることを示す。
nnを3で割った余りは、0, 1, 2のいずれかである。
- nnが3の倍数の場合、n=3kn = 3k (kは整数) とおけるので、n(n+1)(2n+1)=3k(3k+1)(6k+1)n(n+1)(2n+1) = 3k(3k+1)(6k+1)となり、これは3の倍数である。
- nnを3で割った余りが1の場合、n=3k+1n = 3k+1 (kは整数) とおけるので、n+1=3k+2n+1 = 3k+2, 2n+1=2(3k+1)+1=6k+3=3(2k+1)2n+1 = 2(3k+1)+1 = 6k+3 = 3(2k+1)となり、n(n+1)(2n+1)=(3k+1)(3k+2)(3(2k+1))=3(3k+1)(3k+2)(2k+1)n(n+1)(2n+1) = (3k+1)(3k+2)(3(2k+1)) = 3(3k+1)(3k+2)(2k+1)となり、これは3の倍数である。
- nnを3で割った余りが2の場合、n=3k+2n = 3k+2 (kは整数) とおけるので、n+1=3k+3=3(k+1)n+1 = 3k+3 = 3(k+1)となり、n(n+1)(2n+1)=(3k+2)(3(k+1))(2(3k+2)+1)=3(3k+2)(k+1)(6k+5)n(n+1)(2n+1) = (3k+2)(3(k+1))(2(3k+2)+1) = 3(3k+2)(k+1)(6k+5)となり、これは3の倍数である。
よって、n(n+1)(2n+1)n(n+1)(2n+1)は常に3の倍数である。
n(n+1)(2n+1)n(n+1)(2n+1)は2の倍数であり、3の倍数であるので、6の倍数である。
(3) n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1) について
(2)より、n(n+1)(2n+1)n(n+1)(2n+1)は6の倍数である。
n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)が5の倍数であることを示す。
nnを5で割った余りは、0, 1, 2, 3, 4のいずれかである。
- nnが5の倍数の場合、n=5kn = 5k (kは整数) とおけるので、n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)=5k(5k+1)(10k+1)(3(5k)2+3(5k)1)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1) = 5k(5k+1)(10k+1)(3(5k)^2+3(5k)-1)となり、これは5の倍数である。
- nnを5で割った余りが1の場合、n=5k+1n = 5k+1 (kは整数) とおけるので、3n2+3n1=3(5k+1)2+3(5k+1)1=3(25k2+10k+1)+15k+31=75k2+30k+3+15k+2=75k2+45k+5=5(15k2+9k+1)3n^2+3n-1 = 3(5k+1)^2+3(5k+1)-1 = 3(25k^2+10k+1)+15k+3-1 = 75k^2+30k+3+15k+2 = 75k^2+45k+5 = 5(15k^2+9k+1)となり、n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)=(5k+1)(5k+2)(10k+3)5(15k2+9k+1)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1) = (5k+1)(5k+2)(10k+3)5(15k^2+9k+1)となり、これは5の倍数である。
- nnを5で割った余りが2の場合、n=5k+2n = 5k+2 (kは整数) とおけるので、n+1=5k+3n+1 = 5k+3, 3n2+3n1=3(5k+2)2+3(5k+2)1=3(25k2+20k+4)+15k+61=75k2+60k+12+15k+5=75k2+75k+172(mod5)3n^2+3n-1 = 3(5k+2)^2 + 3(5k+2) -1 = 3(25k^2 + 20k + 4) + 15k + 6 - 1 = 75k^2 + 60k + 12 + 15k + 5 = 75k^2 + 75k + 17 \equiv 2 \pmod{5}
2n+1=10k+5=5(2k+1)2n+1 = 10k+5=5(2k+1)となり、n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)=(5k+2)(5k+3)5(2k+1)(3n2+3n1)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1) = (5k+2)(5k+3)5(2k+1)(3n^2+3n-1)となり、これは5の倍数である。
- nnを5で割った余りが3の場合、n=5k+3n = 5k+3 (kは整数) とおけるので、n(n+1)(2n+1)n(n+1)(2n+1)は常に6の倍数であるので、n(n+1)(2n+1)=(5k+3)(5k+4)(10k+7)n(n+1)(2n+1)=(5k+3)(5k+4)(10k+7). 3n2+3n1=3(25k2+30k+9)+3(5k+3)1=75k2+90k+27+15k+91=75k2+105k+35=5(15k2+21k+7)3n^2+3n-1=3(25k^2+30k+9)+3(5k+3)-1=75k^2+90k+27+15k+9-1=75k^2+105k+35 = 5(15k^2+21k+7) n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)=(5k+3)(5k+4)(10k+7)(5)(15k2+21k+7)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)=(5k+3)(5k+4)(10k+7)(5)(15k^2+21k+7).となり、これは5の倍数である。
- nnを5で割った余りが4の場合、n=5k+4n = 5k+4 (kは整数) とおけるので、n+1=5k+5=5(k+1)n+1 = 5k+5 = 5(k+1) n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)=(5k+4)(5k+5)(10k+9)(3n2+3n1)=(5k+4)5(k+1)(10k+9)(3n2+3n1)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)=(5k+4)(5k+5)(10k+9)(3n^2+3n-1)=(5k+4)5(k+1)(10k+9)(3n^2+3n-1)となり、これは5の倍数である。
よって、n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)は常に5の倍数である。
n(n+1)(2n+1)n(n+1)(2n+1)は6の倍数であり、n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)は5の倍数であるので、n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1)は30の倍数である。

3. 最終的な答え

(1) n(n+1)n(n+1) は偶数である。
(2) n(n+1)(2n+1)n(n+1)(2n+1) は6の倍数である。
(3) n(n+1)(2n+1)(3n2+3n1)n(n+1)(2n+1)(3n^2+3n-1) は30の倍数である。

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