関数 $f(x) = x^2 + 2(x - 2|x|) + 2$ について、以下の問題を解く。 (1) $y=f(x)$ のグラフの概形を求める。 (2) $y=f(x)$ と $y$ 軸の交点を $A$ とする。点 $A$ を通り傾き $m$ の直線を $l$ とする。$l$ が $y=f(x)$ と異なる3点で交わるとき、$m$ の範囲を求める。さらに、$l$ と $y=f(x)$ で囲まれた2つの部分の面積の和 $T$ を $m$ の式で表し、$T$ の最小値を求める。

解析学関数のグラフ絶対値積分面積最大最小
2025/6/24

1. 問題の内容

関数 f(x)=x2+2(x2x)+2f(x) = x^2 + 2(x - 2|x|) + 2 について、以下の問題を解く。
(1) y=f(x)y=f(x) のグラフの概形を求める。
(2) y=f(x)y=f(x)yy 軸の交点を AA とする。点 AA を通り傾き mm の直線を ll とする。lly=f(x)y=f(x) と異なる3点で交わるとき、mm の範囲を求める。さらに、lly=f(x)y=f(x) で囲まれた2つの部分の面積の和 TTmm の式で表し、TT の最小値を求める。

2. 解き方の手順

(1) 絶対値記号を外す。
x0x \ge 0 のとき、x=x|x| = x なので、
f(x)=x2+2(x2x)+2=x22x+2f(x) = x^2 + 2(x - 2x) + 2 = x^2 - 2x + 2
x<0x < 0 のとき、x=x|x| = -x なので、
f(x)=x2+2(x2(x))+2=x2+6x+2f(x) = x^2 + 2(x - 2(-x)) + 2 = x^2 + 6x + 2
したがって、y=f(x)y=f(x) のグラフは、x0x \ge 0 のとき放物線 y=x22x+2y = x^2 - 2x + 2 の部分、x<0x < 0 のとき放物線 y=x2+6x+2y = x^2 + 6x + 2 の部分をつなぎ合わせた曲線である。
(2) y=f(x)y=f(x)yy 軸の交点 AA の座標を求める。x=0x=0 のとき、f(0)=022(0)+2=2f(0) = 0^2 - 2(0) + 2 = 2 なので、A(0,2)A(0, 2) である。
A(0,2)A(0, 2) を通る傾き mm の直線 ll の方程式は、y=mx+2y = mx + 2 である。
直線 lly=f(x)y=f(x) と異なる3点で交わる条件を考える。
x0x \ge 0 のとき、x22x+2=mx+2x^2 - 2x + 2 = mx + 2 より、x2(m+2)x=0x^2 - (m+2)x = 0。よって、x(x(m+2))=0x(x - (m+2)) = 0
x=0,m+2x=0, m+2 で交わる。x=0x=0 は点 AA であるから、m+2>0m+2 > 0 より、m>2m > -2 である必要がある。
x<0x < 0 のとき、x2+6x+2=mx+2x^2 + 6x + 2 = mx + 2 より、x2+(6m)x=0x^2 + (6-m)x = 0。よって、x(x+(6m))=0x(x + (6-m)) = 0
x=0,m6x=0, m-6 で交わる。x=0x=0 は点 AA であるから、m6<0m-6 < 0 より、m<6m < 6 である必要がある。
さらに、m+2m6m+2 \ne m-6 である必要があるので、00 以外の解を持つ必要がある。
したがって、2<m<6-2 < m < 6 である。
x0x \ge 0 の範囲で囲まれた面積を S1S_1, x<0x < 0 の範囲で囲まれた面積を S2S_2 とする。
S1=0m+2(mx+2(x22x+2))dx=0m+2(x2+(m+2)x)dx=[13x3+m+22x2]0m+2=13(m+2)3+12(m+2)3=16(m+2)3S_1 = \int_0^{m+2} (mx + 2 - (x^2 - 2x + 2)) dx = \int_0^{m+2} (-x^2 + (m+2)x) dx = [-\frac{1}{3}x^3 + \frac{m+2}{2}x^2]_0^{m+2} = -\frac{1}{3}(m+2)^3 + \frac{1}{2}(m+2)^3 = \frac{1}{6}(m+2)^3
S2=m60(mx+2(x2+6x+2))dx=m60(x2+(m6)x)dx=[13x3+m62x2]m60=0(13(m6)3+m62(m6)2)=13(m6)312(m6)3=16(m6)3=16(6m)3S_2 = \int_{m-6}^0 (mx + 2 - (x^2 + 6x + 2)) dx = \int_{m-6}^0 (-x^2 + (m-6)x) dx = [-\frac{1}{3}x^3 + \frac{m-6}{2}x^2]_{m-6}^0 = 0 - (-\frac{1}{3}(m-6)^3 + \frac{m-6}{2}(m-6)^2) = \frac{1}{3}(m-6)^3 - \frac{1}{2}(m-6)^3 = -\frac{1}{6}(m-6)^3 = \frac{1}{6}(6-m)^3
T=S1+S2=16((m+2)3+(6m)3)=16(m3+6m2+12m+8+216108m+18m2m3)=16(24m296m+224)=4m216m+1123T = S_1 + S_2 = \frac{1}{6}((m+2)^3 + (6-m)^3) = \frac{1}{6}(m^3 + 6m^2 + 12m + 8 + 216 - 108m + 18m^2 - m^3) = \frac{1}{6}(24m^2 - 96m + 224) = 4m^2 - 16m + \frac{112}{3}
T=4(m24m)+1123=4(m2)216+1123=4(m2)2+643T = 4(m^2 - 4m) + \frac{112}{3} = 4(m-2)^2 - 16 + \frac{112}{3} = 4(m-2)^2 + \frac{64}{3}
したがって、TTm=2m=2 のとき、最小値 643\frac{64}{3} をとる。

