$p$ と $q$ を $p < q$ を満たす素数、$n$ を自然数とする。 (1) $pq$ と $p+q$ は互いに素であることを示す。 (2) $\frac{1}{p} + \frac{1}{q} = \frac{1}{n}$ を満たす $p, q, n$ の値の組をすべて求める。 (3) $\frac{1}{p} - \frac{1}{q} = \frac{1}{n}$ を満たす $p, q, n$ の値の組をすべて求める。

数論素数分数最大公約数方程式
2025/3/28

1. 問題の内容

ppqqp<qp < q を満たす素数、nn を自然数とする。
(1) pqpqp+qp+q は互いに素であることを示す。
(2) 1p+1q=1n\frac{1}{p} + \frac{1}{q} = \frac{1}{n} を満たす p,q,np, q, n の値の組をすべて求める。
(3) 1p1q=1n\frac{1}{p} - \frac{1}{q} = \frac{1}{n} を満たす p,q,np, q, n の値の組をすべて求める。

2. 解き方の手順

(1)
pqpqp+qp+q が互いに素でないと仮定すると、ある素数 rr が存在し、pqpqp+qp+q をともに割り切る。
rrpqpq を割り切るので、r=pr=p または r=qr=q である。
もし r=pr=p ならば、ppp+qp+q を割り切るので、ppqq を割り切る。しかし、qq は素数なので、q=pq=p となるが、p<qp < q に矛盾する。
もし r=qr=q ならば、qqp+qp+q を割り切るので、qqpp を割り切る。しかし、pp は素数なので、p=qp=q となるが、p<qp < q に矛盾する。
したがって、pqpqp+qp+q は互いに素である。
(2)
1p+1q=1n\frac{1}{p} + \frac{1}{q} = \frac{1}{n} より、
p+qpq=1n\frac{p+q}{pq} = \frac{1}{n}
n(p+q)=pqn(p+q) = pq
pqnpnq=0pq - np - nq = 0
pqnpnq+n2=n2pq - np - nq + n^2 = n^2
(pn)(qn)=n2(p-n)(q-n) = n^2
p<qp < q より、pn<qnp-n < q-n である。
n2n^2 の約数の組を (a,b)(a, b) とすると、pn=ap-n = a かつ qn=bq-n = b であり、ab=n2ab = n^2 を満たす。
p=a+np = a+n, q=b+nq = b+n
n=1n=1 のとき、ab=1ab=1 より、a=b=1a=b=1p=2,q=2p=2, q=2 となるが、p<qp<q に矛盾。
n=2n=2 のとき、ab=4ab=4 より、(a,b)=(1,4),(2,2)(a, b)=(1, 4), (2, 2)
(a,b)=(1,4)(a, b)=(1, 4) のとき、p=3,q=6p=3, q=6 となるが、qq は素数でないので不適。
(a,b)=(2,2)(a, b)=(2, 2) のとき、p=4,q=4p=4, q=4 となるが、p,qp, q は素数で、p<qp<q に矛盾。
n=3n=3 のとき、ab=9ab=9 より、(a,b)=(1,9),(3,3)(a, b)=(1, 9), (3, 3)
(a,b)=(1,9)(a, b)=(1, 9) のとき、p=4,q=12p=4, q=12 となるが、p,qp, q は素数でないので不適。
(a,b)=(3,3)(a, b)=(3, 3) のとき、p=6,q=6p=6, q=6 となるが、p,qp, q は素数で、p<qp<q に矛盾。
n=4n=4 のとき、ab=16ab=16 より、(a,b)=(1,16),(2,8),(4,4)(a, b)=(1, 16), (2, 8), (4, 4)
(a,b)=(1,16)(a, b)=(1, 16) のとき、p=5,q=20p=5, q=20 となるが、qq は素数でないので不適。
(a,b)=(2,8)(a, b)=(2, 8) のとき、p=6,q=12p=6, q=12 となるが、p,qp, q は素数でないので不適。
(a,b)=(4,4)(a, b)=(4, 4) のとき、p=8,q=8p=8, q=8 となるが、p,qp, q は素数で、p<qp<q に矛盾。
