正の整数 $n$ に対して、以下の不等式が成り立つことを証明する問題です。 $1 + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \dots + \frac{1}{2n-1} \geq \frac{3n}{2n+1}$

1. 問題の内容

正の整数 $n$ に対して、以下の不等式が成り立つことを証明する問題です。

$1 + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \dots + \frac{1}{2n-1} \geq \frac{3n}{2n+1}$

2. 解き方の手順

数学的帰納法を用いて不等式を証明します。

(1) $n=1$ のとき

左辺は $1$ 、右辺は $\frac{3}{3} = 1$ となり、$1 \geq 1$ が成り立つので、$n=1$ のとき不等式は成立します。

(2) $n=k$ のとき、不等式が成立すると仮定します。つまり、

$1 + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \dots + \frac{1}{2k-1} \geq \frac{3k}{2k+1}$

が成り立つと仮定します。

(3) $n=k+1$ のとき、不等式が成立することを示します。つまり、

$1 + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \dots + \frac{1}{2k-1} + \frac{1}{2(k+1)-1} \geq \frac{3(k+1)}{2(k+1)+1}$

を示す必要があります。

仮定より、

$1 + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \dots + \frac{1}{2k-1} \geq \frac{3k}{2k+1}$

なので、両辺に $\frac{1}{2k+1}$ を加えると

$1 + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \dots + \frac{1}{2k-1} + \frac{1}{2k+1} \geq \frac{3k}{2k+1} + \frac{1}{2k+1}$

右辺を計算すると

$\frac{3k}{2k+1} + \frac{1}{2k+1} = \frac{3k+1}{2k+1}$

したがって、

$1 + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \dots + \frac{1}{2k-1} + \frac{1}{2k+1} \geq \frac{3k+1}{2k+1}$

ここで、示すべき不等式は

$1 + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \dots + \frac{1}{2k-1} + \frac{1}{2k+1} \geq \frac{3(k+1)}{2(k+1)+1} = \frac{3k+3}{2k+3}$

なので、

$\frac{3k+1}{2k+1} \geq \frac{3k+3}{2k+3}$

を示せば良いことになります。

この不等式は、以下のように変形できます。

$(3k+1)(2k+3) \geq (3k+3)(2k+1)$

$6k^2 + 9k + 2k + 3 \geq 6k^2 + 3k + 6k + 3$

$6k^2 + 11k + 3 \geq 6k^2 + 9k + 3$

$11k \geq 9k$

$2k \geq 0$

これは、$k$ が正の整数であることから常に成立します。

したがって、$n=k+1$ のときも不等式が成立します。

(1), (2), (3) より、数学的帰納法によって、すべての正の整数 $n$ に対して不等式が成り立つことが示されました。

3. 最終的な答え

すべての正の整数 $n$ に対して、$1 + \frac{1}{3} + \frac{1}{5} + \dots + \frac{1}{2n-1} \geq \frac{3n}{2n+1}$ が成り立つ。