(1) $V = \mathbb{R}^3$ において、ベクトル $a_1 = \begin{bmatrix} 1 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix}$ と $a_2 = \begin{bmatrix} 0 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix}$ が一次独立であることを示し、これらのベクトルを含む $V$ の基を一つ求めよ。

1. 問題の内容

(1) $V = \mathbb{R}^3$ において、ベクトル $a_1 = \begin{bmatrix} 1 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix}$ と $a_2 = \begin{bmatrix} 0 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix}$ が一次独立であることを示し、これらのベクトルを含む $V$ の基を一つ求めよ。

2. 解き方の手順

一次独立性の証明：

$c_1 a_1 + c_2 a_2 = 0$ となるスカラー $c_1$ と $c_2$ を考える。

すなわち、

$c_1 \begin{bmatrix} 1 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix} + c_2 \begin{bmatrix} 0 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \\ 0 \end{bmatrix}$.

これは次の連立方程式に対応する：

$c_1 = 0$

$2c_1 + 2c_2 = 0$

$c_1 + c_2 = 0$

最初の式より、$c_1 = 0$ が得られる。これを二番目、三番目の式に代入すると、$c_2 = 0$ となる。したがって、$c_1 = c_2 = 0$ であるから、$a_1$ と $a_2$ は一次独立である。

基の構成：

$a_1$ と $a_2$ は $\mathbb{R}^3$ のベクトルであり、一次独立であることがわかった。$\mathbb{R}^3$ の基を構成するためには、一次独立な３つのベクトルが必要である。$a_1$ と $a_2$ に加えて、もう一つのベクトル $a_3$ を選ぶ。$a_3$ は $a_1$ と $a_2$ の線形結合で表せないベクトルであればよい。例えば、$a_3 = \begin{bmatrix} 1 \\ 0 \\ 0 \end{bmatrix}$ を選ぶ。

$a_1$, $a_2$, $a_3$ が一次独立であることを確認する。

$c_1 a_1 + c_2 a_2 + c_3 a_3 = 0$ となるスカラー $c_1, c_2, c_3$ を考える。

$c_1 \begin{bmatrix} 1 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix} + c_2 \begin{bmatrix} 0 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix} + c_3 \begin{bmatrix} 1 \\ 0 \\ 0 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \\ 0 \end{bmatrix}$

これは次の連立方程式に対応する：

$c_1 + c_3 = 0$

$2c_1 + 2c_2 = 0$

$c_1 + c_2 = 0$

三番目の式から $c_2 = -c_1$ が得られる。

二番目の式に代入すると、$2c_1 - 2c_1 = 0$ となり、常に成り立つ。

一番目の式から $c_3 = -c_1$ が得られる。

$c_1 = 1$ とすると、$c_2 = -1$、$c_3 = -1$ となり、$a_1 - a_2 - a_3 = 0$ という関係が成り立つため、$a_1$, $a_2$, $a_3$ は一次従属である。

$a_3 = \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{bmatrix}$ を選ぶ。

$c_1 \begin{bmatrix} 1 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix} + c_2 \begin{bmatrix} 0 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix} + c_3 \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \\ 0 \end{bmatrix}$

$c_1 = 0$

$2c_1 + 2c_2 = 0$

$c_1 + c_2 + c_3 = 0$

$c_1 = 0$ より、$c_2 = 0$、$c_3 = 0$ となり、$a_1$, $a_2$, $a_3$ は一次独立である。

3. 最終的な答え

$a_1$ と $a_2$ は一次独立である。このベクトルを含む $\mathbb{R}^3$ の基の一つは

$\left\{ \begin{bmatrix} 1 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix}, \begin{bmatrix} 0 \\ 2 \\ 1 \end{bmatrix}, \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{bmatrix} \right\}$

である。