半径 $R$、質量 $M$ の円板の端に紐をかけ、$F$ の力で長さ $h$ だけ真っ直ぐに引いたときの、円板の角速度 $\omega$ を求める問題です。円板の中心軸は移動しないものとします。

応用数学力学回転運動トルクエネルギー保存慣性モーメント
2025/6/18

1. 問題の内容

半径 RR、質量 MM の円板の端に紐をかけ、FF の力で長さ hh だけ真っ直ぐに引いたときの、円板の角速度 ω\omega を求める問題です。円板の中心軸は移動しないものとします。

2. 解き方の手順

円板の中心軸が移動しないので、円板は回転運動をします。
紐を引くことで、力 FF が円板に対してトルクを与え、円板の回転運動のエネルギーが増加します。
エネルギー保存則を用いることで、角速度を求めることができます。
トルク τ\tau は、力 FF と半径 RR の積で表されます。
τ=FR\tau = F R
トルクによって行われた仕事 WW は、トルクと回転角 θ\theta の積で表されます。
W=τθ=FRθW = \tau \theta = F R \theta
紐を長さ hh だけ引いたときの回転角 θ\theta は、弧長と半径の関係から、h=Rθh = R \theta より、θ=hR\theta = \frac{h}{R} となります。
したがって、仕事 WW は、
W=FR(hR)=FhW = F R \left( \frac{h}{R} \right) = Fh
この仕事が円板の回転エネルギーに変換されます。
円板の慣性モーメント II は、中心軸まわりの回転に対して I=12MR2I = \frac{1}{2} M R^2 です。
回転エネルギー KK は、K=12Iω2K = \frac{1}{2} I \omega^2 で表されます。
したがって、
K=12(12MR2)ω2=14MR2ω2K = \frac{1}{2} \left( \frac{1}{2} M R^2 \right) \omega^2 = \frac{1}{4} M R^2 \omega^2
エネルギー保存則より、W=KW = K なので、
Fh=14MR2ω2Fh = \frac{1}{4} M R^2 \omega^2
ω2=4FhMR2\omega^2 = \frac{4Fh}{MR^2}
ω=4FhMR2=2RFhM\omega = \sqrt{\frac{4Fh}{MR^2}} = \frac{2}{R} \sqrt{\frac{Fh}{M}}

3. 最終的な答え

ω=2RFhM\omega = \frac{2}{R} \sqrt{\frac{Fh}{M}}
したがって、選択肢Dが正しいです。

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