次の微分方程式をラプラス変換を用いて解く問題です。 $y'' + y = 3\cos{2t}$ 初期条件は $y(0) = 3$, $y'(0) = -1$ です。

解析学微分方程式ラプラス変換初期条件逆ラプラス変換
2025/6/20
## 問題5

1. 問題の内容

次の微分方程式をラプラス変換を用いて解く問題です。
y+y=3cos2ty'' + y = 3\cos{2t}
初期条件は y(0)=3y(0) = 3, y(0)=1y'(0) = -1 です。

2. 解き方の手順

(1) ラプラス変換
与えられた微分方程式をラプラス変換します。Y(s)Y(s)y(t)y(t) のラプラス変換とすると、以下のようになります。
L{y}=s2Y(s)sy(0)y(0)L\{y''\} = s^2Y(s) - sy(0) - y'(0)
L{y}=Y(s)L\{y\} = Y(s)
L{3cos2t}=3ss2+4L\{3\cos{2t}\} = 3\frac{s}{s^2+4}
よって、微分方程式のラプラス変換は次のようになります。
s2Y(s)sy(0)y(0)+Y(s)=3ss2+4s^2Y(s) - sy(0) - y'(0) + Y(s) = 3\frac{s}{s^2+4}
(2) 初期条件の代入
初期条件 y(0)=3y(0) = 3y(0)=1y'(0) = -1 を代入します。
s2Y(s)3s+1+Y(s)=3ss2+4s^2Y(s) - 3s + 1 + Y(s) = 3\frac{s}{s^2+4}
(3) Y(s)Y(s) について解く
Y(s)Y(s) について式を整理します。
(s2+1)Y(s)=3ss2+4+3s1(s^2 + 1)Y(s) = 3\frac{s}{s^2+4} + 3s - 1
Y(s)=3s(s2+1)(s2+4)+3s1s2+1Y(s) = \frac{3s}{(s^2+1)(s^2+4)} + \frac{3s-1}{s^2+1}
Y(s)=3s+(3s1)(s2+4)(s2+1)(s2+4)Y(s) = \frac{3s + (3s-1)(s^2+4)}{(s^2+1)(s^2+4)}
Y(s)=3s+3s3+12ss24(s2+1)(s2+4)Y(s) = \frac{3s + 3s^3 + 12s - s^2 - 4}{(s^2+1)(s^2+4)}
Y(s)=3s3s2+15s4(s2+1)(s2+4)Y(s) = \frac{3s^3 - s^2 + 15s - 4}{(s^2+1)(s^2+4)}
部分分数分解を行います。
3s3s2+15s4(s2+1)(s2+4)=As+Bs2+1+Cs+Ds2+4\frac{3s^3 - s^2 + 15s - 4}{(s^2+1)(s^2+4)} = \frac{As+B}{s^2+1} + \frac{Cs+D}{s^2+4}
3s3s2+15s4=(As+B)(s2+4)+(Cs+D)(s2+1)3s^3 - s^2 + 15s - 4 = (As+B)(s^2+4) + (Cs+D)(s^2+1)
3s3s2+15s4=As3+4As+Bs2+4B+Cs3+Cs+Ds2+D3s^3 - s^2 + 15s - 4 = As^3 + 4As + Bs^2 + 4B + Cs^3 + Cs + Ds^2 + D
3s3s2+15s4=(A+C)s3+(B+D)s2+(4A+C)s+(4B+D)3s^3 - s^2 + 15s - 4 = (A+C)s^3 + (B+D)s^2 + (4A+C)s + (4B+D)
係数を比較すると、
A+C=3A+C = 3
B+D=1B+D = -1
4A+C=154A+C = 15
4B+D=44B+D = -4
これらの連立方程式を解くと、
3A=12A=43A = 12 \Rightarrow A = 4
C=3A=34=1C = 3 - A = 3 - 4 = -1
3B=3B=13B = -3 \Rightarrow B = -1
D=1B=1(1)=0D = -1 - B = -1 - (-1) = 0
よって、
Y(s)=4s1s2+1+ss2+4Y(s) = \frac{4s-1}{s^2+1} + \frac{-s}{s^2+4}
Y(s)=4ss2+11s2+1ss2+4Y(s) = \frac{4s}{s^2+1} - \frac{1}{s^2+1} - \frac{s}{s^2+4}
(4) 逆ラプラス変換
y(t)y(t) を求めるために、逆ラプラス変換を行います。
L1{ss2+a2}=cosatL^{-1}\{\frac{s}{s^2+a^2}\} = \cos{at}
L1{as2+a2}=sinatL^{-1}\{\frac{a}{s^2+a^2}\} = \sin{at}
よって、
y(t)=4costsintcos2ty(t) = 4\cos{t} - \sin{t} - \cos{2t}

3. 最終的な答え

y(t)=4costsintcos2ty(t) = 4\cos{t} - \sin{t} - \cos{2t}

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