半径 $r$ の円に内接する正 $n$ 角形の面積を $S_n$ とする。 (1) $S_n$ を $n$ を用いて表せ。 (2) 半径 $r$ の円の面積を $S$ とするとき、$\lim_{n \to \infty} S_n = S$ であることを示せ。

幾何学正多角形面積極限
2025/6/23
## 解答

1. 問題の内容

半径 rr の円に内接する正 nn 角形の面積を SnS_n とする。
(1) SnS_nnn を用いて表せ。
(2) 半径 rr の円の面積を SS とするとき、limnSn=S\lim_{n \to \infty} S_n = S であることを示せ。

2. 解き方の手順

(1) 正 nn 角形は、円の中心から各頂点に線を引くことで、nn 個の合同な二等辺三角形に分割できる。それぞれの二等辺三角形の面積を求め、それを nn 倍することで正 nn 角形の面積 SnS_n を求める。
二等辺三角形の頂角は 2πn\frac{2\pi}{n} である。各二等辺三角形は、底辺の中点と円の中心を結ぶ線で2つの合同な直角三角形に分割できる。
それぞれの直角三角形において、斜辺の長さは rr、角度は πn\frac{\pi}{n} である。したがって、直角三角形の底辺の長さは rsin(πn)r \sin(\frac{\pi}{n}) 、高さは rcos(πn)r \cos(\frac{\pi}{n}) である。二等辺三角形の面積は 2×12×rsin(πn)×rcos(πn)=r2sin(πn)cos(πn)2 \times \frac{1}{2} \times r \sin(\frac{\pi}{n}) \times r \cos(\frac{\pi}{n}) = r^2 \sin(\frac{\pi}{n}) \cos(\frac{\pi}{n}) となる。
したがって、SnS_n は次のようになる。
Sn=nr2sin(πn)cos(πn)=nr22sin(2πn)S_n = n r^2 \sin\left(\frac{\pi}{n}\right) \cos\left(\frac{\pi}{n}\right) = \frac{n r^2}{2} \sin\left(\frac{2\pi}{n}\right)
(2) 半径 rr の円の面積 SSS=πr2S = \pi r^2 である。limnSn=πr2\lim_{n \to \infty} S_n = \pi r^2 を示す。
limnSn=limnnr22sin(2πn)\lim_{n \to \infty} S_n = \lim_{n \to \infty} \frac{n r^2}{2} \sin\left(\frac{2\pi}{n}\right) を考える。
x=1nx = \frac{1}{n} とおくと、nn \to \infty のとき x0x \to 0 である。
limnSn=limx0r22xsin(2πx)=limx0πr2sin(2πx)2πx\lim_{n \to \infty} S_n = \lim_{x \to 0} \frac{r^2}{2x} \sin(2\pi x) = \lim_{x \to 0} \pi r^2 \frac{\sin(2\pi x)}{2\pi x}
limx0sin(2πx)2πx=1\lim_{x \to 0} \frac{\sin(2\pi x)}{2\pi x} = 1 であるから、
limnSn=πr2=S\lim_{n \to \infty} S_n = \pi r^2 = S

3. 最終的な答え

(1) Sn=nr22sin(2πn)S_n = \frac{n r^2}{2} \sin\left(\frac{2\pi}{n}\right)
(2) limnSn=πr2=S\lim_{n \to \infty} S_n = \pi r^2 = S

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