微分方程式 $y'' + y = \frac{1}{\cos(x)}$ の特殊解を、定数変化法を用いて求める問題です。 (1) 対応する斉次方程式の基本解 $y_1$, $y_2$ を三角関数で表す。 (2) ロンスキアンを求める。 (3) 関数 $A_1(x)$, $A_2(x)$ を求める。ただし積分計算において、変数変換 $t = \cos(x)$ を利用する。 (4) 特殊解 $y_s$ を求める。

1. 問題の内容

微分方程式 $y'' + y = \frac{1}{\cos(x)}$ の特殊解を、定数変化法を用いて求める問題です。

(1) 対応する斉次方程式の基本解 $y_1$, $y_2$ を三角関数で表す。

(2) ロンスキアンを求める。

(3) 関数 $A_1(x)$, $A_2(x)$ を求める。ただし積分計算において、変数変換 $t = \cos(x)$ を利用する。

(4) 特殊解 $y_s$ を求める。

2. 解き方の手順

(1) 斉次方程式 $y'' + y = 0$ の特性方程式は $\lambda^2 + 1 = 0$ となり、解は $\lambda = \pm i$ である。したがって基本解は $y_1 = e^{ix}$, $y_2 = e^{-ix}$ となる。これを三角関数で表すと、$y_1 = \cos(x)$, $y_2 = \sin(x)$ となる。

(2) ロンスキアン $W$ は次のように計算される。

$W = \begin{vmatrix} y_1 & y_2 \\ y_1' & y_2' \end{vmatrix} = \begin{vmatrix} \cos(x) & \sin(x) \\ -\sin(x) & \cos(x) \end{vmatrix} = \cos^2(x) + \sin^2(x) = 1$

(3) $A_1(x)$ および $A_2(x)$ は次の式で求められる。

$A_1(x) = - \int \frac{y_2 \cdot f(x)}{W} dx = - \int \frac{\sin(x) \cdot \frac{1}{\cos(x)}}{1} dx = - \int \frac{\sin(x)}{\cos(x)} dx$

ここで $t = \cos(x)$ とおくと $dt = -\sin(x) dx$ より、

$A_1(x) = \int \frac{dt}{t} = \ln|t| = \ln|\cos(x)|$

$A_2(x) = \int \frac{y_1 \cdot f(x)}{W} dx = \int \frac{\cos(x) \cdot \frac{1}{\cos(x)}}{1} dx = \int 1 dx = x$

(4) 特殊解 $y_s$ は $y_s = A_1(x) y_1 + A_2(x) y_2$ で与えられるので、

$y_s = \ln|\cos(x)| \cdot \cos(x) + x \cdot \sin(x)$

3. 最終的な答え

(1) $y_1 = \cos(x), y_2 = \sin(x)$

(2) $W = 1$

(3) $A_1(x) = \ln|\cos(x)|, A_2(x) = x$

(4) $y_s = \cos(x)\ln|\cos(x)| + x\sin(x)$