$n$を正の整数とするとき、$2^{n+1} + 3^{2n-1}$ が7の倍数であることを、二項定理を用いて示す。

数論整数の性質倍数二項定理数学的帰納法
2025/3/30

1. 問題の内容

nnを正の整数とするとき、2n+1+32n12^{n+1} + 3^{2n-1} が7の倍数であることを、二項定理を用いて示す。

2. 解き方の手順

まず、2n+12^{n+1}を二項定理を使って展開することを考えます。画像のヒントにあるように、2n+1=(97)n+12^{n+1}=(9-7)^{n+1}と変形し、二項定理を用います。
2n+1=(97)n+1=k=0n+1n+1Ck9n+1k(7)k2^{n+1}=(9-7)^{n+1} = \sum_{k=0}^{n+1} {}_{n+1}C_k 9^{n+1-k} (-7)^k
次に、32n13^{2n-1}を7で割った余りを考えます。
32n1=32n31=(32)n13=9n133^{2n-1} = 3^{2n} \cdot 3^{-1} = (3^2)^n \cdot \frac{1}{3} = 9^n \cdot \frac{1}{3}.
2n+1+32n12^{n+1}+3^{2n-1}を7の倍数であることを示したいので、2n+1+32n1=7M2^{n+1}+3^{2n-1} = 7Mとなる整数MMを見つけたいです。
2n+1=(97)n+1=k=0n+1n+1Ck9n+1k(7)k2^{n+1} = (9-7)^{n+1} = \sum_{k=0}^{n+1} {}_{n+1}C_k 9^{n+1-k} (-7)^k
=9n+1+n+1C19n(7)1+n+1C29n1(7)2++(7)n+1= 9^{n+1} + {}_{n+1}C_1 9^n (-7)^1 + {}_{n+1}C_2 9^{n-1} (-7)^2 + \cdots + (-7)^{n+1}
=9n+17n+1C19n+49n+1C29n1+(7)n+1= 9^{n+1} - 7{}_{n+1}C_1 9^n + 49{}_{n+1}C_2 9^{n-1} - \cdots + (-7)^{n+1}
=9n+1+7(integer)= 9^{n+1} + 7(\text{integer})
2n+1=(2)n+1=22n2^{n+1} = (2)^{n+1} = 2 \cdot 2^n.
32n1=13(32n)=13(9n)3^{2n-1} = \frac{1}{3}(3^{2n}) = \frac{1}{3} (9^n).
したがって、2n+1+32n1=22n+139n=22n+139n=22n+13(7+2)n2^{n+1} + 3^{2n-1} = 2 \cdot 2^n + \frac{1}{3} \cdot 9^n = 2 \cdot 2^n + \frac{1}{3} \cdot 9^n = 2 \cdot 2^n + \frac{1}{3} \cdot (7+2)^n.
(7+2)n(7+2)^nを二項展開すると、(7+2)n=k=0nnCk7nk2k=7(integer)+2n(7+2)^n = \sum_{k=0}^n {}_n C_k 7^{n-k} 2^k = 7(\text{integer})+2^n.
よって、2n+1+32n1=22n+13(7(integer)+2n)=22n+73(integer)+2n3=73(integer)+62n+2n3=73(integer)+72n3=7(integer+2n3)2^{n+1} + 3^{2n-1} = 2 \cdot 2^n + \frac{1}{3} (7(\text{integer})+2^n) = 2 \cdot 2^n + \frac{7}{3}(\text{integer}) + \frac{2^n}{3} = \frac{7}{3}(\text{integer}) + \frac{6 \cdot 2^n+2^n}{3} = \frac{7}{3}(\text{integer}) + \frac{7 \cdot 2^n}{3} = 7(\frac{\text{integer} + 2^n}{3}).
これで示せるためには、integer+2n3\frac{\text{integer} + 2^n}{3}が整数である必要がある。
別の考え方として、数学的帰納法を使う。
n=1n=1のとき、21+1+32(1)1=22+31=4+3=72^{1+1} + 3^{2(1)-1} = 2^2+3^1 = 4+3 = 7. 7は7の倍数。
n=kn=kのとき、2k+1+32k12^{k+1}+3^{2k-1}が7の倍数であると仮定する。つまり、2k+1+32k1=7M2^{k+1}+3^{2k-1} = 7M for some integer MM.
n=k+1n=k+1のとき、2(k+1)+1+32(k+1)1=2k+2+32k+1=22k+1+932k12^{(k+1)+1} + 3^{2(k+1)-1} = 2^{k+2} + 3^{2k+1} = 2 \cdot 2^{k+1} + 9 \cdot 3^{2k-1}.
2k+1=7M32k12^{k+1} = 7M-3^{2k-1}なので、22k+1=2(7M32k1)=14M232k12 \cdot 2^{k+1} = 2(7M-3^{2k-1}) = 14M-2 \cdot 3^{2k-1}.
2k+2+32k+1=14M232k1+932k1=14M+732k1=7(2M+32k1)2^{k+2} + 3^{2k+1} = 14M-2 \cdot 3^{2k-1} + 9 \cdot 3^{2k-1} = 14M + 7 \cdot 3^{2k-1} = 7(2M+3^{2k-1}).
2M+32k12M+3^{2k-1}は整数であるから、2(k+1)+1+32(k+1)12^{(k+1)+1} + 3^{2(k+1)-1}は7の倍数である。
したがって、数学的帰納法により、2n+1+32n12^{n+1}+3^{2n-1}は7の倍数である。

3. 最終的な答え

nnを正の整数とするとき、2n+1+32n12^{n+1} + 3^{2n-1} は 7 の倍数である。

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