与えられた関数 $f(x) = e^{-x}\cos{x}$ と $S_n = \int_{\frac{\pi}{2} + (n-1)\pi}^{\frac{\pi}{2} + n\pi} f(x) dx$ について、以下の問いに答える。 (1) $y=f(x)$のグラフがx軸と交わる点のx座標を求める。 (2) $\int e^{-x}\cos{x} dx = e^{-x}(a\sin{x} + b\cos{x}) + C$ を満たす定数 $a, b$ を求める。 (3) $S_1$ を求める。 (4) $S_{n+1}$ と $S_n$ の関係式が与えられている。 (5) $\sum_{n=1}^{\infty} S_n$ を求める。

1. 問題の内容

与えられた関数 $f(x) = e^{-x}\cos{x}$ と $S_n = \int_{\frac{\pi}{2} + (n-1)\pi}^{\frac{\pi}{2} + n\pi} f(x) dx$ について、以下の問いに答える。

(1) $y=f(x)$のグラフがx軸と交わる点のx座標を求める。

(2) $\int e^{-x}\cos{x} dx = e^{-x}(a\sin{x} + b\cos{x}) + C$ を満たす定数 $a, b$ を求める。

(3) $S_1$ を求める。

(4) $S_{n+1}$ と $S_n$ の関係式が与えられている。

(5) $\sum_{n=1}^{\infty} S_n$ を求める。

2. 解き方の手順

(1) $f(x) = e^{-x}\cos{x} = 0$ を満たす $x$ を求める。

$e^{-x} > 0$ なので、$\cos{x} = 0$ を解けばよい。

$\cos{x} = 0$ の解は $x = \frac{\pi}{2} + m\pi$ (mは整数) である。

(2) 与えられた等式の両辺を $x$ で微分する。

左辺の微分は $(e^{-x}(a\sin{x} + b\cos{x}) + C)' = -e^{-x}(a\sin{x} + b\cos{x}) + e^{-x}(a\cos{x} - b\sin{x}) = e^{-x}((a-b)\cos{x} - (a+b)\sin{x})$

これが $e^{-x}\cos{x}$ と等しいので、$e^{-x}\cos{x} = e^{-x}((a-b)\cos{x} - (a+b)\sin{x})$ となる。

したがって、$\begin{cases} a-b = 1 \\ a+b = 0 \end{cases}$ を解く。

$2a = 1$ より $a = \frac{1}{2}$。$b = -a = -\frac{1}{2}$。

(3) $S_1 = \int_{\frac{\pi}{2}}^{\frac{3\pi}{2}} e^{-x}\cos{x} dx$ を計算する。

(2) の結果を使うと、

$S_1 = [e^{-x}(\frac{1}{2}\sin{x} - \frac{1}{2}\cos{x})]_{\frac{\pi}{2}}^{\frac{3\pi}{2}} = e^{-\frac{3\pi}{2}}(\frac{1}{2}\sin{\frac{3\pi}{2}} - \frac{1}{2}\cos{\frac{3\pi}{2}}) - e^{-\frac{\pi}{2}}(\frac{1}{2}\sin{\frac{\pi}{2}} - \frac{1}{2}\cos{\frac{\pi}{2}}) = e^{-\frac{3\pi}{2}}(\frac{1}{2}(-1) - 0) - e^{-\frac{\pi}{2}}(\frac{1}{2}(1) - 0) = -\frac{1}{2}e^{-\frac{3\pi}{2}} - \frac{1}{2}e^{-\frac{\pi}{2}}$

$S_1 = -\frac{1}{2}(e^{-\frac{3\pi}{2}} + e^{-\frac{\pi}{2}}) = -\frac{1}{2}e^{-\frac{\pi}{2}}(e^{-\pi} + 1)$

(4) $S_{n+1} = -e^{-\pi} S_n$ という関係式が与えられている。これは等比数列であり、初項 $S_1$、公比 $-e^{-\pi}$ である。

(5) $\sum_{n=1}^{\infty} S_n$ を計算する。等比数列の和の公式を使うと、

$\sum_{n=1}^{\infty} S_n = \frac{S_1}{1 - (-e^{-\pi})} = \frac{S_1}{1 + e^{-\pi}}$

$S_1$ は (3) で求めた通りなので、

$\sum_{n=1}^{\infty} S_n = \frac{-\frac{1}{2}e^{-\frac{\pi}{2}}(e^{-\pi} + 1)}{1 + e^{-\pi}} = -\frac{1}{2}e^{-\frac{\pi}{2}}$

3. 最終的な答え

(1) $\frac{\pi}{2}+m\pi$

(2) $a = \frac{1}{2}, b = -\frac{1}{2}$

(3) $S_1 = -\frac{1}{2}(e^{-\frac{3\pi}{2}}+e^{-\frac{\pi}{2}})$

(4) $S_{n+1} = -e^{-\pi}S_n$

(5) $\sum_{n=1}^{\infty} S_n = -\frac{1}{2}e^{-\frac{\pi}{2}}$