$n$を自然数とするとき、関数 $f(x) = x^2e^x$ の第$n$次導関数 $f^{(n)}(x)$ が、ある定数 $a_n$ を用いて $f^{(n)}(x) = x^2e^x + 2nxe^x + a_ne^x$ と表せることを示し、さらに $a_n$ を求める。

解析学微分導関数数学的帰納法指数関数
2025/6/20

1. 問題の内容

nnを自然数とするとき、関数 f(x)=x2exf(x) = x^2e^x の第nn次導関数 f(n)(x)f^{(n)}(x) が、ある定数 ana_n を用いて f(n)(x)=x2ex+2nxex+anexf^{(n)}(x) = x^2e^x + 2nxe^x + a_ne^x と表せることを示し、さらに ana_n を求める。

2. 解き方の手順

数学的帰納法で示す。
(i) n=1n=1 のとき:
f(x)=x2exf(x) = x^2e^x より、
f(x)=2xex+x2ex=x2ex+2xex+0exf'(x) = 2xe^x + x^2e^x = x^2e^x + 2xe^x + 0e^x
よって、a1=0a_1 = 0 とすれば、f(x)=x2ex+2xex+a1exf'(x) = x^2e^x + 2xe^x + a_1e^x と表せる。
(ii) n=kn=k のとき、f(k)(x)=x2ex+2kxex+akexf^{(k)}(x) = x^2e^x + 2kxe^x + a_ke^x が成り立つと仮定する。
このとき、f(k+1)(x)f^{(k+1)}(x) を計算する。
f(k+1)(x)=ddxf(k)(x)=ddx(x2ex+2kxex+akex)f^{(k+1)}(x) = \frac{d}{dx}f^{(k)}(x) = \frac{d}{dx}(x^2e^x + 2kxe^x + a_ke^x)
=(2xex+x2ex)+2k(ex+xex)+akex= (2xe^x + x^2e^x) + 2k(e^x + xe^x) + a_ke^x
=x2ex+(2x+2kx)ex+(2k+ak)ex= x^2e^x + (2x + 2kx)e^x + (2k + a_k)e^x
=x2ex+2(k+1)xex+(2k+ak)ex= x^2e^x + 2(k+1)xe^x + (2k + a_k)e^x
したがって、ak+1=2k+aka_{k+1} = 2k + a_k となる。
ak+1a_{k+1} が存在するので、n=k+1n=k+1 のときも f(k+1)(x)=x2ex+2(k+1)xex+ak+1exf^{(k+1)}(x) = x^2e^x + 2(k+1)xe^x + a_{k+1}e^x と表せる。
数学的帰納法により、f(n)(x)=x2ex+2nxex+anexf^{(n)}(x) = x^2e^x + 2nxe^x + a_ne^x と表せる。
次に、ana_n を求める。
a1=0a_1 = 0 であり、ak+1=2k+aka_{k+1} = 2k + a_k であるから、
an=an1+2(n1)a_n = a_{n-1} + 2(n-1)
an1=an2+2(n2)a_{n-1} = a_{n-2} + 2(n-2)
...
a2=a1+2(1)a_2 = a_1 + 2(1)
これらの式を全て足し合わせると、
an=a1+2(1+2+...+(n1))=0+2(n1)n2=n(n1)a_n = a_1 + 2(1+2+...+(n-1)) = 0 + 2\frac{(n-1)n}{2} = n(n-1)
したがって、an=n(n1)=n2na_n = n(n-1) = n^2 - n となる。

3. 最終的な答え

an=n(n1)a_n = n(n-1)

「解析学」の関連問題

媒介変数 $t$ を用いて $x = \cos t$, $y = 2\sin t$ と表される関数について、$\frac{dy}{dx}$ を求め、さらに曲線上の $t = \frac{\pi}{4}...

微分媒介変数接線三角関数
2025/6/20

次の関数の最大値と最小値を求め、その時の$\theta$の値を求めよ。ただし、$0 \le \theta \le \pi$とする。 (1) $y = \sin{\theta} - \sqrt{3}\c...

三角関数最大値最小値三角関数の合成加法定理
2025/6/20

問題は、0 <= θ < 2π の範囲で、以下の三角関数に関する方程式と不等式を解くことです。 (1) $sin θ + \sqrt{3} cos θ = \sqrt{3}$ (2) $cos 2θ ...

三角関数三角方程式三角不等式三角関数の合成
2025/6/20

与えられた三角関数の値を求める問題です。具体的には、sin, cos, tan の特定の角度における値を計算します。角度はラジアンで与えられています。

三角関数sincostanラジアン単位円
2025/6/20

問題は、$\int x \cos x \, dx$ を計算することです。これは、部分積分を使って解くことができます。

積分部分積分定積分
2025/6/20

$\sin 2\theta + \cos \theta \geq 0$ を解く問題です。

三角関数不等式三角関数の合成解の範囲
2025/6/20

与えられた問題は、以下の2つの極限を求めることです。 (1) $\lim_{x \to \infty} 3^x$ (2) $\lim_{x \to \infty} \frac{1}{x}$

極限指数関数収束発散
2025/6/20

問1: 不定積分 $\int \frac{1}{\sqrt{x}} dx$ を求め、$\frac{\text{①}}{\text{②}} x^{\text{③}} + C$ の形で答える。 問2: 定...

積分不定積分定積分積分計算三角関数
2025/6/20

以下の5つの極限を求める問題です。 (1) $\lim_{x\to\infty} 3^x$ (2) $\lim_{x\to\infty} \log_5 x$ (3) $\lim_{x\to-\inft...

極限関数三角関数指数関数対数関数
2025/6/20

$y = \sin(3x)$ のマクローリン展開の第 $n+1$ 項を求める問題です。問題文から、$(-1)^{\text{ア}} (3x)^{\text{イ}} / (\text{ウ})!$ の $...

マクローリン展開三角関数テイラー展開級数
2025/6/20