3. 最終的な答え

ア: 2
イ: 2
ウ: 0
エ: 6
オ: 2
ウ: 0
カキ: -2
ク: 6
ケ: 4
コサ: 16
シスセ: 112
ソ: 3
タ: 2
チツ: 64
テ: 3

「解析学」の関連問題

広義積分 $\int_a^b \frac{dx}{(b-x)^p}$ ($a < b$) の収束・発散を調べる。

広義積分積分収束発散置換積分
2025/6/24

複素関数 $w = \frac{1}{2z}$ (ただし、$z \neq 0$) によって、$z$ が $z$ 平面上で半径2、中心が原点の円上を動くとき、$w$ が $w$ 平面上でどのように変化す...

複素関数複素平面写像
2025/6/24

問題は、テイラー展開(またはマクローリン展開)を用いて、オイラーの公式を証明することです。オイラーの公式は、$e^{ix} = \cos x + i \sin x$ で表されます。

テイラー展開マクローリン展開オイラーの公式複素指数関数三角関数
2025/6/24

次の関数のグラフの概形を描く問題です。 (1) $y = (x-1)^3(x-3)$ (2) $y = x + \sqrt{2}\sin x \ (0 \leq x \leq 2\pi)$ (3) $...

関数のグラフ微分増減凹凸極値変曲点漸近線
2025/6/24

次の定積分を計算します。 $\int_{0}^{2\pi} \frac{1}{\cos\theta + 2} d\theta$

定積分変数変換三角関数積分計算
2025/6/24

次の定積分を計算する問題です。 $$ \int_{0}^{2\pi} \frac{1}{\cos\theta + 2} d\theta $$

定積分複素積分留数定理特異点積分計算
2025/6/24

複素積分 $\oint_C \bar{z} dz$ を計算します。積分路 $C$ は $|z| = 1$ で定義される単位円であり、正の向き(反時計回り)です。

複素積分複素数積分路線積分
2025/6/24

与えられた三角関数の周期を求め、そのグラフを描き、対応する基本的な三角関数(例: $y = \cos \theta$)との位置関係を説明する問題です。

三角関数周期グラフ振幅平行移動
2025/6/24

$\cos(\theta - \frac{\pi}{3}) < \frac{\sqrt{3}}{2}$ を解く問題です。

三角関数不等式三角関数の不等式解の範囲
2025/6/24

$\sin(\theta + \frac{\pi}{4}) = \frac{\sqrt{3}}{2}$ を満たす $\theta$ を求める問題。

三角関数sin方程式解の公式
2025/6/24