数学的帰納法を用いて、次の等式を証明します。 $1+4+7+\cdots+3n-2 = \frac{n(3n-1)}{2}$

代数学数学的帰納法等式不等式
2025/6/19
## (1) の問題

1. 問題の内容

数学的帰納法を用いて、次の等式を証明します。
1+4+7++3n2=n(3n1)21+4+7+\cdots+3n-2 = \frac{n(3n-1)}{2}

2. 解き方の手順

(i) n=1のとき
左辺 =1= 1
右辺 =1(3(1)1)2=1(2)2=1= \frac{1(3(1)-1)}{2} = \frac{1(2)}{2} = 1
よって、n=1のとき等式は成り立つ。
(ii) n=kのとき等式が成り立つと仮定する。つまり、
1+4+7++3k2=k(3k1)21+4+7+\cdots+3k-2 = \frac{k(3k-1)}{2}
が成り立つと仮定する。
n=k+1のとき、等式が成り立つことを示す。つまり、
1+4+7++3(k+1)2=(k+1)(3(k+1)1)21+4+7+\cdots+3(k+1)-2 = \frac{(k+1)(3(k+1)-1)}{2}
を示す。
1+4+7++3(k+1)2=1+4+7++3k2+3(k+1)21+4+7+\cdots+3(k+1)-2 = 1+4+7+\cdots+3k-2 + 3(k+1)-2
=k(3k1)2+3(k+1)2= \frac{k(3k-1)}{2} + 3(k+1)-2 (帰納法の仮定より)
=k(3k1)2+3k+32= \frac{k(3k-1)}{2} + 3k+3-2
=3k2k2+3k+1= \frac{3k^2-k}{2} + 3k+1
=3k2k+6k+22= \frac{3k^2-k+6k+2}{2}
=3k2+5k+22= \frac{3k^2+5k+2}{2}
=(k+1)(3k+2)2= \frac{(k+1)(3k+2)}{2}
=(k+1)(3(k+1)1)2= \frac{(k+1)(3(k+1)-1)}{2}
したがって、n=k+1のときも等式は成り立つ。
(i)(ii)より、すべての自然数nに対して等式が成り立つ。

3. 最終的な答え

1+4+7++3n2=n(3n1)21+4+7+\cdots+3n-2 = \frac{n(3n-1)}{2} はすべての自然数nに対して成り立つ。
## (2) の問題

1. 問題の内容

数学的帰納法を用いて、次の不等式を証明します。
3n>4n23^n > 4n - 2

2. 解き方の手順

(i) n=1のとき
左辺 =31=3= 3^1 = 3
右辺 =4(1)2=2= 4(1) - 2 = 2
よって、3>23 > 2 なので、n=1のとき不等式は成り立つ。
(ii) n=kのとき不等式が成り立つと仮定する。つまり、
3k>4k23^k > 4k - 2
が成り立つと仮定する。
n=k+1のとき、不等式が成り立つことを示す。つまり、
3k+1>4(k+1)23^{k+1} > 4(k+1) - 2
を示す。
3k+1=33k>3(4k2)3^{k+1} = 3 \cdot 3^k > 3(4k-2) (帰納法の仮定より)
=12k6= 12k - 6
ここで、12k6>4(k+1)2=4k+42=4k+212k - 6 > 4(k+1) - 2 = 4k+4-2 = 4k+2 を示す。
12k6>4k+212k - 6 > 4k + 2
8k>88k > 8
k>1k > 1
n=1のとき、すでに示されているので、k > 1 より k >= 2 であれば、12k6>4k+212k-6 > 4k+2 が成り立つ。
したがって、n=k+1のときも不等式は成り立つ。
(i)(ii)より、すべての自然数nに対して不等式が成り立つ。

3. 最終的な答え

3n>4n23^n > 4n - 2 はすべての自然数nに対して成り立つ。

「代数学」の関連問題

$k$を定数とする。直線 $(2k+3)x + (k-4)y - 4k + 5 = 0$ は、$k$ の値に関係なく定点を通る。その定点の座標を求めよ。また、この直線が点 $(-1, 0)$ を通るよ...

直線定点連立方程式パラメータ
2025/6/20

数列 $\{a_n\}$ が漸化式 $a_1 = 1$, $a_{n+1} = 2a_n + n^2$ ($n=1, 2, 3, \dots$) で定義されているとき、一般項 $a_n$ を求める問題...

漸化式数列一般項
2025/6/20

与えられた拡大係数行列から、変数を $x_1, x_2, ..., x_6$ とし、パラメータを $x_3 = p, x_5 = r, x_6 = s$ と置いたとき、$x_1, x_2, x_4$ ...

線形代数連立方程式拡大係数行列線形変換
2025/6/20

$x_1$, $x_2$, $x_3$ に関する一次方程式 $x_2 - x_3 = 3$ の解のパラメータ表示を求める問題です。パラメータは $p, q, r, s, t$ から選び、パラメータの使...

線形代数一次方程式パラメータ表示ベクトル
2025/6/20

与えられた拡大係数行列で表される非斉次連立1次方程式の解の有無を判定し、解が存在する場合はパラメータ表示を求める問題です。拡大係数行列は以下の通りです。 $\begin{pmatrix} 1 & 0 ...

線形代数連立方程式拡大係数行列解の存在判定
2025/6/20

与えられた拡大係数行列を持つ非斉次連立一次方程式の解の有無を判定し、解が存在する場合は、その解をパラメータ表示で表す。与えられた拡大係数行列は以下の通りである。 $\begin{pmatrix} 1 ...

線形代数連立一次方程式拡大係数行列パラメータ表示解の存在性
2025/6/20

集合 $A = \{x | 0 < x < 2, xは実数\}$ と集合 $B = \{x | 1 \le x \le 4, xは実数\}$ が与えられています。 (1) $A \cap B$ (Aか...

集合集合演算共通部分和集合不等式
2025/6/20

与えられた係数行列に対応する斉次連立一次方程式の解を、パラメータ表示で求める問題です。与えられた係数行列は行簡約化された形になっています。パラメータは $p, q, r, s, t$ から選びます。

線形代数連立一次方程式パラメータ表示解の空間行列
2025/6/20

与えられたベクトルを、パラメータ $p, q, r, s, t$ を分離して記述せよ。ただし、先頭はパラメータを含まないベクトルとする。与えられたベクトルは、 $\begin{pmatrix} -1+...

ベクトル線形代数ベクトル空間パラメータ
2025/6/20

行列 $A$ を行基本変形すると $\begin{pmatrix} 1 & 0 & 2 \\ 0 & 1 & 2 \\ 0 & 0 & 0 \end{pmatrix}$ となる。さらに、行列 $A$ ...

線形代数行列行基本変形連立方程式
2025/6/20