区間 $[-1, 1]$ で定義された関数 $f(x) = |\arcsin x| - 2x\sqrt{1-x^2}$ について、以下の問いに答える。 (1) $f(x)$ が区間 $[-1, 1]$ で連続であることを示す。 (2) $f(x)$ の区間 $[-1, 1]$ における最大値と最小値を求める。

解析学関数の連続性最大値と最小値微分逆三角関数
2025/6/15

1. 問題の内容

区間 [1,1][-1, 1] で定義された関数 f(x)=arcsinx2x1x2f(x) = |\arcsin x| - 2x\sqrt{1-x^2} について、以下の問いに答える。
(1) f(x)f(x) が区間 [1,1][-1, 1] で連続であることを示す。
(2) f(x)f(x) の区間 [1,1][-1, 1] における最大値と最小値を求める。

2. 解き方の手順

(1) 連続性を示す。
arcsinx\arcsin x[1,1][-1, 1] で連続であり、arcsinx|\arcsin x| も連続である。
1x2\sqrt{1-x^2}[1,1][-1, 1] で連続であり、2x1x22x\sqrt{1-x^2} も連続である。
連続な関数の和、差、絶対値は連続であるから、f(x)=arcsinx2x1x2f(x) = |\arcsin x| - 2x\sqrt{1-x^2}[1,1][-1, 1] で連続である。
(2) 最大値、最小値を求める。
f(x)f(x)[1,1][-1, 1] で連続なので、最大値と最小値を持つ。
まず、区間の端点における値を計算する。
f(1)=arcsin(1)2(1)1(1)2=π20=π2f(-1) = |\arcsin(-1)| - 2(-1)\sqrt{1-(-1)^2} = |\frac{-\pi}{2}| - 0 = \frac{\pi}{2}
f(1)=arcsin(1)2(1)112=π20=π2f(1) = |\arcsin(1)| - 2(1)\sqrt{1-1^2} = |\frac{\pi}{2}| - 0 = \frac{\pi}{2}
次に、区間 (1,1)(-1, 1) での f(x)f(x) の微分を計算する。
f(x)=ddx(arcsinx)ddx(2x1x2)f'(x) = \frac{d}{dx}(|\arcsin x|) - \frac{d}{dx}(2x\sqrt{1-x^2})
f(x)=11x2sgn(arcsinx)21x2+2x2x21x2f'(x) = \frac{1}{\sqrt{1-x^2}} \cdot \text{sgn}(\arcsin x) - 2\sqrt{1-x^2} + 2x\frac{-2x}{2\sqrt{1-x^2}}
f(x)=sgn(arcsinx)1x221x22x21x2f'(x) = \frac{\text{sgn}(\arcsin x)}{\sqrt{1-x^2}} - 2\sqrt{1-x^2} - \frac{2x^2}{\sqrt{1-x^2}}
f(x)=sgn(arcsinx)2(1x2)2x21x2f'(x) = \frac{\text{sgn}(\arcsin x) - 2(1-x^2) - 2x^2}{\sqrt{1-x^2}}
f(x)=sgn(arcsinx)21x2f'(x) = \frac{\text{sgn}(\arcsin x) - 2}{\sqrt{1-x^2}}
f(x)=0f'(x) = 0 となるのは sgn(arcsinx)=2\text{sgn}(\arcsin x) = 2 のときだが、sgn(arcsinx)\text{sgn}(\arcsin x)1,0,11, 0, -1 のいずれかの値しか取らないので、f(x)=0f'(x) = 0 となる xx は存在しない。
ただし、x=0x=0arcsinx=0\arcsin x=0 なので場合分けが必要である。
x>0x > 0f(x)=121x2=11x2<0f'(x) = \frac{1-2}{\sqrt{1-x^2}} = \frac{-1}{\sqrt{1-x^2}} < 0
x<0x < 0f(x)=121x2=31x2<0f'(x) = \frac{-1-2}{\sqrt{1-x^2}} = \frac{-3}{\sqrt{1-x^2}} < 0
f(0)=arcsin02(0)102=0f(0) = |\arcsin 0| - 2(0)\sqrt{1-0^2} = 0
f(x)f(x)x=0x=0 で連続だが微分可能ではない。したがって f(x)f(x) は単調減少である。
したがって、最大値は π2\frac{\pi}{2} (at x=±1x=\pm 1) であり、最小値は 00 (at x=0x=0) である。

3. 最終的な答え

最大値: π2\frac{\pi}{2}
最小値: 00

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