この3次方程式は、整数解を持ちそうにないので、まず有理根定理を使って有理数解が存在するか確認します。有理根定理によると、もし有理数解 p/q が存在する場合、p は定数項 −3 の約数、 q は最高次項の係数 1 の約数である必要があります。したがって、候補となる有理数解は ±1,±3 です。 これらの値を x3−x−3 に代入してみます。 * x=1 のとき: 13−1−3=−3=0 * x=−1 のとき: (−1)3−(−1)−3=−1+1−3=−3=0 * x=3 のとき: 33−3−3=27−3−3=21=0 * x=−3 のとき: (−3)3−(−3)−3=−27+3−3=−27=0 したがって、この方程式は有理数解を持ちません。
カルダノの公式を用いることも考えられますが、計算が煩雑になるため、ここでは近似解を求めることを考えます。
f(x)=x3−x−3 とおくと、f(1)=−3<0 かつ f(2)=8−2−3=3>0 であるため、中間値の定理より、1と2の間に少なくとも一つの実数解が存在します。 数値解法 (例えばニュートン法) を用いて近似解を求めることにします。
ニュートン法では、漸化式 xn+1=xn−f′(xn)f(xn) を用います。 f(x)=x3−x−3 より、f′(x)=3x2−1 となります。 したがって、漸化式は xn+1=xn−3xn2−1xn3−xn−3 となります。 初期値 x0=2 として計算してみます。 * x1=2−3(22)−123−2−3=2−113=1119≈1.727 * x2=1119−3(1119)2−1(1119)3−1119−3≈1.673 近似解は x≈1.673 となります。