## 問題の内容
500g入りの粉末洗剤を生産している工場で、過去のデータから内容量の分散は σ2=20.1 (g2) でした。生産工程の変更後、30個の製品を選んで内容量を調べたところ、標本分散 V=11.25 (g2) でした。 (1) 内容量のばらつきに変化があったといえるかを有意水準5%で検定します。
(2) 母分散 σ2 の99%信頼区間を求めます。 ## 解き方の手順
### (1) 仮説検定
(i) 帰無仮説 H0 と対立仮説 H1 を設定します。 * H0: σ2=20.1 (分散は変化していない) * H1: σ2=20.1 (分散は変化している) 両側検定を行います。
(ii) 検定統計量を計算します。
検定統計量はカイ二乗分布に従う統計量 χ2 であり、次の式で計算されます。 χ2=σ02(n−1)V ここで、n はサンプルサイズ、V は標本分散、σ02 は帰無仮説における分散です。 この問題では、n=30、V=11.25、σ02=20.1 なので、 χ2=20.1(30−1)×11.25=20.129×11.25≈16.23 自由度 n−1=29 のカイ二乗分布の上側2.5%点と下側2.5%点を求めます。 カイ二乗分布表より、
* 上側2.5%点: χ0.025,292≈45.722 * 下側2.5%点: χ0.975,292≈16.047 (iii) 帰無仮説 H0 を棄却するかどうかを判定します。 計算した検定統計量 χ2≈16.23 が、棄却域 χ2<16.047 または χ2>45.722 に入るかどうかを調べます。 χ2=16.23>16.047 より、棄却域には入らない。 したがって、帰無仮説 H0 は棄却されません。 結論: 有意水準5%で、製品のばらつきに変化があったとはいえない。
### (2) 99%信頼区間の計算
母分散 σ2 の99%信頼区間は、以下の式で計算されます。 χα/2,n−12(n−1)V≤σ2≤χ1−α/2,n−12(n−1)V ここで、n はサンプルサイズ、V は標本分散、α=1−0.99=0.01 です。 χα/2,n−12=χ0.005,292 は自由度29のカイ二乗分布の上側0.5%点であり、χ1−α/2,n−12=χ0.995,292 は下側0.5%点です。 カイ二乗分布表より、
* χ0.005,292≈52.336 * χ0.995,292≈13.121 したがって、99%信頼区間は
52.33629×11.25≤σ2≤13.12129×11.25 6.23≤σ2≤24.99 ## 最終的な答え
(1)
(i) H0: σ2=20.1 H1: σ2=20.1 [両側]
(ii) 検定統計量: χ2≈16.23 分布の上側2.5%点: 45.722
分布の下側2.5%点: 16.047
(iii) H0 は棄却されない。有意水準5%で、製品のばらつきに変化があったとはいえない。 (2) σ2 の99%信頼区間: 6.23≤σ2≤24.99