$m, n$ は正の整数とします。 (1) $n-1$ が $7$ の倍数であることは、$n^3-1$ が $7$ の倍数であることの十分条件だが、必要条件でないことを示します。 (2) $m^2$ が $n$ の倍数であることは、$m^2$ が $n^2$ の倍数であることの必要条件だが、十分条件でないことを示します。

数論整数の性質倍数必要条件十分条件合同式
2025/6/16

1. 問題の内容

m,nm, n は正の整数とします。
(1) n1n-177 の倍数であることは、n31n^3-177 の倍数であることの十分条件だが、必要条件でないことを示します。
(2) m2m^2nn の倍数であることは、m2m^2n2n^2 の倍数であることの必要条件だが、十分条件でないことを示します。

2. 解き方の手順

(1)
(十分性): n1n-177 の倍数であるとき、n1=7kn-1=7k (kは整数)と表せる。このとき、n=7k+1n=7k+1 であるから、
n31=(7k+1)31=(7k)3+3(7k)2+3(7k)+11=7(49k3+21k2+3k)n^3 - 1 = (7k+1)^3 - 1 = (7k)^3 + 3(7k)^2 + 3(7k) + 1 - 1 = 7(49k^3 + 21k^2 + 3k)
となり、n31n^3 - 177 の倍数となる。したがって、n1n-177 の倍数であることは、n31n^3 - 177 の倍数であるための十分条件である。
(必要性でないこと): n31n^3 - 177 の倍数であっても、n1n-177 の倍数とは限らないことを示す。
n31=(n1)(n2+n+1)n^3 - 1 = (n-1)(n^2+n+1) である。n=2n=2 のとき、n31=231=7n^3-1 = 2^3-1 = 7 となり、n31n^3 - 177 の倍数となる。しかし、n1=21=1n-1 = 2-1 = 177 の倍数ではない。したがって、n31n^3 - 177 の倍数であることは、n1n-177 の倍数であるための必要条件ではない。
(2)
(必要性): m2m^2n2n^2 の倍数であるとき、m2=kn2m^2 = k n^2 (kは整数)と表せる。
このとき、m2m^2 は明らかに nn の倍数である。
例えば、kn=k n = \ell となる整数 \ell が存在する場合、m2m^2nn の倍数になる。
m2m^2n2n^2 の倍数であるとき、m2=kn2=n(kn)m^2 = k n^2 = n (kn) となり、m2m^2nn の倍数となる。
したがって、m2m^2nn の倍数であることは、m2m^2n2n^2 の倍数であるための必要条件である。
(十分性でないこと): m2m^2nn の倍数であっても、m2m^2n2n^2 の倍数とは限らないことを示す。
例えば、m=2,n=2m=2, n=2 とすると、m2=4m^2 = 4 であり、m2m^2n=2n=2 の倍数である。
しかし、m2=4m^2 = 4n2=4n^2 = 4 の倍数である。この場合は十分条件を満たす。
m=6,n=12m=6, n=12 とすると、m2=36m^2=36 であり、m2m^2n=12n=12 の倍数である。
しかし、m2=36m^2=36n2=144n^2 = 144 の倍数ではない。したがって、m2m^2nn の倍数であることは、m2m^2n2n^2 の倍数であるための十分条件ではない。

3. 最終的な答え

(1) n1n-177 の倍数であることは、n31n^3-177 の倍数であることの十分条件だが、必要条件ではない。
(2) m2m^2nn の倍数であることは、m2m^2n2n^2 の倍数であることの必要条件だが、十分条件ではない。

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