$x^3 = 1$ の虚数解の一つを $\omega$ とし、$n$ を正の整数とする。このとき、$\omega^n + \frac{1}{\omega^n}$ のとりうる値を全て求める。

代数学複素数立方根ω (オメガ)代数の基本定理
2025/3/29

1. 問題の内容

x3=1x^3 = 1 の虚数解の一つを ω\omega とし、nn を正の整数とする。このとき、ωn+1ωn\omega^n + \frac{1}{\omega^n} のとりうる値を全て求める。

2. 解き方の手順

まず、x3=1x^3 = 1 を解くと、(x1)(x2+x+1)=0(x-1)(x^2+x+1)=0 となり、x=1x=1 または x2+x+1=0x^2+x+1=0 となる。
ω\omega は虚数解なので、ω2+ω+1=0\omega^2 + \omega + 1 = 0 を満たす。
また、ω3=1\omega^3 = 1 である。
よって、1ωn=ω3nωn=ω2n\frac{1}{\omega^n} = \frac{\omega^{3n}}{\omega^n} = \omega^{2n} である。
したがって、ωn+1ωn=ωn+ω2n\omega^n + \frac{1}{\omega^n} = \omega^n + \omega^{2n} を考える。
ここで、nn33 で割った余りを kk とすると、n=3q+kn = 3q+kqq は整数、k=0,1,2k=0,1,2)と表せる。
ωn=ω3q+k=(ω3)qωk=1qωk=ωk\omega^n = \omega^{3q+k} = (\omega^3)^q \cdot \omega^k = 1^q \cdot \omega^k = \omega^k
ω2n=ω2(3q+k)=(ω3)2qω2k=12qω2k=ω2k\omega^{2n} = \omega^{2(3q+k)} = (\omega^3)^{2q} \cdot \omega^{2k} = 1^{2q} \cdot \omega^{2k} = \omega^{2k}
よって、ωn+ω2n=ωk+ω2k\omega^n + \omega^{2n} = \omega^k + \omega^{2k} を計算すれば良い。
k=0k=0 のとき、ω0+ω20=1+1=2\omega^0 + \omega^{2\cdot0} = 1+1 = 2
k=1k=1 のとき、ω1+ω21=ω+ω2=1\omega^1 + \omega^{2\cdot1} = \omega + \omega^2 = -1ω2+ω+1=0\omega^2+\omega+1=0 より)
k=2k=2 のとき、ω2+ω22=ω2+ω4=ω2+ω3ω=ω2+ω=1\omega^2 + \omega^{2\cdot2} = \omega^2 + \omega^4 = \omega^2 + \omega^3 \cdot \omega = \omega^2 + \omega = -1
したがって、ωn+1ωn\omega^n + \frac{1}{\omega^n}22 または 1-1 の値をとる。

3. 最終的な答え

2, -1

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