1から4の数字が書かれたカードがそれぞれ4枚、3枚、2枚、1枚ある。 この10枚のカードから2枚を続けて引く(元に戻さない)。 偶数のカードを引く回数を確率変数 $X$ とする。 このとき、確率変数 $Y = -30X + 2$ の期待値 $E(Y)$ と標準偏差 $\sigma(Y)$ を求める。

確率論・統計学確率期待値標準偏差確率分布
2025/3/29

1. 問題の内容

1から4の数字が書かれたカードがそれぞれ4枚、3枚、2枚、1枚ある。
この10枚のカードから2枚を続けて引く(元に戻さない)。
偶数のカードを引く回数を確率変数 XX とする。
このとき、確率変数 Y=30X+2Y = -30X + 2 の期待値 E(Y)E(Y) と標準偏差 σ(Y)\sigma(Y) を求める。

2. 解き方の手順

まず、XX がとりうる値を考える。2枚引くので、X=0,1,2X=0, 1, 2 である。
次に、XX の確率分布を求める。
全事象は 10P2=10×9=90{}_{10}P_2 = 10 \times 9 = 90 通り。
* X=0X=0 (2枚とも奇数)の場合:
奇数のカードは1と3で、合計 4+2=64+2=6 枚ある。
確率は P(X=0)=6P290=6×590=3090=13P(X=0) = \frac{{}_6P_2}{90} = \frac{6 \times 5}{90} = \frac{30}{90} = \frac{1}{3}.
* X=1X=1 (1枚が偶数、1枚が奇数)の場合:
偶数のカードは2と4で、合計 3+1=43+1=4 枚ある。
確率は P(X=1)=6P1×4P1+4P1×6P190=6×4+4×690=24+2490=4890=815P(X=1) = \frac{{}_6P_1 \times {}_4P_1 + {}_4P_1 \times {}_6P_1}{90} = \frac{6 \times 4 + 4 \times 6}{90} = \frac{24 + 24}{90} = \frac{48}{90} = \frac{8}{15}.
* X=2X=2 (2枚とも偶数)の場合:
確率は P(X=2)=4P290=4×390=1290=215P(X=2) = \frac{{}_4P_2}{90} = \frac{4 \times 3}{90} = \frac{12}{90} = \frac{2}{15}.
確率の合計を確認する: 13+815+215=5+8+215=1515=1\frac{1}{3} + \frac{8}{15} + \frac{2}{15} = \frac{5+8+2}{15} = \frac{15}{15} = 1
XX の期待値を計算する:
E(X)=0×13+1×815+2×215=815+415=1215=45E(X) = 0 \times \frac{1}{3} + 1 \times \frac{8}{15} + 2 \times \frac{2}{15} = \frac{8}{15} + \frac{4}{15} = \frac{12}{15} = \frac{4}{5}.
Y=30X+2Y = -30X + 2 の期待値は、
E(Y)=E(30X+2)=30E(X)+2=30×45+2=24+2=22E(Y) = E(-30X + 2) = -30E(X) + 2 = -30 \times \frac{4}{5} + 2 = -24 + 2 = -22.
X2X^2 の期待値を計算する:
E(X2)=02×13+12×815+22×215=815+815=1615E(X^2) = 0^2 \times \frac{1}{3} + 1^2 \times \frac{8}{15} + 2^2 \times \frac{2}{15} = \frac{8}{15} + \frac{8}{15} = \frac{16}{15}.
XX の分散を計算する:
V(X)=E(X2)(E(X))2=1615(45)2=16151625=804875=3275V(X) = E(X^2) - (E(X))^2 = \frac{16}{15} - (\frac{4}{5})^2 = \frac{16}{15} - \frac{16}{25} = \frac{80-48}{75} = \frac{32}{75}.
YY の標準偏差を計算する:
V(Y)=V(30X+2)=(30)2V(X)=900×3275=12×32=384V(Y) = V(-30X + 2) = (-30)^2 V(X) = 900 \times \frac{32}{75} = 12 \times 32 = 384.
σ(Y)=V(Y)=384=64×6=86\sigma(Y) = \sqrt{V(Y)} = \sqrt{384} = \sqrt{64 \times 6} = 8\sqrt{6}.

3. 最終的な答え

期待値 E(Y): -22
標準偏差 σ(Y)\sigma(Y): 868\sqrt{6}

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