実数 $a_1, a_2, ..., a_n$ と $x_1, x_2, ..., x_n$ が与えられたとき、次の不等式が成り立つことを証明する必要があります。 $(a_1^2 + a_2^2 + ... + a_n^2)(x_1^2 + x_2^2 + ... + x_n^2) \geq (a_1x_1 + a_2x_2 + ... + a_nx_n)^2$ また、等号が成り立つのは $a_1:x_1 = a_2:x_2 = ... = a_n:x_n$ のときに限ることも示す必要があります。この不等式はコーシー・シュワルツの不等式として知られています。

代数学不等式コーシー・シュワルツの不等式証明ラグランジュの恒等式
2025/3/28

1. 問題の内容

実数 a1,a2,...,ana_1, a_2, ..., a_nx1,x2,...,xnx_1, x_2, ..., x_n が与えられたとき、次の不等式が成り立つことを証明する必要があります。
(a12+a22+...+an2)(x12+x22+...+xn2)(a1x1+a2x2+...+anxn)2(a_1^2 + a_2^2 + ... + a_n^2)(x_1^2 + x_2^2 + ... + x_n^2) \geq (a_1x_1 + a_2x_2 + ... + a_nx_n)^2
また、等号が成り立つのは a1:x1=a2:x2=...=an:xna_1:x_1 = a_2:x_2 = ... = a_n:x_n のときに限ることも示す必要があります。この不等式はコーシー・シュワルツの不等式として知られています。

2. 解き方の手順

コーシー・シュワルツの不等式を証明する一般的な方法はいくつかありますが、ここではラグランジュの恒等式を利用して証明します。
ラグランジュの恒等式は以下のように表されます。
i=1nai2i=1nxi2(i=1naixi)2=1i<jn(aixjajxi)2\sum_{i=1}^n a_i^2 \sum_{i=1}^n x_i^2 - (\sum_{i=1}^n a_i x_i)^2 = \sum_{1 \le i < j \le n} (a_i x_j - a_j x_i)^2
右辺は二乗の和であるため、常に0以上です。つまり、
i=1nai2i=1nxi2(i=1naixi)20\sum_{i=1}^n a_i^2 \sum_{i=1}^n x_i^2 - (\sum_{i=1}^n a_i x_i)^2 \ge 0
移項することで、コーシー・シュワルツの不等式が得られます。
(i=1nai2)(i=1nxi2)(i=1naixi)2(\sum_{i=1}^n a_i^2)(\sum_{i=1}^n x_i^2) \ge (\sum_{i=1}^n a_i x_i)^2
これは問題文に書かれている不等式と同じです。
等号成立条件は、ラグランジュの恒等式の右辺が0になる時です。つまり、すべての 1i<jn1 \le i < j \le n について、 aixjajxi=0a_i x_j - a_j x_i = 0 となる時です。これは、aixj=ajxia_i x_j = a_j x_i と同値であり、xi,xjx_i,x_j が0でないとき、ai/xi=aj/xja_i/x_i = a_j/x_j が成り立ちます。すなわち、a1:x1=a2:x2=...=an:xna_1:x_1 = a_2:x_2 = ... = a_n:x_n が等号成立条件となります。

3. 最終的な答え

コーシー・シュワルツの不等式は以下のように証明されました。
(a12+a22+...+an2)(x12+x22+...+xn2)(a1x1+a2x2+...+anxn)2(a_1^2 + a_2^2 + ... + a_n^2)(x_1^2 + x_2^2 + ... + x_n^2) \geq (a_1x_1 + a_2x_2 + ... + a_nx_n)^2
等号成立条件は a1:x1=a2:x2=...=an:xna_1:x_1 = a_2:x_2 = ... = a_n:x_n である。

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