箱の中にAが5枚、Bが3枚、Cが2枚の合計10枚のカードが入っている。この箱から3回カードを1枚ずつ取り出す試行について、以下の2つの場合の確率を求める問題。 (1) 取り出したカードを毎回箱に戻す場合、1回目と3回目に取り出したカードの文字が一致する確率。 (2) 取り出したカードを箱に戻さない場合、1回目と3回目に取り出したカードの文字が一致する確率。

確率論・統計学確率条件付き確率場合の数確率分布
2025/6/18

1. 問題の内容

箱の中にAが5枚、Bが3枚、Cが2枚の合計10枚のカードが入っている。この箱から3回カードを1枚ずつ取り出す試行について、以下の2つの場合の確率を求める問題。
(1) 取り出したカードを毎回箱に戻す場合、1回目と3回目に取り出したカードの文字が一致する確率。
(2) 取り出したカードを箱に戻さない場合、1回目と3回目に取り出したカードの文字が一致する確率。

2. 解き方の手順

(1) カードを取り出すごとに箱に戻す場合
1回目と3回目のカードが一致するのは、(A, *, A), (B, *, B), (C, *, C)のいずれかの場合である。ここで、*は2回目のカードを表し、A, B, Cのいずれでも良い。
各文字が出る確率は、
P(A)=510=12P(A) = \frac{5}{10} = \frac{1}{2}
P(B)=310P(B) = \frac{3}{10}
P(C)=210=15P(C) = \frac{2}{10} = \frac{1}{5}
したがって、1回目と3回目がAである確率は (12)2=14(\frac{1}{2})^2 = \frac{1}{4}
1回目と3回目がBである確率は (310)2=9100(\frac{3}{10})^2 = \frac{9}{100}
1回目と3回目がCである確率は (15)2=125=4100(\frac{1}{5})^2 = \frac{1}{25} = \frac{4}{100}
求める確率はこれらの和であるから、
14+9100+4100=25100+9100+4100=38100=1950\frac{1}{4} + \frac{9}{100} + \frac{4}{100} = \frac{25}{100} + \frac{9}{100} + \frac{4}{100} = \frac{38}{100} = \frac{19}{50}
(2) 取り出したカードを箱に戻さない場合
1回目と3回目のカードが一致するのは、(A, *, A), (B, *, B), (C, *, C)のいずれかの場合である。
(A, *, A)の場合:
1回目にAを取り出す確率は 510\frac{5}{10}
2回目にAを取り出す確率は 49\frac{4}{9}
2回目にBを取り出す確率は 39\frac{3}{9}
2回目にCを取り出す確率は 29\frac{2}{9}
3回目にAを取り出す確率は、2回目にAを取り出した場合は 48\frac{4}{8}、Bを取り出した場合は 48\frac{4}{8}、Cを取り出した場合は 48\frac{4}{8}
よって確率は、 510×(49+39+29)×48=510×99×48=510×1×12=14\frac{5}{10} \times (\frac{4}{9} + \frac{3}{9} + \frac{2}{9}) \times \frac{4}{8} = \frac{5}{10} \times \frac{9}{9} \times \frac{4}{8} = \frac{5}{10} \times 1 \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}
(B, *, B)の場合:
1回目にBを取り出す確率は 310\frac{3}{10}
2回目にAを取り出す確率は 59\frac{5}{9}
2回目にBを取り出す確率は 29\frac{2}{9}
2回目にCを取り出す確率は 29\frac{2}{9}
3回目にBを取り出す確率は、2回目にAを取り出した場合は 28\frac{2}{8}、Bを取り出した場合は 28\frac{2}{8}、Cを取り出した場合は 28\frac{2}{8}
よって確率は、 310×(59+29+29)×28=310×99×14=310×1×14=340\frac{3}{10} \times (\frac{5}{9} + \frac{2}{9} + \frac{2}{9}) \times \frac{2}{8} = \frac{3}{10} \times \frac{9}{9} \times \frac{1}{4} = \frac{3}{10} \times 1 \times \frac{1}{4} = \frac{3}{40}
(C, *, C)の場合:
1回目にCを取り出す確率は 210\frac{2}{10}
2回目にAを取り出す確率は 59\frac{5}{9}
2回目にBを取り出す確率は 39\frac{3}{9}
2回目にCを取り出す確率は 19\frac{1}{9}
3回目にCを取り出す確率は、2回目にAを取り出した場合は 18\frac{1}{8}、Bを取り出した場合は 18\frac{1}{8}、Cを取り出した場合は 18\frac{1}{8}
よって確率は、 210×(59+39+19)×18=210×99×18=210×1×18=140\frac{2}{10} \times (\frac{5}{9} + \frac{3}{9} + \frac{1}{9}) \times \frac{1}{8} = \frac{2}{10} \times \frac{9}{9} \times \frac{1}{8} = \frac{2}{10} \times 1 \times \frac{1}{8} = \frac{1}{40}
求める確率はこれらの和であるから、
14+340+140=1040+340+140=1440=720\frac{1}{4} + \frac{3}{40} + \frac{1}{40} = \frac{10}{40} + \frac{3}{40} + \frac{1}{40} = \frac{14}{40} = \frac{7}{20}

3. 最終的な答え

(1) 1950\frac{19}{50}
(2) 720\frac{7}{20}

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