与えられた微分方程式の解を初期条件を満たすように求め、また、別の微分方程式の一般解を求める問題です。具体的には以下の3つの問題を解きます。 (a) $y'' - 2y' + 5y = 0$, $y(0) = 3$, $y'(0) = 7$ (b) $y'' - 6y' + 8y = 0$, $y(0) = 1$, $y'(0) = 6$ (c) $y'' + 2y' - 3y = 4$

解析学微分方程式初期条件特性方程式一般解定数係数
2025/6/17

1. 問題の内容

与えられた微分方程式の解を初期条件を満たすように求め、また、別の微分方程式の一般解を求める問題です。具体的には以下の3つの問題を解きます。
(a) y2y+5y=0y'' - 2y' + 5y = 0, y(0)=3y(0) = 3, y(0)=7y'(0) = 7
(b) y6y+8y=0y'' - 6y' + 8y = 0, y(0)=1y(0) = 1, y(0)=6y'(0) = 6
(c) y+2y3y=4y'' + 2y' - 3y = 4

2. 解き方の手順

(a)
まず、特性方程式を求めます。
r22r+5=0r^2 - 2r + 5 = 0
特性方程式の解は r=2±4202=2±162=1±2ir = \frac{2 \pm \sqrt{4 - 20}}{2} = \frac{2 \pm \sqrt{-16}}{2} = 1 \pm 2i となります。
したがって、一般解は y(x)=ex(c1cos(2x)+c2sin(2x))y(x) = e^x(c_1\cos(2x) + c_2\sin(2x)) となります。
初期条件 y(0)=3y(0) = 3 を適用すると、y(0)=e0(c1cos(0)+c2sin(0))=c1=3y(0) = e^0(c_1\cos(0) + c_2\sin(0)) = c_1 = 3 となります。
次に、y(x)=ex(c1cos(2x)+c2sin(2x))+ex(2c1sin(2x)+2c2cos(2x))y'(x) = e^x(c_1\cos(2x) + c_2\sin(2x)) + e^x(-2c_1\sin(2x) + 2c_2\cos(2x)) を計算します。
初期条件 y(0)=7y'(0) = 7 を適用すると、y(0)=e0(c1cos(0)+c2sin(0))+e0(2c1sin(0)+2c2cos(0))=c1+2c2=7y'(0) = e^0(c_1\cos(0) + c_2\sin(0)) + e^0(-2c_1\sin(0) + 2c_2\cos(0)) = c_1 + 2c_2 = 7 となります。
c1=3c_1 = 3 なので、3+2c2=73 + 2c_2 = 7, 2c2=42c_2 = 4, c2=2c_2 = 2 となります。
したがって、解は y(x)=ex(3cos(2x)+2sin(2x))y(x) = e^x(3\cos(2x) + 2\sin(2x)) となります。
(b)
まず、特性方程式を求めます。
r26r+8=0r^2 - 6r + 8 = 0
特性方程式の解は (r2)(r4)=0(r-2)(r-4) = 0 より r=2,4r = 2, 4 となります。
したがって、一般解は y(x)=c1e2x+c2e4xy(x) = c_1e^{2x} + c_2e^{4x} となります。
初期条件 y(0)=1y(0) = 1 を適用すると、y(0)=c1e0+c2e0=c1+c2=1y(0) = c_1e^{0} + c_2e^{0} = c_1 + c_2 = 1 となります。
次に、y(x)=2c1e2x+4c2e4xy'(x) = 2c_1e^{2x} + 4c_2e^{4x} を計算します。
初期条件 y(0)=6y'(0) = 6 を適用すると、y(0)=2c1e0+4c2e0=2c1+4c2=6y'(0) = 2c_1e^{0} + 4c_2e^{0} = 2c_1 + 4c_2 = 6 となります。
c1+c2=1c_1 + c_2 = 12c1+4c2=62c_1 + 4c_2 = 6 を連立して解くと、
2c1+2c2=22c_1 + 2c_2 = 2, 2c1+4c2=62c_1 + 4c_2 = 6 より 2c2=42c_2 = 4, c2=2c_2 = 2 となります。
c1+2=1c_1 + 2 = 1 より c1=1c_1 = -1 となります。
したがって、解は y(x)=e2x+2e4xy(x) = -e^{2x} + 2e^{4x} となります。
(c)
まず、同次方程式 y+2y3y=0y'' + 2y' - 3y = 0 の特性方程式を求めます。
r2+2r3=0r^2 + 2r - 3 = 0
特性方程式の解は (r+3)(r1)=0(r+3)(r-1) = 0 より r=3,1r = -3, 1 となります。
したがって、同次方程式の一般解は yh(x)=c1e3x+c2exy_h(x) = c_1e^{-3x} + c_2e^{x} となります。
次に、特殊解を求めます。定数項4があるので、yp(x)=Ay_p(x) = A と仮定します。
yp(x)=0y_p'(x) = 0, yp(x)=0y_p''(x) = 0 なので、元の微分方程式に代入すると、0+03A=40 + 0 - 3A = 4, A=43A = -\frac{4}{3} となります。
したがって、特殊解は yp(x)=43y_p(x) = -\frac{4}{3} となります。
一般解は y(x)=yh(x)+yp(x)=c1e3x+c2ex43y(x) = y_h(x) + y_p(x) = c_1e^{-3x} + c_2e^{x} - \frac{4}{3} となります。

3. 最終的な答え

(a) y(x)=ex(3cos(2x)+2sin(2x))y(x) = e^x(3\cos(2x) + 2\sin(2x))
(b) y(x)=e2x+2e4xy(x) = -e^{2x} + 2e^{4x}
(c) y(x)=c1e3x+c2ex43y(x) = c_1e^{-3x} + c_2e^{x} - \frac{4}{3}

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