関数 $f(x) = |x^2 - 1|$ が $x = 1$ で微分可能でないことを示す。

1. 問題の内容

関数 $f(x) = |x^2 - 1|$ が $x = 1$ で微分可能でないことを示す。

2. 解き方の手順

微分可能であることを示すためには、$x=1$ における右側極限と左側極限が存在し、かつそれらが等しいことを示す必要があります。まず、$x^2 - 1$ の絶対値を外すことを考えます。

$x$ が $1$ の近くにあるとき、$x^2$ も $1$ の近くにあります。

$x > 1$ のとき、$x^2 > 1$ なので、$x^2 - 1 > 0$ となり、$|x^2 - 1| = x^2 - 1$ です。

$x < 1$ のとき、$x^2 < 1$ なので、$x^2 - 1 < 0$ となり、$|x^2 - 1| = -(x^2 - 1) = 1 - x^2$ です。

したがって、

$f(x) = \begin{cases} x^2 - 1 & (x > 1) \\ 1 - x^2 & (x < 1) \end{cases}$

右側微分係数 $f'_+(1)$ は、

$f'_+(1) = \lim_{h \to +0} \frac{f(1+h) - f(1)}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{(1+h)^2 - 1 - |1^2 - 1|}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{1 + 2h + h^2 - 1}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{2h + h^2}{h} = \lim_{h \to +0} (2 + h) = 2$

左側微分係数 $f'_-(1)$ は、

$f'_-(1) = \lim_{h \to -0} \frac{f(1+h) - f(1)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{1 - (1+h)^2 - |1^2 - 1|}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{1 - (1 + 2h + h^2)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{-2h - h^2}{h} = \lim_{h \to -0} (-2 - h) = -2$

右側微分係数と左側微分係数が異なるので、$f'_+(1) \ne f'_-(1)$ であり、$f(x)$ は $x = 1$ で微分可能ではありません。

3. 最終的な答え

$f(x) = |x^2 - 1|$ は $x = 1$ で微分可能ではない。