複素数 $z$ に関する方程式 $\sin z = -2i$ を解く問題です。

1. 問題の内容

複素数 $z$ に関する方程式 $\sin z = -2i$ を解く問題です。

2. 解き方の手順

$\sin z$ の定義式 $\sin z = \frac{e^{iz} - e^{-iz}}{2i}$ を用います。

与えられた方程式は $\frac{e^{iz} - e^{-iz}}{2i} = -2i$ です。両辺に $2i$ を掛けると、

$e^{iz} - e^{-iz} = -4$

ここで、$w = e^{iz}$ とおくと、$e^{-iz} = \frac{1}{e^{iz}} = \frac{1}{w}$ なので、

$w - \frac{1}{w} = -4$

両辺に $w$ を掛けると、

$w^2 - 1 = -4w$

$w^2 + 4w - 1 = 0$

この2次方程式を $w$ について解きます。解の公式より、

$w = \frac{-4 \pm \sqrt{4^2 - 4(1)(-1)}}{2(1)} = \frac{-4 \pm \sqrt{16 + 4}}{2} = \frac{-4 \pm \sqrt{20}}{2} = \frac{-4 \pm 2\sqrt{5}}{2} = -2 \pm \sqrt{5}$

よって、$w = -2 + \sqrt{5}$ または $w = -2 - \sqrt{5}$ です。

$w = e^{iz}$ より、$iz = \log w$ なので、$z = \frac{1}{i} \log w = -i \log w$ です。

$\log w = \ln |w| + i \arg w$ です。

場合1: $w = -2 + \sqrt{5} > 0$ のとき、$\ln w = \ln(\sqrt{5} - 2)$、$\arg w = 0 + 2n\pi$ ($n$は整数)なので、

$z = -i [\ln(\sqrt{5} - 2) + i(2n\pi)] = 2n\pi - i \ln(\sqrt{5} - 2)$

場合2: $w = -2 - \sqrt{5} < 0$ のとき、$|w| = 2 + \sqrt{5}$、$\arg w = \pi + 2n\pi$ ($n$は整数)なので、

$z = -i [\ln(2 + \sqrt{5}) + i(\pi + 2n\pi)] = (2n+1)\pi - i \ln(2 + \sqrt{5})$

ただし、$n$は任意の整数です。

3. 最終的な答え

$z = 2n\pi - i \ln(\sqrt{5} - 2)$ または $z = (2n+1)\pi - i \ln(\sqrt{5} + 2)$, ($n$ は整数)

または、

$z = n\pi - i(-1)^n \ln(\sqrt{5}-2)$ , ($n$は整数)

（$n$が偶数の時、$z = 2m\pi - i \ln(\sqrt{5} - 2)$となり、$n$が奇数の時、$z = (2m+1)\pi + i \ln(\sqrt{5} - 2) = (2m+1)\pi -i \ln(\sqrt{5}+2)$となる。）