2つの変量 $X, Y$ のデータ $(x_1, y_1), \dots, (x_n, y_n)$ が与えられている。定数 $a, b, c, d$ ($a \ne 0, c \ne 0$) を用いて、新たな変量 $X', Y'$ のデータ $(x'_i, y'_i)$ を $x'_i = ax_i + b$, $y'_i = cy_i + d$ ($i = 1, 2, \dots, n$) で定義する。 (1) $X'$ の分散は、 $X$ の分散の何倍になるか。 (2) $X'$ と $Y'$ の共分散は、 $X$ と $Y$ の共分散の何倍になるか。 (3) $X'$ と $Y'$ の相関係数は、 $X$ と $Y$ の相関係数の何倍になるか。 選択肢は、(0) $a$, (1) $a^2$, (2) $ac$, (3) $\frac{ac}{|ac|}$, (4) $b$, (5) $b^2$, (6) $bd$, (7) $|bd|$ である。

1. 問題の内容

2つの変量 $X, Y$ のデータ $(x_1, y_1), \dots, (x_n, y_n)$ が与えられている。定数 $a, b, c, d$ ($a \ne 0, c \ne 0$) を用いて、新たな変量 $X', Y'$ のデータ $(x'_i, y'_i)$ を $x'_i = ax_i + b$, $y'_i = cy_i + d$ ($i = 1, 2, \dots, n$) で定義する。

(1) $X'$ の分散は、 $X$ の分散の何倍になるか。

(2) $X'$ と $Y'$ の共分散は、 $X$ と $Y$ の共分散の何倍になるか。

(3) $X'$ と $Y'$ の相関係数は、 $X$ と $Y$ の相関係数の何倍になるか。

選択肢は、(0) $a$, (1) $a^2$, (2) $ac$, (3) $\frac{ac}{|ac|}$, (4) $b$, (5) $b^2$, (6) $bd$, (7) $|bd|$ である。

2. 解き方の手順

(1) 分散について:

$X$ の分散を $V(X)$ とすると、$X' = aX + b$ の分散は

$V(X') = V(aX + b) = a^2 V(X)$

したがって、$X'$ の分散は $X$ の分散の $a^2$ 倍である。

(2) 共分散について:

$X$ と $Y$ の共分散を $Cov(X, Y)$ とすると、$X' = aX + b$ と $Y' = cY + d$ の共分散は

$Cov(X', Y') = Cov(aX + b, cY + d) = ac Cov(X, Y)$

したがって、$X'$ と $Y'$ の共分散は $X$ と $Y$ の共分散の $ac$ 倍である。

(3) 相関係数について:

$X$ と $Y$ の相関係数を $r(X, Y)$ とすると、$X' = aX + b$ と $Y' = cY + d$ の相関係数は

$r(X', Y') = \frac{Cov(X', Y')}{\sqrt{V(X')}\sqrt{V(Y')}} = \frac{ac Cov(X, Y)}{\sqrt{a^2 V(X)}\sqrt{c^2 V(Y)}} = \frac{ac}{|a||c|} \frac{Cov(X, Y)}{\sqrt{V(X)}\sqrt{V(Y)}} = \frac{ac}{|ac|} r(X, Y)$

したがって、$X'$ と $Y'$ の相関係数は $X$ と $Y$ の相関係数の $\frac{ac}{|ac|}$ 倍である。

3. 最終的な答え

ア：(1) $a^2$

イ：(2) $ac$

ウ：(3) $\frac{ac}{|ac|}$