与えられた関数のグラフの概形を描く問題です。今回は、(3) $y=x - \cos x$ (ただし、$0 \le x \le 2\pi$)のグラフの概形を求めます。

解析学グラフ関数の概形微分増減凹凸三角関数
2025/6/23

1. 問題の内容

与えられた関数のグラフの概形を描く問題です。今回は、(3) y=xcosxy=x - \cos x (ただし、0x2π0 \le x \le 2\pi)のグラフの概形を求めます。

2. 解き方の手順

グラフを描く前に、以下の点を考慮します。
(1) 定義域・値域
(2) 対称性・周期性
(3) f(x)f'(x)
(4) f(x)f''(x)による変曲点(凹凸)
(5) 特別な点の調査(例:極値、x軸との交点)
(6) 漸近線(あれば)
(7) 不連続な点・微分可能でない点
与えられた関数は y=xcosxy = x - \cos x (0x2π0 \le x \le 2\pi) です。
(1) 定義域は 0x2π0 \le x \le 2\pi。値域を求めるには、増減を調べる必要があります。
(2) 対称性:f(x)=xcos(x)=xcosxf(-x) = -x - \cos(-x) = -x - \cos xf(x)f(x)f(-x) \neq f(x) かつ f(x)f(x)f(-x) \neq -f(x)なので、偶関数でも奇関数でもありません。周期性:三角関数が含まれていますが、xxの項があるため、周期関数ではありません。
(3) 導関数を求めます。
y=1+sinxy' = 1 + \sin x
y=0y' = 0となるのは、sinx=1\sin x = -1 のとき。すなわち、x=3π2x = \frac{3\pi}{2}
0<x<3π20 < x < \frac{3\pi}{2}y>0y' > 03π2<x<2π\frac{3\pi}{2} < x < 2\piy>0y' > 0。従って、x=3π2x = \frac{3\pi}{2}で極値は持ちません。
(4) 2階導関数を求めます。
y=cosxy'' = \cos x
y=0y'' = 0となるのは、cosx=0\cos x = 0のとき。すなわち、x=π2,3π2x = \frac{\pi}{2}, \frac{3\pi}{2}
0<x<π20 < x < \frac{\pi}{2}y>0y'' > 0(下に凸)、π2<x<3π2\frac{\pi}{2} < x < \frac{3\pi}{2}y<0y'' < 0(上に凸)、3π2<x<2π\frac{3\pi}{2} < x < 2\piy>0y'' > 0(下に凸)。
したがって、x=π2,3π2x = \frac{\pi}{2}, \frac{3\pi}{2}は変曲点です。
変曲点におけるyyの値を求めます。
x=π2x = \frac{\pi}{2}のとき、y=π2cosπ2=π2y = \frac{\pi}{2} - \cos \frac{\pi}{2} = \frac{\pi}{2}
x=3π2x = \frac{3\pi}{2}のとき、y=3π2cos3π2=3π2y = \frac{3\pi}{2} - \cos \frac{3\pi}{2} = \frac{3\pi}{2}
(5) x=0x = 0のとき、y=0cos0=1y = 0 - \cos 0 = -1
x=2πx = 2\piのとき、y=2πcos2π=2π1y = 2\pi - \cos 2\pi = 2\pi - 1
(6) 漸近線はありません。
(7) 不連続な点、微分可能でない点はありません。
これらの情報からグラフの概形を描きます。

3. 最終的な答え

グラフの概形は以下のようになります。
- x=0x=0のとき、y=1y=-1
- x=2πx=2\piのとき、y=2π1y=2\pi -1
- x=π2x=\frac{\pi}{2}のとき、y=π2y=\frac{\pi}{2} (変曲点)
- x=3π2x=\frac{3\pi}{2}のとき、y=3π2y=\frac{3\pi}{2} (変曲点)
- y=1+sinx0y' = 1 + \sin x \ge 0 なので、常に増加関数
- 0<x<π20 < x < \frac{\pi}{2}で下に凸
- π2<x<3π2\frac{\pi}{2} < x < \frac{3\pi}{2}で上に凸
- 3π2<x<2π\frac{3\pi}{2} < x < 2\piで下に凸

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