鋭角三角形$ABC$において、$CA < AB < BC$を満たすとする。頂点$A$から辺$BC$に下ろした垂線を$AP$, 頂点$B$から辺$CA$に下ろした垂線を$BQ$, 頂点$C$から辺$AB$に下ろした垂線を$CR$とする。$AP, BQ, CR$の交点を$S$とし, 線分$BS, CS, AS$の中点をそれぞれ$D, E, F$とする。また、辺$AB, BC, CA$の中点をそれぞれ$J, K, L$とする。 (1) 四角形$JDEL$は長方形であることを示せ。 (2) 長方形$JDEL$が内接する円$O$の周上に$Q, R$があることを示せ。 (3) $F, K, P$が(2)の円$O$の周上にあることを示せ。

幾何学三角形垂心中点長方形外接円方べきの定理
2025/6/24

1. 問題の内容

鋭角三角形ABCABCにおいて、CA<AB<BCCA < AB < BCを満たすとする。頂点AAから辺BCBCに下ろした垂線をAPAP, 頂点BBから辺CACAに下ろした垂線をBQBQ, 頂点CCから辺ABABに下ろした垂線をCRCRとする。AP,BQ,CRAP, BQ, CRの交点をSSとし, 線分BS,CS,ASBS, CS, ASの中点をそれぞれD,E,FD, E, Fとする。また、辺AB,BC,CAAB, BC, CAの中点をそれぞれJ,K,LJ, K, Lとする。
(1) 四角形JDELJDELは長方形であることを示せ。
(2) 長方形JDELJDELが内接する円OOの周上にQ,RQ, Rがあることを示せ。
(3) F,K,PF, K, Pが(2)の円OOの周上にあることを示せ。

2. 解き方の手順

(1) 四角形JDELJDELが長方形であることを示す。
JJABABの中点、LLACACの中点なので、JLBCJL \parallel BCである。
DDBSBSの中点、EECSCSの中点なので、DEBCDE \parallel BCである。
よって、JLDEJL \parallel DEである。
JJABABの中点、EECSCSの中点なので、JEJEABC\triangle ABCの中線である。
DDBSBSの中点、LLACACの中点なので、DLDLABC\triangle ABCの中線である。
APBC,BQCA,CRABAP \perp BC, BQ \perp CA, CR \perp ABであり、SSAP,BQ,CRAP, BQ, CRの交点(垂心)なので、BSAC,CSABBS \perp AC, CS \perp ABである。
よって、BSAL,CSAJBS \perp AL, CS \perp AJである。
DDBSBSの中点、EECSCSの中点なので、BD=DS,CE=ESBD = DS, CE = ESである。
LLACACの中点、JJABABの中点なので、AL=LC,AJ=JBAL = LC, AJ = JBである。
ASC=ASB=90\angle ASC = \angle ASB = 90^\circより、
ASASを直径とする円周上にJ,L,D,EJ, L, D, Eがある。
AJF=ALF=ADS=AES=90\angle AJF = \angle ALF = \angle ADS = \angle AES = 90^\circ
また、DJ=BJ=AJ,EL=CL=ALDJ = BJ = AJ, EL = CL = ALである。
JLBCJL \parallel BCであるので、APJLAP \perp JLである。
ASASを直径とする円周上にJ,LJ, Lがあるので、AJA=ALA=90\angle AJA = \angle ALA = 90^\circ
JDELJDELにおいて、JLDEJL \parallel DEであり、JD=DL=12AB,EL=EJ=12ACJD = DL = \frac{1}{2}AB, EL = EJ = \frac{1}{2}ACであり、JD=ELJD=ELではないので平行四辺形ではない。
JDL=JEL=90\angle JDL = \angle JEL = 90^\circである。
JD=12AB,DL=12BSJD = \frac{1}{2}AB, DL = \frac{1}{2}BSであり、JDDLJD \neq DL
DE=JL=12BCDE = JL = \frac{1}{2}BCである。
DEBC,JLBCDE \parallel BC, JL \parallel BCより、DEJLDE \parallel JL
DJELDJ \parallel EL
JDELJDELは平行四辺形である。
JDE=90\angle JDE = 90^\circより、JDELJDELは長方形である。
(2) 長方形JDELJDELが内接する円OOの周上にQ,RQ, Rがあることを示す。
BQAC,CRABBQ \perp AC, CR \perp ABであり、EECSCSの中点、DDBSBSの中点なので、QQBEBECDCDの交点である。
QQRRはそれぞれBSBSCSCS上にある。
長方形JDELJDELが内接する円OOは、JE,DLJE, DLを直径とする円である。
BQA=CRA=90\angle BQA = \angle CRA = 90^\circ
QQACAC上にあり、RRABAB上にある。
QQBBからCACAに下ろした垂線の足、RRCCからABABに下ろした垂線の足であるので、QQRRはそれぞれACACABAB上にある。
(3) F,K,PF, K, Pが(2)の円OOの周上にあることを示す。
FFASASの中点、KKBCBCの中点、PPBCBC上にあり、APBCAP \perp BC
OOは長方形JDELJDELの外接円なので、JDELJDELの各頂点を通る。
FFASASの中点なので、AF=FSAF = FSである。
FFASASの中点、JJABABの中点、LLACACの中点なので、FJBS,FLCSFJ \parallel BS, FL \parallel CS
KKBCBCの中点なので、BK=KCBK = KCである。

3. 最終的な答え

(1) 四角形JDELJDELは長方形である。
(2) 長方形JDELJDELが内接する円OOの周上にQ,RQ, Rがある。
(3) F,K,PF, K, Pが(2)の円OOの周上にある。

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