正の整数 $m$ と、定数関数でない $x$ の整式で表された関数 $P(x)$ が、すべての実数 $x$ に対して、$\int_{0}^{x} \{P(t)\}^m dt = P(x^3) - P(0)$ を満たすとき、$P(x)$ を求める問題です。

解析学積分微分関数方程式整式
2025/6/20

1. 問題の内容

正の整数 mm と、定数関数でない xx の整式で表された関数 P(x)P(x) が、すべての実数 xx に対して、0x{P(t)}mdt=P(x3)P(0)\int_{0}^{x} \{P(t)\}^m dt = P(x^3) - P(0) を満たすとき、P(x)P(x) を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、与えられた積分方程式の両辺を xx で微分します。微分の基本定理より、
ddx0x{P(t)}mdt={P(x)}m\frac{d}{dx} \int_{0}^{x} \{P(t)\}^m dt = \{P(x)\}^m
また、右辺は合成関数の微分より、
ddx{P(x3)P(0)}=P(x3)3x2\frac{d}{dx} \{P(x^3) - P(0)\} = P'(x^3) \cdot 3x^2
したがって、
{P(x)}m=3x2P(x3)\{P(x)\}^m = 3x^2 P'(x^3)
次に、x=0x=0 を代入します。すると、
{P(0)}m=302P(0)=0\{P(0)\}^m = 3 \cdot 0^2 \cdot P'(0) = 0
よって、P(0)=0P(0) = 0 が得られます。
さらに、P(x)P(x) が整式なので、P(x)=anxn+an1xn1++a1x+a0P(x) = a_n x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \dots + a_1 x + a_0 とおけます。ここで、P(0)=0P(0) = 0 より、a0=0a_0 = 0 です。したがって、P(x)=anxn+an1xn1++a1xP(x) = a_n x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \dots + a_1 x となります。
条件より、0x{P(t)}mdt=P(x3)\int_{0}^{x} \{P(t)\}^m dt = P(x^3) が成り立ちます。
P(x)P(x) の次数を nn とすると、{P(x)}m\{P(x)\}^m の次数は mnmn となり、0x{P(t)}mdt\int_{0}^{x} \{P(t)\}^m dt の次数は mn+1mn+1 となります。
一方、P(x3)P(x^3) の次数は 3n3n です。したがって、mn+1=3nmn+1 = 3n が成り立ちます。
これを整理すると、n(3m)=1n(3-m) = 1 となります。mm は正の整数であり、nn も正の整数なので、3m3-m11 の約数でなければなりません。
3m=13-m=1 のとき、m=2m=2n=1n=1 となります。
3m=13-m=-1 のとき、m=4m=4n=1n=-1 となりますが、nn は正の整数なので不適です。
したがって、m=2m=2n=1n=1 となります。P(x)=axP(x) = ax とおきます。
与えられた条件に代入すると、0x(at)2dt=a(x3)\int_{0}^{x} (at)^2 dt = a(x^3) となります。
0xa2t2dt=[a23t3]0x=a23x3\int_{0}^{x} a^2 t^2 dt = \left[ \frac{a^2}{3} t^3 \right]_0^x = \frac{a^2}{3} x^3
よって、a23x3=ax3\frac{a^2}{3} x^3 = a x^3 となり、a23=a\frac{a^2}{3} = a となります。
a0a \neq 0 より、a=3a = 3 が得られます。
したがって、P(x)=3xP(x) = 3x となります。

3. 最終的な答え

P(x)=3xP(x) = 3x

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