(1) $x, y$ は実数とする。命題「$x(x-y) = 0 \implies x = 0$」の真偽を調べ、その逆、裏、対偶を述べ、それらの真偽を調べる。 (2) $x, y$ は実数とする。命題「$x+y \neq 5 \implies x \neq 3$ または $y \neq 2$」の真偽を調べ、その逆、裏、対偶を述べ、それらの真偽を調べる。 (6) $n$ は整数とする。命題「$n^2+1$ が奇数ならば、$n$ は偶数である」を証明する。 (7) $\sqrt{2}$ が無理数であることを用いて、$1 + \sqrt{8}$ が無理数であることを証明する。

代数学命題真偽対偶背理法無理数
2025/6/22

1. 問題の内容

(1) x,yx, y は実数とする。命題「x(xy)=0    x=0x(x-y) = 0 \implies x = 0」の真偽を調べ、その逆、裏、対偶を述べ、それらの真偽を調べる。
(2) x,yx, y は実数とする。命題「x+y5    x3x+y \neq 5 \implies x \neq 3 または y2y \neq 2」の真偽を調べ、その逆、裏、対偶を述べ、それらの真偽を調べる。
(6) nn は整数とする。命題「n2+1n^2+1 が奇数ならば、nn は偶数である」を証明する。
(7) 2\sqrt{2} が無理数であることを用いて、1+81 + \sqrt{8} が無理数であることを証明する。

2. 解き方の手順

(1) 命題「x(xy)=0    x=0x(x-y) = 0 \implies x = 0」について
元の命題:x(xy)=0    x=0x(x-y) = 0 \implies x = 0
x=0x = 0 または xy=0x-y = 0 が成立するならば、x=0x = 0 が成立するかどうかを考える。
xy=0x-y=0のとき、x=yx=yなので、xxは0以外の値を取りうる。例えば、x=1x=1y=1y=1のとき、x(xy)=1(11)=0x(x-y)=1(1-1)=0だが、x=0x=0ではない。したがって、元の命題は偽。
逆:x=0    x(xy)=0x = 0 \implies x(x-y) = 0
x=0x = 0 ならば、x(xy)=0(0y)=0x(x-y) = 0(0-y) = 0 となり、常に成立する。したがって、逆は真。
裏:x(xy)0    x0x(x-y) \neq 0 \implies x \neq 0
元の命題が偽なので、その裏も偽。
x(xy)0x(x-y) \neq 0 は、x0x \neq 0 かつ xy0x-y \neq 0 を意味する。したがって、x0x \neq 0 は真である。
対偶:x0    x(xy)0x \neq 0 \implies x(x-y) \neq 0
逆が真なので、対偶も真。
(2) 命題「x+y5    x3x+y \neq 5 \implies x \neq 3 または y2y \neq 2」について
元の命題:x+y5    x3x+y \neq 5 \implies x \neq 3 または y2y \neq 2
x+y5x+y \neq 5 ならば、x3x \neq 3 または y2y \neq 2 が成立するかどうかを考える。
x=3x = 3 かつ y=2y = 2 と仮定すると、x+y=3+2=5x+y = 3+2 = 5 となる。
x+y5x+y \neq 5 であれば、x3x \neq 3 または y2y \neq 2 の少なくとも一方が成立する。したがって、元の命題は真。
逆:x3x \neq 3 または y2    x+y5y \neq 2 \implies x+y \neq 5
x=4x = 4 かつ y=2y = 2 のとき、x3x \neq 3 が成立するが、x+y=4+2=65x+y = 4+2 = 6 \neq 5 となり成立する。x=3x=3かつy=1y=1のとき、y2y \neq 2が成立するが、x+y=3+1=45x+y=3+1=4\neq 5となり成立する。
x=4x = 4 かつ y=1y = 1 のとき、x3x \neq 3 かつ y2y \neq 2 が成立するが、x+y=5x+y = 5 となる場合がある。したがって、逆は偽。
裏:x+y=5    x=3x+y = 5 \implies x = 3 かつ y=2y = 2
元の命題が真なので、対偶も真である。逆が偽なので、裏も偽である。
反例として、x=4x = 4 かつ y=1y = 1 のとき、x+y=5x+y = 5 だが、x=3x = 3 かつ y=2y = 2 は成立しない。したがって、裏は偽。
対偶:x=3x = 3 かつ y=2    x+y=5y = 2 \implies x+y = 5
x=3x = 3 かつ y=2y = 2 ならば、x+y=3+2=5x+y = 3+2 = 5 となり、常に成立する。したがって、対偶は真。
(6) 命題「n2+1n^2+1 が奇数ならば、nn は偶数である」を証明する。
対偶証明法を用いる。対偶は「nn が奇数ならば、n2+1n^2+1 は偶数である」。
nn が奇数であるとき、n=2k+1n = 2k+1 (kk は整数) と表せる。
このとき、n2+1n^2+1 は、
n2+1=(2k+1)2+1=4k2+4k+1+1=4k2+4k+2=2(2k2+2k+1)n^2+1 = (2k+1)^2 + 1 = 4k^2 + 4k + 1 + 1 = 4k^2 + 4k + 2 = 2(2k^2 + 2k + 1)
2k2+2k+12k^2 + 2k + 1 は整数なので、n2+1n^2+1 は偶数である。
したがって、対偶が真なので、元の命題も真である。
(7) 2\sqrt{2} が無理数であることを用いて、1+81 + \sqrt{8} が無理数であることを証明する。
背理法を用いる。1+81 + \sqrt{8} が有理数であると仮定する。
1+8=r1 + \sqrt{8} = r (rr は有理数) と表せる。
このとき、8=r1\sqrt{8} = r - 1 となる。
rr は有理数なので、r1r - 1 も有理数である。
8=4×2=22\sqrt{8} = \sqrt{4 \times 2} = 2\sqrt{2} より、22=r12\sqrt{2} = r - 1
したがって、2=r12\sqrt{2} = \frac{r - 1}{2} となる。
rr は有理数なので、r1r-1 も有理数であり、r12\frac{r - 1}{2} も有理数である。
これは、2\sqrt{2} が有理数であるということを意味し、2\sqrt{2} が無理数であるという仮定に矛盾する。
したがって、1+81 + \sqrt{8} は無理数である。

3. 最終的な答え

(1) 元の命題:偽、逆:真、裏:偽、対偶:真
(2) 元の命題:真、逆:偽、裏:偽、対偶:真
(6) 証明終わり
(7) 証明終わり

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