p=2p=2 のとき、2n+qn=2q2n+qn=2q より、q(2n)=2nq(2-n)=2n なので、q=2n2nq=\frac{2n}{2-n}
n=1n=1 のとき、q=2q=2 となるが、p<qp<q に矛盾。
p=3p=3 のとき、3n+qn=3q3n+qn=3q より、q(3n)=3nq(3-n)=3n なので、q=3n3nq=\frac{3n}{3-n}
n=1n=1 のとき、q=32q=\frac{3}{2} となるので不適。
n=2n=2 のとき、q=6q=6 となるので不適。
p=5p=5 のとき、5n+qn=5q5n+qn=5q より、q(5n)=5nq(5-n)=5n なので、q=5n5nq=\frac{5n}{5-n}
n=1n=1 のとき、q=54q=\frac{5}{4} となるので不適。
n=2n=2 のとき、q=103q=\frac{10}{3} となるので不適。
n=3n=3 のとき、q=152q=\frac{15}{2} となるので不適。
n=4n=4 のとき、q=20q=20 となるので不適。
p=2,12+1q=1np=2, \frac{1}{2} + \frac{1}{q} = \frac{1}{n} より、1q=1n12=2n2n\frac{1}{q} = \frac{1}{n} - \frac{1}{2} = \frac{2-n}{2n}
q=2n2nq = \frac{2n}{2-n} となる。2n>02-n > 0 より、n=1n=1 のとき、q=2q=2。しかし、p<qp<q より、2<22<2 となるので矛盾。
従って、p=3,q=2,n=1p=3, q=2, n=1
(3)
1p1q=1n\frac{1}{p} - \frac{1}{q} = \frac{1}{n} より、
qppq=1n\frac{q-p}{pq} = \frac{1}{n}
n(qp)=pqn(q-p) = pq
pq+npnq=0pq+np-nq = 0
pq+npnqn2=n2pq+np-nq-n^2 = -n^2
(pn)(q+n)=n2(p-n)(q+n)=-n^2.
ここで、n(qp)=pqn(q-p) = pq より、nqnp=pq>0nq - np = pq > 0 なので、nq>npnq > np であり、q>pq > p.
p<qp < q より、qp>0q-p > 0. よって、n=pqqpn = \frac{pq}{q-p}
(2,3,6)(2, 3, 6), (2,5,103)(2, 5, \frac{10}{3})
(3,5,152)(3, 5, \frac{15}{2}), (3,7,214)(3, 7, \frac{21}{4})
(5,7,352)(5, 7, \frac{35}{2})
1p1q=1n\frac{1}{p}-\frac{1}{q} = \frac{1}{n} より qppq=1n\frac{q-p}{pq} = \frac{1}{n} なので、n=pqqpn = \frac{pq}{q-p}.
p=2p=2 のとき、n=2qq2n = \frac{2q}{q-2}
q=3q=3 のとき、n=61=6n = \frac{6}{1} = 6. よって、(2,3,6)(2, 3, 6).
q=5q=5 のとき、n=103n = \frac{10}{3}. これは整数ではないので不適。
q=7q=7 のとき、n=145n = \frac{14}{5}. これは整数ではないので不適。
p=3p=3 のとき、n=3qq3n = \frac{3q}{q-3}
q=5q=5 のとき、n=152n = \frac{15}{2}. これは整数ではないので不適。
q=7q=7 のとき、n=214n = \frac{21}{4}. これは整数ではないので不適。
p=5p=5 のとき、n=5qq5n = \frac{5q}{q-5}
q=7q=7 のとき、n=352n = \frac{35}{2}. これは整数ではないので不適。
最終的に(2,3,6)(2, 3, 6)のみが条件を満たす。

3. 最終的な答え

(1) pqpqp+qp+q は互いに素である。(証明済み)
(2) 解なし
(3) (p,q,n)=(2,3,6)(p, q, n) = (2, 3, 6)

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