$0 \leqq \theta \leqq \pi$ のとき、関数 $f(\theta) = 2\sin(\theta + \frac{\pi}{6}) - 4\cos\theta - \sqrt{6}$ について以下の問いに答える。 (1) 加法定理や合成を用いて $f(\theta)$ を $\sin\theta$ だけを用いた式に変形する。 (2) (1) のとき、$f(\theta)$ の最大値と最小値を求め、またそのときの $\theta$ の値を求める。

1. 問題の内容

$0 \leqq \theta \leqq \pi$ のとき、関数 $f(\theta) = 2\sin(\theta + \frac{\pi}{6}) - 4\cos\theta - \sqrt{6}$ について以下の問いに答える。

(1) 加法定理や合成を用いて $f(\theta)$ を $\sin\theta$ だけを用いた式に変形する。

(2) (1) のとき、$f(\theta)$ の最大値と最小値を求め、またそのときの $\theta$ の値を求める。

2. 解き方の手順

(1) まず、$f(\theta)$ の $\sin(\theta + \frac{\pi}{6})$ の部分を加法定理を用いて展開する。

$\sin(\theta + \frac{\pi}{6}) = \sin\theta\cos\frac{\pi}{6} + \cos\theta\sin\frac{\pi}{6} = \frac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta + \frac{1}{2}\cos\theta$

よって、

$f(\theta) = 2(\frac{\sqrt{3}}{2}\sin\theta + \frac{1}{2}\cos\theta) - 4\cos\theta - \sqrt{6}$

$f(\theta) = \sqrt{3}\sin\theta + \cos\theta - 4\cos\theta - \sqrt{6}$

$f(\theta) = \sqrt{3}\sin\theta - 3\cos\theta - \sqrt{6}$

次に、$a\sin\theta + b\cos\theta = \sqrt{a^2+b^2}\sin(\theta + \alpha)$ の形に合成することを考える。

今回は $\sin$ だけを用いた式に変形するため、$\cos\theta$ を $\sin$ で表せるような変形を行う。

$f(\theta) = \sqrt{3}\sin\theta - 3\cos\theta - \sqrt{6}$

合成を行うと、

$f(\theta) = \sqrt{(\sqrt{3})^2 + (-3)^2}\sin(\theta + \alpha) - \sqrt{6}$

$f(\theta) = \sqrt{3 + 9}\sin(\theta + \alpha) - \sqrt{6}$

$f(\theta) = \sqrt{12}\sin(\theta + \alpha) - \sqrt{6}$

$f(\theta) = 2\sqrt{3}\sin(\theta + \alpha) - \sqrt{6}$

ここで、$\cos\alpha = \frac{\sqrt{3}}{2\sqrt{3}} = \frac{1}{2}$、$\sin\alpha = \frac{-3}{2\sqrt{3}} = -\frac{\sqrt{3}}{2}$ なので、$\alpha = -\frac{\pi}{3}$

よって、

$f(\theta) = 2\sqrt{3}\sin(\theta - \frac{\pi}{3}) - \sqrt{6}$

問題文の指示通り、$f(\theta)$ を $\sin\theta$ だけで表すことを目指す。

最初に展開した式 $f(\theta) = \sqrt{3}\sin\theta - 3\cos\theta - \sqrt{6}$ に戻り、$\cos\theta$ を $\sin\theta$ で表すことを考える。

しかし、そのような変形は不可能である。

問題文の意図としては、加法定理と合成を用いて $f(\theta)$ を $A\sin(\theta + \alpha)$ の形に変形し、その上で最大値・最小値を求めることを期待していると思われる。

$f(\theta) = 2\sqrt{3}\sin(\theta - \frac{\pi}{3}) - \sqrt{6}$

(2) $0 \leqq \theta \leqq \pi$ のとき、$-\frac{\pi}{3} \leqq \theta - \frac{\pi}{3} \leqq \frac{2\pi}{3}$

$\sin(\theta - \frac{\pi}{3})$ の最大値は $1$ ($\theta - \frac{\pi}{3} = \frac{\pi}{2}$ すなわち $\theta = \frac{5\pi}{6}$ のとき)

$\sin(\theta - \frac{\pi}{3})$ の最小値は $-\frac{\sqrt{3}}{2}$ ($\theta - \frac{\pi}{3} = -\frac{\pi}{3}$ すなわち $\theta = 0$ のとき)

$f(\theta)$ の最大値は $2\sqrt{3}(1) - \sqrt{6} = 2\sqrt{3} - \sqrt{6}$ ($\theta = \frac{5\pi}{6}$ のとき)

$f(\theta)$ の最小値は $2\sqrt{3}(-\frac{\sqrt{3}}{2}) - \sqrt{6} = -3 - \sqrt{6}$ ($\theta = 0$ のとき)

3. 最終的な答え

(1) $f(\theta) = 2\sqrt{3}\sin(\theta - \frac{\pi}{3}) - \sqrt{6}$

(2) 最大値：$2\sqrt{3} - \sqrt{6}$ ($\theta = \frac{5\pi}{6}$)、最小値：$-3 - \sqrt{6}$ ($\theta = 0$)