正の整数 $n$ に対して、$\sqrt{n} + \sqrt{n+1}$ が無理数であることを証明する。

数論無理数背理法平方根整数の性質
2025/6/18

1. 問題の内容

正の整数 nn に対して、n+n+1\sqrt{n} + \sqrt{n+1} が無理数であることを証明する。

2. 解き方の手順

背理法を用いる。
n+n+1\sqrt{n} + \sqrt{n+1} が有理数であると仮定する。すなわち、ある有理数 rr が存在して、
n+n+1=r\sqrt{n} + \sqrt{n+1} = r
両辺を2乗すると、
(n+n+1)2=r2(\sqrt{n} + \sqrt{n+1})^2 = r^2
n+2n(n+1)+n+1=r2n + 2\sqrt{n(n+1)} + n + 1 = r^2
2n+1+2n(n+1)=r22n + 1 + 2\sqrt{n(n+1)} = r^2
2n(n+1)=r22n12\sqrt{n(n+1)} = r^2 - 2n - 1
n(n+1)=r22n12\sqrt{n(n+1)} = \frac{r^2 - 2n - 1}{2}
ここで、rrnn が有理数であるから、r22n12\frac{r^2 - 2n - 1}{2} も有理数である。したがって、n(n+1)\sqrt{n(n+1)} は有理数である。
n(n+1)\sqrt{n(n+1)} が有理数であると仮定すると、n(n+1)n(n+1) はある整数の平方数である。
すなわち、n(n+1)=k2n(n+1) = k^2 (k は整数) となる。
n2+n=k2n^2 + n = k^2
n2+nk2=0n^2 + n - k^2 = 0
この二次方程式を nn について解くと、
n=1±1+4k22n = \frac{-1 \pm \sqrt{1+4k^2}}{2}
nn が整数であるためには、1+4k21+4k^2 がある整数の平方数である必要がある。
すなわち、1+4k2=m21+4k^2 = m^2 (m は整数) となる。
m24k2=1m^2 - 4k^2 = 1
m2(2k)2=1m^2 - (2k)^2 = 1
(m2k)(m+2k)=1(m - 2k)(m + 2k) = 1
mmkk が整数であるため、m2km - 2km+2km + 2k は整数である。
したがって、
m2k=1m - 2k = 1 かつ m+2k=1m + 2k = 1
または
m2k=1m - 2k = -1 かつ m+2k=1m + 2k = -1
の場合のみが考えられる。
いずれの場合も、m=1m = 1 かつ k=0k = 0 となる。
k=0k = 0 より、n(n+1)=0n(n+1) = 0
したがって、n=0n = 0 または n=1n = -1 となるが、nn は正の整数であるという仮定に反する。
よって、n(n+1)\sqrt{n(n+1)} は無理数である。
したがって、r22n10r^2 - 2n - 1 \neq 0 であり、n+n+1\sqrt{n} + \sqrt{n+1} は無理数である。

3. 最終的な答え

n+n+1\sqrt{n} + \sqrt{n+1} は無理数である。

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